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エッセイ

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自分のエッセイをまとめてます。
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記事一覧

お外でご飯食べたい日|エッセイ

お外でご飯食べたい日|エッセイ

息子が「お外でご飯食べたい!」と言い出した。
保育参観の日はお昼ご飯どうする?と話していた時だ。

「あー、そうだね。そうしようか」
息子が外食したいというのははじめてのことだった。
うちは、遠い公園に行くときに途中でハンバーガーを買ったりすることはあるが、日常的には外食をしない家だ。だからこそ息子にとっても特別なのかもしれない。
「やったあ!!!!」
3歳児が飛び跳ねた。

いざその日になると、

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ぐりとぐらのカステラ|エッセイ

ぐりとぐらのカステラ|エッセイ

恥ずかしながら、私は大人になってからはじめてぐりとぐらを読んだ。息子に読み聞かせながら私も初体験だ。

森にお散歩に出かけたぐりとぐらは、森で大きな卵に出会い、こんなに大きな卵なら、1日中食べても残るぐらい大きなカステラができるに違いない!とカステラを作ることにした。

持って帰ろうと工夫するも、小さなねずみの2人には難しかったので、もうここで作ってしまおう!と2匹は道具を運ぶ。
バターを大きなレ

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我が家の最後の赤ちゃん

我が家の最後の赤ちゃん

我が子はすごく可愛い。特に赤ちゃんはたまらなく可愛い。
上の子の時は余裕があったので、節目節目でお祝いや記念の写真をかかさず撮っていたが、2人目が産まれてからなかなか難しくなってしまった。

この間、娘はハーフバースデーのお祝いをしてないと気付いた。なんなら毎月の月齢写真も撮ってない。
ハーフバースデーだけでもする?
衣装を買って部屋を飾り付けして凝った離乳食を作る…?
少し考えて無理だと思ったの

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2人産んだらパワフルママになった話

2人産んだらパワフルママになった話

私は元々不健康な引きこもり女だ。趣味はゲーム。仕事も座り仕事で、ほぼ立たないし重いものも滅多に持たない。
友人と登山に行っても「私はなんでこんなところに…?家でゲームしてればよかった…」と文句を垂れる。

数日前に風邪で発熱した3歳の息子と生後半年の娘を病院に連れていった。処方箋を貰って、さあ薬局に行こうかと言うときに3歳が怒り始めた。
「まだ遊ぶ!!!!!!」
そうだと思った。
酷い駄々はこねな

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毎週末のホットケーキ|エッセイ

毎週末のホットケーキ|エッセイ

土曜の朝になると息子が聞いてくる。
「今日は何(するの)?」
休みだよと答えると、ガバッと布団から立ち上がりながら「今日のご飯ホットケーキがいい!」と息子が叫んだ。

この習慣の始まりは、しろくまちゃんのほっとけーきという絵本だ。息子が絵本を気に入ったので、おうちでもやってみようかとホットケーキを焼いたら毎週のことになってしまった。

絵本のとおりに、まずたまごを割って牛乳を入れてよく混ぜる。息子

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幸せにしてもらうという言葉の不自然さ|エッセイ

幸せにしてもらうという言葉の不自然さ|エッセイ

幸せにしてもらうという言葉に少し苦手意識がある。

私は、幸せだからこの人と結婚したい!ずっと一緒にいたい!と思うんじゃないの?という考えだ。結婚してそこから幸せになるというのは、なかなか難しい。
名字を変える等の手間、結婚に伴う面倒な慣習、他人と共同生活することで生じるストレス、金銭的な負担、様々な場面で揉める可能性が増える。
それを含めても結婚してよかったと思うが、結婚には面倒な面が多い。

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色鮮やかな世界|エッセイ

色鮮やかな世界|エッセイ

趣味は人によって広く浅くスタイルと、狭く深くスタイルと、広く深くスタイルがあると思っている。
筆者は典型的な広く浅くスタイルだ。いや、もしかしたら狭く浅くスタイルかもしれない。

友人に勧められても表面しか撫でないし、自分が好きなものもあまり掘り下げない。例えて言うと、ポケモンのゲームのストーリー部分だけやっておしまいにするタイプだ。一番楽しい部分だけやってるつもりなのだが、勿体ないと感じる人も多

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旅行当日に子供が風邪

旅行当日に子供が風邪

子供がいる家ではあるあるだ。

旅行前に骨折したり、集合写真を撮る朝に熱を出したり、文化祭の日にお腹が痛くなったり、結婚式前日に結構な怪我をしたり、新婚旅行でタイミング悪く台風が直撃したり、スマートチケットを使うタイミングで携帯の画面を割ったり…。
子供がいなくても「なんで今?」ということにはたくさん遭遇しているつもりだったが、子供が産まれて更に頻度とバリエーションが増えた。

前までは夫婦のタイ

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現実と地続きの未来

現実と地続きの未来

子供の頃はうんざりするほど
「将来何になりたいの?」と聞かれたのに、大人になると全く聞かれなくなる。たかだか20年、人生の四分の一程度しか生きてないのに、完成したかのような扱いを受ける。
大人になっても夢の話をしている人たちもいるのかもしれないが、少なくとも私の周りにはいない。

将来どうなりたいだろうか?
あなたもぜひ考えてほしい。

子供がもう少し大きくなれば保育園料がかからなくなるので、浮い

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YOASOBIさんの群青で涙が出るアラサー

YOASOBIさんの群青で涙が出るアラサー

人生は黒歴史だらけだ。
自分の愚かさで友人をなくしたことも幾度かあるし、思うところがあっても仲良くし続けてくれているだろう友人には、頭が上がらない。
最近急にnoteで自分語りを始めたと思ったら、毎日投稿していたり、引いてる友人も居ると思う。ありがたいことに誰も面と向かっては言ってこないが。

歌うことが好きだった。でも大人になって世間に出ると、私より上手い人はたくさんいた。
絵を描くのが好きだっ

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隣の芝生|エッセイ

隣の芝生|エッセイ

隣の芝生は青い。

結婚するまでは、色んな人が羨ましくてしょうがなかった。自動車学校や専門学校の学費を払ってくれる親がいる人や、優しくて聞き上手でいつも周りに人が絶えない友人、好き勝手生きてるように見える人たち。他にもたくさん。

自分の見た目に関しては、元々そこまでコンプレックスはない。美人ではないが、ブスいじりされてもデブいじりされても、ふーんってなるだけだ。
ただ、性格には結構なコンプレック

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節分のお面と息子|エッセイ

節分のお面と息子|エッセイ

この時期になると、夫が鬼の面を買ってくる。
今年は1つ大きいサイズのものになったので、息子にはぴったりだ。
毎年家にあるものなので、息子はもう全く鬼の面を怖がらない。鬼の角が猫の耳みたいと言う始末だ。息子には猫耳をつけたおじさんに見えているのかもしれない。可愛いねえと言っていたが…本当に?
去年は触ろうとしなかったのに、今年は触るどころかつけて妹を脅していた。なんて酷いことを…。トラウマになるかと

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3歳の着替え|エッセイ

3歳の着替え|エッセイ

3歳にもなると、大体のことは自分でできるようになるようだ。
朝は娘を着替えさせながら息子に声かけをして、自分で着替えて貰うことが多かったので、今朝じっくりと息子の着替えを見て、愛しさが爆発した。

畳まれた着替えを全部広げて、「パンツあった!肌着は?どこ?…あった!」と何故か目の前にあるのに見えなくなってしまう。
「ママ着替え見てるの?」と親の視線を独り占めできて嬉しそうにはにかんで着替え始める。

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傷を肩代わりしてくれたもの|エッセイ

傷を肩代わりしてくれたもの|エッセイ

※この記事は虐待の話などがでます。苦手な方は読まないようにお願いします。

中学の3年間、私は不登校児だった。学校にも家にも居場所がなく、ネットや創作の中に現実逃避していた。
よく読んでいたのは、血が出て来たり簡単に人が死んでしまったりする残酷なお話だ。読むのも書くのも好きだったし、血のついたキャラクターが好きでぬいぐるみを集めたりもしていた。

その中でも特に好きだったのは、作家の日日日さんの書

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