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エッセイとか

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まっくらくりすます

まっくらくりすます

子どもにとって「台風」や「豪雨」「雷」などといった自然現象は、生活を脅かす恐ろしさを感じる前に、経験のない未知なる好奇心の種だ。それに伴う「停電」という出来事は、洞窟をさまようような、それだけで充分すぎる冒険だった
そうわたしは、過去に真っ暗いクリスマスの経験がある

クリスマスケーキにろうそくを立てることはないけれど、その当時はわりと停電というものは多く、雨が降っても電線が切れたり断線したりして

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登場人物になりたかった

登場人物になりたかった

わりと小さい頃から「物語」を書いていたわたしが、本気で「小説」というものを書こうと思ったきっかけは、今思えばこの本との出会いだったのじゃないかと思います

昭和63年…そう、まさに平成に切り替わろうとしていた時期に出版された詩集です。当時のわたしは女子高に通っていて、時代が変わるとかそんなことにはまったく頓着せず自分のことに精一杯だった頃・・・・なにに夢中になるでもなく、将来の夢もなければ目の前の

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魔術

魔術

あれはいつの記憶か…
幼少期の頼りない情景ながらも、いつまでも脳裏にあるあれは、現実だったのか作りものだったのか。今となっては確認する術もないが、あれがまがい物ではなく真の奇跡なのだとしたら、魔術以外のなにものでもないだろう

それはドキュメンタリー番組だった
どこの国かは知らないが、日本ではない。服装を見る限り、それほど豊かな土地とも思えない雰囲気で、村にひとつしかない医者のような風情で、奇跡は

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雪が降る町

雪が降る町

はい、知る人ぞ知るユニコーンです

この曲はシングルカットされてるのかな? ちょっと詳しくはわからないのだけれど、妹の車の中でよく聞いていたことを思い出したので、いつもとは違うスタイルで昭和歌謡を紹介したいと思います

当時のわたしはいわゆるニートで、車は免許証こそ持ってはいたけれど、完全なるペーパードライバーで、自分で車を買おうなんてこともこれっぽっちも思ってはいなかった。結婚してからもいつも妹

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あこがれの「常連さん」

あこがれの「常連さん」

こちらを訪れたのはもう1年以上も前・・・・
ついこの間のように思うのは、歳のせい? いやいやいや、初めてのひとり旅だったから、鮮明に覚えているのでしょう。本当は今年の誕生日にもいきたかったの。そうそれはまさに! お決まりの…と「恒例行事」のように、わたしの日常に当たり前のように刻みたかったのだ

そこは・・・・

The Ryokan Tokyo YUGAWARAずっ~っと焦がれてやまなかった場

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憂鬱の仮面

憂鬱の仮面

理不尽なほど、自分を毛嫌いしている相手を目の当たりに見た

一瞬ムカついた。いや、1時間くらい苛立ちを引きづっただろうか

気晴らしにドラマを観ていたら、後輩からメールが入っていた。若さゆえの苦悩。大人の対応で偉そうな言葉を並べてなだめた

返信しながら、少し前のいらだちを振り返る。自分も少し前に嫌なことがあったが、頭の中で処理した…と答えた

よくいう…自分でもそう思う。だからちゃんと振り返る

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妄想の具現化

妄想の具現化

わたし一応それっぽいものを書いてはおりますが、実は、ドロっドロなヤツをやりたいと思っていた・・・・Σ(・ω・ノ)ノ!
ドロドロっていうか、ベタベタ? キトキトかなぁ・・・・どうでもいいか
でも、残念なことにわたくし本人には「峰不二子」要素もなければ、変身時にキラキラ輝きながらまっ裸になれるビジュアル(必要か?)も持ってはいない。当然ながら、自分の経験値だけではドロドロできなかった~残念!
それに

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cake

cake

No.1『紅茶のケーキ』

私の通っていた高校の最寄り駅付近に「P.1024」という名のケーキ屋さんがありました。店の由来は10:00~24:00まで営業していた…と聞いていたのですが、お店がなくなる(廃業?)頃は閉店時間が19:00までになっていた
そこはあまり車の通らない細い裏通りで、昼は買い物客、夜はネオンで賑やかになる処だったのです。だから24:00までやっていたのかもしれません。学生時代

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アメジストに想う

アメジストに想う

魔除け石・愛の守護石 『アメジスト』

わたしが初めてこの石を手にしたのは・・・・確か、小学2年生の時だったように思う。毎月届く学習教材の付録としてランダムに入っていた不格好な鉱石、わたしの付録は「紫水晶」だった。わたしはこの言葉にとても強く惹かれたことを覚えている

のちに「紫水晶」が忘れられなかったわたしは、自分の冒険ファンタジー小説の中のキーワードとして「黒水晶」というものを登場させた。当時

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節分によせて

節分によせて

「天照大御神様にあげま~す」
「天照皇大神宮にあげま~す」
「歳徳神様にもあげま~す」

「日本全国の神様にあげま~す」

おには~そと、おには~そと、ふくは~うち、ふくは~うち・・・・

もうすぐ豆まきの日がやってきますね
ここ数年では「節分」もイベント化しているように思われます。子どもの頃には知らなかった「恵方巻」というものがあり、お正月が過ぎるとどこも「恵方巻」ののぼりで賑わってます

豆ま

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『願い』 #幸せをテーマに書いてみよう

『願い』 #幸せをテーマに書いてみよう

その時父は
「貰ってくれるというところに行ってもらうしかない」と言った

行ってもらうしかない
この言葉の裏にはどんな思いが込められていたのだろう

女の子が生まれた時から諦めていた。父はよくそう言っていた
だからといってそれがしあわせじゃない、わけではない

普通に男の子が欲しかったんだろうと思う。名前も準備されていた
わたしの名前は慌てて付けられた…けれど気に入っている

愛されていないわけで

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わたしの名前は干支から

わたしの名前は干支から

昭和のど真ん中…よりちょっと後半?

わたしの両親はおそらく「団塊世代」と言われる年齢に位置するのだろう

とかく田舎は跡取り問題にうるさい。よって、嫁は「男児」の出産を求められた。ある家では、子どもが産まれるまで嫁は「戸籍に入れて貰えない」という所さえあったようだ

結果懐妊の際には当然のように「男児」の名前しか考えられていないというのが現実で、我が家もそれそのものだった

わたしの名前は『新吾

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わたしと香水

わたしと香水

わたしが初めて香水を買ったのは、短大の時だった。研修旅行で初めて海外に旅立つ成田空港の免税店だった・・・・

自分の名前が香水にあることを知ったのは、当時少年誌で連載していた人気連載漫画からだった。主人公と敵対関係にある彼女は、お世辞にもかわいいとは言えない知的でキャリアな女性。普段なら、どんな女性だろうと、同じ名前というだけで親近感が沸く…だが彼女は、かわいくもない緑のおばさんスーツに黒縁眼鏡で

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