見出し画像

将来性のある部下にあえて厳しくすることは正しいのか? 部下をよく見て!

こんばんは、アドバイザーのこうたです。

今回は、私が販売員としてお世話になっているお店で実際にあった出来事です。





1.一生懸命な人ほど最初はミスが多い

販売員は実績が全て。

商材が多く、その商材の中にも優先度があるため、販売員は常に販売クオリティを求めます。


販売員歴2ヶ月目くらいの、とある女性販売員に出会いました。

あまりの才能に当時驚いたのをよく覚えています。


前向きで、全力で、試行錯誤を繰り返す優秀なスタッフ。


私が社会人になった時は、いかにして力を抜くかばかり考えていたものですが、彼女は就業中、一切妥協することなく働いていました。

私の見立てだと、決して販売員としての才能に秀でているわけではありません。

努力とやる気で才能を凌駕するタイプで、どこの会社でも通用する優秀な人材です。




しかしこのタイプは、非常に危うくもあります。

承認欲求が強いので、大きな商材の販売に成功すると、喜びがあらゆる感情を超えてしまいます。

それ自体はいいのですが、大きな実績に繋がったという事実が思考を埋めるので、注意力が散漫になるのです。

もっと言うのであれば、一時的に深く思考しなくなります。


販売員としての実力や知識が不足しているため、キャパシティを超える状況になるとすぐに露呈してしまうのです。

数日に一度は致命的なミスをし、慎重になっていれば新人とか関係なく回避できたことばかり。



結果的に、実績は出すけどミスが多い販売員となってしまいます。

私も同様のタイプだったので、同じ道を歩んでいました。





2.キツく言ったところで二度目が回避できるわけではない

さて、このお店の店長ですが、指導者として決して無能ではありません。

こう言ってはなんですが、部下の性格や才能を細かく把握している上司は存外少ないものです。

というより、少なくとも私は販売店舗で出会ったことがありません。


しかしここの店長は、しっかりと把握されていました。

残念なのは把握した内容を活用し切れていないことでしたが、他愛もない会話からも部下をよく見ているのが分かりました。

きちんとスタッフごとに育成方針を決めているし、難しいスタッフには頭を悩ませて頭ごなしにならないように意識しています。


が、言葉がキツすぎる!



これは店長の人間性の問題で、昔から怖がられることに悩んでいたようです。

話し方で優しく話そうとする意識も伝わってくるものの、それがかえって不気味に感じられてしまう笑

そして少し感情的になると、暴言とまではいかないまでも、かなりの攻め口調となる。


よくあるパターンですが、私は本当にもったいない人だなといつも思っています。

まあおそらく、そう思っているのは私だけで、他の人は資質がないと思っているのでしょう。




さて、話は女性販売員に戻ります。

私は月に数回しかそのお店に行かないのに、いつも店長に怒られている場面を見ます。

店長は上述したタイプの人なので、そのスタッフに限らず、全員に対して厳しい口調です。

しかし、どう聞いても今回の女性スタッフに対してだけ厳しすぎる。

まあ小さなミスでもないからなのは分かります。


おそらく店長は、優秀だからこそ、甘さを見せずに厳しく指導する方針なのでしょう。

他の女性スタッフには、たまに諦めた様子を見せていますからね。


ただ私は、そろそろ危ないなと思っていました。





3.人は誰しも、必ず壁にぶち当たる

壁にぶち当たらない人なんていません。

ぶち当たったことがない人は、一生懸命に取り組んでいないだけです。


非常に優秀な女性スタッフは、店長に厳しくされてもめげずに取り組み続けていました。

元々明るい性格でサバサバしているところもあったので、切り替えのうまいタイプだったのかもしれません。

ただ、よく「ダメだ……」「やってしまった……」とボヤいていたので、考え込むタイプではあります。



しかしある時、急に実績が伸びなくなりました。

環境が変わったわけでも、商材が変わったわけでもありません。

基本的に優秀な販売員は、どんな環境や商材でも売ることができます。

特定の商材が得意だから優秀なのではなく、販売そのもののノウハウが充実しているから優秀なのです。

新人だと安定化する前にゴリ押しで売っているようなものなので、不安定になった時に崩れます。


おそらく彼女の場合は、お説教が蓄積されて「自分は無能なんじゃないか?」と、ある時ふと思ってしまったのでしょう。

こうなるとこれまでの技術を否定してしまい、なんとか改善しようと間違った方向へ進んでしまいます。



正しい対処の一つとして、「一度落ち着いて、今までの自分を思い出せ」と諭す方法があります。

いわゆる初心にかえるわけですね。

この状態で試行錯誤は逆効果なので、テンプレートなやり方で勘を取り戻す必要があります。

あとは上司が「お前は優秀だから」と認めて、自己嫌悪に陥るのを防げば時間が解決します。



しかし残念ながら、精神的な余裕のない店長には見抜けませんでした。

彼女の失敗をいつものミスと受け取り、いつも通りに怒る。

今までは真っ直ぐに受け止められた彼女も、落ち込んで負の連鎖に囚われてしまっているので、いつもよりも重く受け止めてしまう。



非常にマズイ状態でした。





4.私の葛藤

少しだけ私の心中の話に入ります。

私は外部の業者なので、ヘルプとしてこのお店で働いています。

つまり部外者です。


店長の方針も彼女の状態もある程度理解しています。

しかし月に数回しか見ておらず、店長や彼女としっかりそのような話をしたことはありません。

本当の意味で理解できているとは言えず、店長の方針の邪魔をしてしまうことになるので、私には何もできませんでした。

まあ私の部下じゃないので、そこまでする義理はないのですが。


しかし優秀な人材は好きなので、世話焼きな性格もあって無視はできませんでした。



ちなみに彼女、部下としては非常に欲しいと思いますが、異性としてはだいぶ苦手です笑

仲の良い人にはご飯を奢りがてらコミュニケーションをとるものの、彼女は避けていました笑



ですがある時、昼休憩が被ったので意を決して彼女を誘いました。





5.おせっかいなアドバイス

実は彼女から、「私もご飯を奢って欲しいなあ」と(たぶん)冗談で言われていたこともあって、予想以上に喜んでついてきてくれました。

異性にモテないくせに、財布としては人気者な私です笑



これでも私は数多くの部下の相談に乗り、アドバイスをしてきました。

手法は占い師と同じで、「君ってこういうタイプでしょ?」「今こういうことに悩んでいるでしょ?」と核心を突けば、信頼を得てアドバイスを真剣に受け止めてもらえるようになります。


上述した内容を指摘したところ、「すごいですね!」と驚きながら褒めてきます。

こういうキャバ嬢的な大袈裟な持ち上げが彼女の癖で、私はそれが苦手でした。

たぶんこの時の私は苦い顔をしていたことでしょう笑



私はお世辞や嘘が嫌いで、基本的に本心しか言いません。

そのことはみんな知っていたので、余計に私の言葉が刺さったのだと思います。


店長と同じ指導者の視点で話し、いくつかアドバイスをしました。

彼女が普段どういう案内をしているかはいつも聞いていたので、思い出させるように話し、焦ることをやめさせるような内容です。





6.伝えたいこと

前置きが長くなりましたが、ここでタイトルに戻ります。


優秀な人材には、あえて厳しく接する方針をとる上司がそれなりに多くいます。

確かに、フワフワとした人にはそれが適切だと思うし、甘い考えを持たれたら台無しになります。



ですが真面目な人って、鬱になりやすいほどに繊細です。

そしてよほどでなければ甘い考えが植えつくこともありません。



優秀な人材と一括りにして方針を定めるのではなく、結局は個々に適した方針を定める必要があるのです。


今では彼女も、かつての調子を取り戻しつつあります。

壁を乗り越えるとさらに成長することもあり、ミスもだいぶ減ったと思います。




部下が多く、自分の業務も大変で余裕がないのは分かります。

ですが今一度、広い視野で見直してみてください。


相談したいことがあれば、お気軽にご連絡ください。

kota.a.think@gmail.com


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?