Mai Hatisaka

I've spent 1/5 of my life in the East …

Mai Hatisaka

I've spent 1/5 of my life in the East coast of the US, and now work in Tokyo. I love taking pictures when going out. Hope you'd enjoy them.

記事一覧

たくさんの写真に囲まれて、私は育った。それから、

皆さんが写真を好きになったきっかけは何でしたか? 学校に写真部があって? 修学旅行でみんなで写真が撮りたくて? あるいはスマホでは物足りなくなって? 私の本当のき…

Mai Hatisaka
6か月前
25

書くことを忘れてしまった君へ

なつかしい、と思った。 荻窪のコーヒー屋においてあった「自由ノート Part2」を最初は読むだけのつもりで、手に取った。 来日して花道体験レッスンの住所を間違えて、こ…

Mai Hatisaka
7か月前
8

Oirase, Aomori Pref. (2022)

奥入瀬渓流、九州とはまた違う緑が目に沁みました。 木々が、渓流を覆うようにして生えるこのエリア。あまり光が当たらないからこそ、岩や木々に苔が育ち、その苔に種が落…

Mai Hatisaka
1年前

AもBも好きでいる。

ランニングをするなら、朝が好きだ。 できれば5時台に、できなければ6時台に。 東京の人は朝が早いと思う、どんなに早く起きても必ず人に会う。犬を連れているワンピース…

Mai Hatisaka
1年前
3

冷たいスープ。

窓から見える、イズミルの朝の風景を眺めて「なんだか遠くに来てしまったものだ」と思った。 学会に参加するため、日本からトルコまで数十時間。時差ボケなのか、ぼーっと…

Mai Hatisaka
5年前
8

自分で、自分を直すこと

2月に書いた記事が、すっかり古くなってしまった。 だけどあの時の気持ちはまだ覚えている。 夏、秋のカナダは知っているけど、冬は見たことがない。バンクーバーは、今ど…

Mai Hatisaka
5年前
6

Yame City, Fukuoka (2019)

Taken in Tachibana-machi, Yame City on 23rd February, 2019. 桜よりも梅が断然好き。ピンクの枝垂れ。 春の音。 福岡と梅、といえば菅原道真公が歌った一首。 「東風…

Mai Hatisaka
5年前
7

1つの場所には居られない

去年は初めてフィンランド、スウェーデン、そしてグアムに行った。そういえば毎年、どこかしら新しい国に行っている気がする。おかげで貯金はたまらないけど、それはまた別…

Mai Hatisaka
5年前
11

出発前のおまじない。

覚えているのは不思議と、出発前のことばかりで。さぁ行こうか、と自分に言い聞かせる。留学、上京、出張、旅行、法事。その先にある出来事に不安や淋しさがあっても、その…

Mai Hatisaka
5年前
3

彼女になりたい

"ごめんね、でも 好きなんだ"、で目が覚めた。 体は起きているのに、そう、そう言いたかったんだ、という気持ちが夢の延長線をなぞる。じっと白い壁を見つめて数秒、急に…

Mai Hatisaka
5年前
4

沈黙が愛される国々へ

「いつかムーミンを一緒に観に行こうね」と誘ってくれた友達との約束を破り1人で、初めてスウェーデンとフィンランドに行ってきました。H&Mとムーミンとマリメッコくらいし…

Mai Hatisaka
6年前
6

先輩の夢をみて目が覚めた。二度寝したらまた会って、それからずっと覚めても先輩のことを考えてしまう。

Mai Hatisaka
6年前
5

She has a ring on her ring finger. But if she is going to have a baby, my heart would be broken once more. And she wouldn't even notice it.

Mai Hatisaka
7年前
2

爪を整え、パーマをかけた先輩がとても可愛い。
結婚5年目のくせに、それ以上可愛くなってどうするのだ。
叶わなかった淡い恋心がすこしだけ揺れる。今でも愛おしく、淋しくもある。

Mai Hatisaka
7年前
2

花が咲き、人々が活気に満ちる春は愛おしい。
ただその美しさや生命力ゆえに、春は少し苦しい。

Mai Hatisaka
7年前
4

架空あるいは実態のない存在となる

現代人らしからぬ、と友人にも怒られるのだがリアルタイムとソーシャルメディアが苦手だ。私にとっては返信を待つ、という時間やブランク状態こそがその人が存在することを…

Mai Hatisaka
7年前
3
たくさんの写真に囲まれて、私は育った。それから、

たくさんの写真に囲まれて、私は育った。それから、

皆さんが写真を好きになったきっかけは何でしたか?

学校に写真部があって?
修学旅行でみんなで写真が撮りたくて?
あるいはスマホでは物足りなくなって?

私の本当のきっかけは父からの、カメラのバトンでした。
29歳になる、1ヶ月前に誕生日プレゼントとして
ミラーレス一眼カメラのOM-Dシリーズの、カメラをもらいました。

寒いのに雪の降らない東京から、半年のがん治療を経て、寛解(かんかい)を迎えた

もっとみる
書くことを忘れてしまった君へ

書くことを忘れてしまった君へ

なつかしい、と思った。
荻窪のコーヒー屋においてあった「自由ノート Part2」を最初は読むだけのつもりで、手に取った。

来日して花道体験レッスンの住所を間違えて、このコーヒー屋に辿り着いた人、年配の母を連れてやってきた息子あるいは娘、普段コミックエッセイ書いているだろうと思うほど綺麗にまとめられた絵と読みやすい丸文字を残している人。

私も書きたい、と思った。
彼女とカヌーに乗り、笑い、筋肉痛

もっとみる

Oirase, Aomori Pref. (2022)

奥入瀬渓流、九州とはまた違う緑が目に沁みました。

木々が、渓流を覆うようにして生えるこのエリア。あまり光が当たらないからこそ、岩や木々に苔が育ち、その苔に種が落ちて、また木が生まれ、そうやって森が育つ。

次は紅葉の時期に行きたいです。

AもBも好きでいる。

AもBも好きでいる。

ランニングをするなら、朝が好きだ。
できれば5時台に、できなければ6時台に。

東京の人は朝が早いと思う、どんなに早く起きても必ず人に会う。犬を連れているワンピースのお姉さん、悲壮な顔をして駅に向かうおじさん、よれよれの格好で自転車を漕ぐ謎のおじいさん。
「朝早くからご苦労様です」思い思いの世界にいるはずなのに、どこか秘密めいた連帯感が嫌いじゃない。

元々、海外旅行をする中で早起きの習慣がついた

もっとみる
冷たいスープ。

冷たいスープ。

窓から見える、イズミルの朝の風景を眺めて「なんだか遠くに来てしまったものだ」と思った。

学会に参加するため、日本からトルコまで数十時間。時差ボケなのか、ぼーっとする頭で朝ごはんを約束した同僚と、朝食会場へと向かう。

朝食会場のテーブルに着くと二十歳をすぎたくらいに見える男性のウエイターが熱いチャイを運んで来てくれた。唯一知っているトルコ語のありがとう、を告げると、サーブでぐったりしていた彼も少

もっとみる
自分で、自分を直すこと

自分で、自分を直すこと

2月に書いた記事が、すっかり古くなってしまった。
だけどあの時の気持ちはまだ覚えている。

夏、秋のカナダは知っているけど、冬は見たことがない。バンクーバーは、今どんな表情をしているのだろう、と思ったら直航便チケットを買っていた。平日出発+シーズンオフなのに20万円の往復券。

重たい荷物は苦手だけど、寒いよりもマシだと思って、とにかく暖かい洋服をスーツケースに詰め込んだ。一度行きたい、と思ったら

もっとみる
Yame City, Fukuoka (2019)

Yame City, Fukuoka (2019)

Taken in Tachibana-machi, Yame City on 23rd February, 2019.

桜よりも梅が断然好き。ピンクの枝垂れ。

春の音。

福岡と梅、といえば菅原道真公が歌った一首。
「東風吹かば 匂いおこせよ梅の花 主なしとて 春を忘れそ」

拠点としていた京都から福岡の太宰府に左遷された道真と違って、
私は自らの意思で愛おしい場所を離れたけど、東京で梅をみる

もっとみる
1つの場所には居られない

1つの場所には居られない

去年は初めてフィンランド、スウェーデン、そしてグアムに行った。そういえば毎年、どこかしら新しい国に行っている気がする。おかげで貯金はたまらないけど、それはまた別の話。

先週、今年はオランダに行こうと思ってることを友人に伝えたら「またどこか新しいところ行くの?」と聞かれて、そのことがなんとなく頭に引っかかった。
確かに同じ国に行くことよりも、知らない場所を探している。それはなんとなく、好奇心という

もっとみる
出発前のおまじない。

出発前のおまじない。

覚えているのは不思議と、出発前のことばかりで。さぁ行こうか、と自分に言い聞かせる。留学、上京、出張、旅行、法事。その先にある出来事に不安や淋しさがあっても、その中でも何かに良いこともあるんじゃないかと思いたくて、自分を励ます。さぁ行こうか。

彼女になりたい

彼女になりたい

"ごめんね、でも

好きなんだ"、で目が覚めた。
体は起きているのに、そう、そう言いたかったんだ、という気持ちが夢の延長線をなぞる。じっと白い壁を見つめて数秒、急にトイレに行きたくなって慌てて起き上がった。

起きた瞬間は覚えていても次第に薄れていくはずの夢が、今日は背中に張り付いたように、どこまでもついてくる。早朝のジョギングも、通勤も、仕事中にも。

好きになってごめんね、でも好きなんだ。

もっとみる
沈黙が愛される国々へ

沈黙が愛される国々へ

「いつかムーミンを一緒に観に行こうね」と誘ってくれた友達との約束を破り1人で、初めてスウェーデンとフィンランドに行ってきました。H&Mとムーミンとマリメッコくらいしか事前知識がないのに。

(大丈夫、友達とケンカしたわけではないのです)

どこかでちゃんと、記録として残そうと思うけど、リハビリを兼ねてまずはちょっとだけ。

先輩の夢をみて目が覚めた。二度寝したらまた会って、それからずっと覚めても先輩のことを考えてしまう。

She has a ring on her ring finger. But if she is going to have a baby, my heart would be broken once more. And she wouldn't even notice it.

爪を整え、パーマをかけた先輩がとても可愛い。
結婚5年目のくせに、それ以上可愛くなってどうするのだ。
叶わなかった淡い恋心がすこしだけ揺れる。今でも愛おしく、淋しくもある。

花が咲き、人々が活気に満ちる春は愛おしい。
ただその美しさや生命力ゆえに、春は少し苦しい。

架空あるいは実態のない存在となる

架空あるいは実態のない存在となる

現代人らしからぬ、と友人にも怒られるのだがリアルタイムとソーシャルメディアが苦手だ。私にとっては返信を待つ、という時間やブランク状態こそがその人が存在することを確かめる行為なのだ。

もしリアルタイムで返信があるなら、私は待つことができない。もし待つ必要がないのであれば、私は誰と話しているのだろう?携帯越しに、瞬時に浮かび上がった言葉の送り主が突然、架空あるいは実態のないものとなる。

つまり返信

もっとみる