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吃音の記録

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3番目の子は言葉が出はじめの1歳から吃音があったような気がします。3歳から相談機関へ出向き、4歳から訓練開始。 「吃音があっても本人が気にしなければそれで良し」と思う自分と、「… もっと読む
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記事一覧

いざ、山村留学

いざ、山村留学

山深い無人駅に単線電車が停まる。降りる人も乗る人も居ないのに、この駅はなぜあるのか。

そういう秘境駅も存在する静かな村に、引っ越すことにした。私とこども三人、親子四人で。

往来のない駅こそあるものの、中心地にある駅や里は明るく、学校は建て替えたばかりで新しい建材の香りがする。児童数は少なく、中学生から小学生まで入り混じってサッカーをしているところに、私達親子も混ぜてもらって、見知らぬ訪問者に村

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隠れ家のような場所  (吃音通級指導)

隠れ家のような場所  (吃音通級指導)

3番目の子、ミコは吃音指導のために、週に1回通級指導教室に通っている。

私の懸案だった「抜けた分の授業はフォローがあるのか」という点においては、1年生はまだ授業時間が短い上に、通級の先生も午後に空きが会ったため、帰りの会を省略する程度の早退で済んでおり、これは大変ありがたい。

学年があがると、徐々に授業時間も長くなっていくので、今後もずっと、というわけにはいかないかもしれないけれど、まあほんの

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吃音の子と暮らす、せっかちな私

吃音の子と暮らす、せっかちな私

うちの子の3番目、ミコ(3歳)には吃音がある。話すときに「ととととと、ともだちがね」という具合に、言葉の頭が連続してしまう。

幸い、言葉がでなくて力が入ってしまう、という症状はないので、要観察ということで、ときどき言語の先生の指導も受けているが、まだ具体的なトレーニングなどはしていない。

吃音というのはめずらしい症状ではなく、2歳〜5歳あたりで100人中8人はそういう時期があるそうだ。そういえ

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吃音の悪化で右往左往

吃音の悪化で右往左往

3番目の子、ミコの吃音のことで落ち込んでいる。年明けに、急に吃音の様子が変化し、先日、定期的に面談してもらっている言語の先生のところに行ってきたら、やっぱり悪くなっているとのことだった。

先生は、ミコの様子に顔がくもり、「ブロック(発語しようとしても言葉が出ず、気道が詰まったような状態になること)に移行してしまいましたね…」と言った。

ブロックが出ても、年齢的にはまだ改善の希望はあるが、悪い兆

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阿波踊りがしたかった

阿波踊りがしたかった

3番目の子、ミコは、最近吃音が悪化して、話すときに苦しそうな様子になってしまった。相談先の言語の先生から「家庭環境に問題あり」的な認定を受けつつある母として思い浮かんだキーワードは「阿波踊り」だった。



風が吹けば桶屋が儲かる、的に話がとんでいるが、まず、阿波踊りの話をしたい。阿波踊りについて何の知識もない、ただの一ファンとしての阿波踊りの魅力。

昔から、お祭りと名のつくものが好きで、中で

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吃音を見届ける

吃音を見届ける

3番目のミコの吃音が悪くなってしまったので、今後の方針を決めるために、保護者面接に行ってきた。

最初は私一人で行こうとしていたが、ミコがよく遊びにおじゃましているご近所さんとその話題になったとき「おかあさんが?ひとりで?おとうさんは?」と言うので、「ですよねー」と考えを改めて、夫にも半休をとってもらって、2人で行ってきた。

私が一人で行こうとしていた理由は、夫は関係ないという思いではなくて、夫

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吃音という長い旅路

吃音という長い旅路

3番目の子、ミコの吃音の訓練が正式に始まった。

今年の年始にぐっと悪くなり、2月に少し良くなって、その後はやや悪化(しているように私には見える)の状態で、正式な通所が始まった。

面談→診察→訓練開始、という手順で、その間に訓練が必要かどうか会議にもかけられた後に正式決定、日程予約となるので、3ヶ月ほどを要した。

担当の先生も変わり、新しい先生はあまり親(私)に厳しくない。夫と共に臨んだ面談で

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吃音は方言のようなもの

吃音は方言のようなもの

3番目の子、ミコの吃音の訓練を開始し、まだ間もない。知識もない。そんな私が「吃音について説明する」ということになった。

 吃音(きつおん、どもり)は、話し言葉が滑らかに出ない発話障害のひとつ。

・音のくりかえし(連発)
 例:「か、か、からす」
・引き伸ばし(伸発)
 例:「かーーらす」
・ことばを出せずに間があいてしまう
(難発、ブロック)
 例:「・・・・からす」などがある。

それは、ミ

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無気力を褒められる

無気力を褒められる

ミコの吃音のため、月2回言語の先生の所へ通っているが、通所3ヶ月にして「今日はかなり調子がいいですね」と言われた。

私も気付いていた。言葉が詰まる(ブロック)の時、苦しそうに顔を歪ませたり、大きく深呼吸することがなくなり、考え事をしてますよ、というような感じでしばらく無音になり、普通に話しだすので、知らない人は吃音に気付かないかもしれない。

これはブロックの表現が形を変えただけなのか、とも思っ

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吃音の子が、トコトコ歩く

吃音の子が、トコトコ歩く

3番目の子、ミコには吃音がある。吃音は言葉がうまく出ないという症状の他に、随伴症状というものが出る人もいる。

 随伴症状

吃っている状態から抜け出すためにしようとした動作が身についてしまったもの。瞬き、目をこする、体をのけぞらす、手足を振る、足をばたつかせるなどがある。当初はそれらが効を奏しても、次第に効き目が薄れ始め、他の動作を模索する。やがて動作だけが残り、吃るたびにその動作を起こしてしま

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親バカと吃音

親バカと吃音

3番目のミコの吃音改善のため、言語の先生のところに通って半年以上経つ。

初めのうちは、「良くなった、悪くなった」と変化に敏感で、一喜一憂しても仕方がないことなのに、心は上へ下へと大きく揺さぶられ、長い目で見ることが出来ない自分自身を情けなく思った。

ところが、人間というのは怠惰なもので、長期に渡ると良くも悪くも「慣れ」というものがやってくる。

夏休みの関係で、8月はいつもより訓練に間があいて

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吃音の不思議

吃音の不思議

うちの三番目の子、ミコの吃音の記録をつけ続けて四ヶ月。

なんとなく今日はいいかな?今日は悪いかな?と思っていたのが、記録をつけると何日間良くてこの日からまた悪くなったとか、そういうバイオリズムみたいなものがはっきりとわかって興味深い。

そして、「私の調子が悪いときに吃音も悪くなる」と確信に近いものがあったのに、私がイライラしたり落ち込んでいる期間に吃音が良くなっていく様子もあって「???」だっ

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発達検査で動揺

発達検査で動揺

3番目のミコは吃音があり、療育に通っている。最初は言葉だけが心配で通っていたものの、通ううちに「発達検査を希望されますか?」と何度も聞かれるので、言葉の他に問題があるかもしれないと思われているのだろうか?と、こちらも疑問に思い、とりあえず受けてみることにした。

2番目のニンタは知的障害と発達障害があって、この検査は何度も受けている。私には見慣れた光景の中で、ミコはどんどん難しい問題を問いていき、

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通級指導は支援級所属よりも悩ましいと思う。

通級指導は支援級所属よりも悩ましいと思う。

通級指導というのは、発達障害などによって苦手な事がある場合、週に一度くらいの割合で通常の授業を抜けて、他校で開かれる教室に通い、苦手な分野を補うこと。例えば長時間座っているのが苦手とか、感情のコントロールがうまく出来ないとか。

…という認識でいた。

うちの2番目の子、ニンタは知的障害があるので、通級という選択肢は考えておらず、支援級一択だった。或いは、住んでいる地域によっては養護学校ということ

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