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気になる中国

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中国、台湾などでの取材経験を経て、今は国際ニュース発信に従事。現地の人たちとの交流を通じて知ったこと、考えたこと、また、言葉や、溢れかえる中国情報の中から、「私が気になる中国」を… もっと読む
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記事一覧

「あなたを許します」--シンデレラの放った一言

「あなたを許します」--シンデレラの放った一言

今日は久々に早く家に帰り、ぼけっとテレビをつけると、金曜ロードショーで、ディズニーの実写版「シンデレラ」をやっていた。子供の観る映画だろ、ぐらいにしか思わずぼーっと観ていたが、おっさんの私がハマってしまい、最後まで観てしまうとは思わなかった。

なぜハマったんだろう。しかも、子供の時から、ずっと、どんな話か知っているのに。次はこうなるぞ、そして、次はこうなるぞ、と全部わかっているのに。実写にCG加

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中国の「紅白」  日本で見ながら「過年(グオニエン)」

中国の「紅白」 日本で見ながら「過年(グオニエン)」

きのう2月9日は、旧暦の大晦日。中国でも、日本の「紅白歌合戦」にあたる、国民(人民?)的テレビ番組がある。「晩会(wanhui ワンホエイ)」だ。“歌合戦”ではないが、これを見ながら年を越すのが昔ながらのスタイルだ。

CCTVは、全世界の華人(全球華人)を意識した戦略で、国外でもネットですごい高画質で生放送を見ることができる。

この「晩会」、どんな感じか、少しだけ紹介しよう。ここでは中国の政治

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日本語が通じにくいことと、心が通じないこと--”日本語が通じないことが当たり前の時代”のサービスを考える

日本語が通じにくいことと、心が通じないこと--”日本語が通じないことが当たり前の時代”のサービスを考える

先日、久方ぶりにファミレスを訪れた。もはや、都心のファミレスは「ファミリーのレストラン」ではなく、スマホ充電用電源がついた一人用の席が相当数を占めている。そして、猫型の給仕ロボットが店内を所狭しと走り回っている。

この猫型ロボットのことは知っていた。最初見た時は、日本では、人手不足で近い将来これが当たり前になっていくのかなと思ったが、単純に面白くて可愛いかった。しかし、今日はドアを開けた時から、

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台湾政治 ”イメージ”のねじれのモヤモヤ

台湾政治 ”イメージ”のねじれのモヤモヤ

台湾総統選挙が終わった。

選挙は、どこの選挙でも、勝者が出るまでが一番盛り上がり、注目を集める。
台湾政治がどうなっていくのかについても、外国では、次に中国が何か圧力をかけるなどの動きがある時まで、関心は低いかもしれない。なぜなら、台湾の人々のことを知って注目していた人よりも、「対中国」など、国際政治の戦略的な意味合いから注目していた人が多いと思うからだ。

ところで、今日は深い分析などでは全く

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台湾の選択 台湾人の思い --「対中国」の切り口以外の大切なもの

台湾の選択 台湾人の思い --「対中国」の切り口以外の大切なもの

「対中国」の切り口

台湾総統選挙の勝者が決まった。
(14日夜に執筆中)

民進党。1996年に総統の直接選挙が始まって以来、同じ政党が3期続けて政権を担うのは初めてだという。

先ほど、当選を確実にした頼清徳氏の国際記者会見で、外国の記者たちが熱心に質問していたのは、やはり、と言う感じだが、中国とのスタンスをどうするか、「対中国」の切り口だった。

確かにそれは、争点のひとつだったと思うが、台

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日中共同世論調査-- ん?日中で発表結果が全然違う?

日中共同世論調査-- ん?日中で発表結果が全然違う?

日本人の中国に対するネガティブな見方を示しているという調査結果日本と中国が共同で、両国民の意識調査を行なったという。

福島第一原発の処理水放出後の、中国側の日本の水産物禁輸などの影響を受けて、日本側では、中国に対するネガティブな見方が増えている、と各メディアが伝えていた。

この調査は、日本の民間団体「言論NPO」と、中国の「中国国際伝播集団」が毎年行なっているものだという。

中国側の発表内容

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中国人に「国情不一样嘛(“国情”が違うからね)」と言われたら?

中国人に「国情不一样嘛(“国情”が違うからね)」と言われたら?

中国の人と話す時に、よく言われた言葉がある。

国情不一样嘛? (guóqíng bùyíyàng ma)
”国情”が違うからね
どんな時に言われたのか。思い出すと、それは議論をした時だ。
特に、日中の歴史や政治に関わる話で議論をした時。

最初この言葉を聞いた時は、意味がわからず聞き返した。「ん?guoqing?」と。
しばくして、わかった。ああ、"国(guo)"の"情(qing)"況(kuan

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いつの世も、どこの国でも、誰にでも・・・起きるかもしれない「福田村事件」の衝撃

いつの世も、どこの国でも、誰にでも・・・起きるかもしれない「福田村事件」の衝撃

きのう9月6日は、100年前に発生した関東大震災の9月1日と共に思いを寄せるべき日 ーー「福田村事件」が起きた日だ。

「福田村事件」とは、1923年9月1日の関東大震災の5日後、「朝鮮人が暴動を起こした」というデマが広がる中で、福田村(今の千葉県野田市)で、讃岐から来た行商の一団が、住民たちから朝鮮人だと言われて襲われ、妊婦や子供を含む9人の命が奪われた悲惨な事件だ。

先日、その事件を描いた映

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“国家権力”が、AIショート動画を拡散させる時代

“国家権力”が、AIショート動画を拡散させる時代

まず最初に、私はAIが嫌いだ。

生活の色んなシーンで既にお世話になっていて、社会問題の解決の為にも使いようであることは分かっているつもりだけど、特にクリエイティブな創作分野に使われるのが本当に嫌なのだ。

そもそも、ワクワクしない。言葉にせよ、絵にせよ、音楽にせよ、自分で試行錯誤しながら世界に一つのものを生み出すからこそ楽しくもあり、完成品が愛おしくもあり、失敗からも教訓を得、そのプロセス自体が

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G7広島サミット 各国メディアをザッピング --あれ?中国は・・・

G7広島サミット 各国メディアをザッピング --あれ?中国は・・・

G7広島サミットが始まった。私は別に直接取材しているわけでなし、何かコメントする材料も資格もない。

しかし、ぱらぱらと各国のメディアを見ていると、各者各様だなあ、と痛感したので、ちょっとだけシェアしたい。

ウクライナ戦争での核使用が懸念される中、日本では「唯一の戦争被曝国の日本が広島で開催することの意義は・・」という切り口で連日報道されている。リーダーたちの平和記念資料館の参観が伝えられ、広島

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ユーモアのある中国語を話そう!・・「チャーリートン大学」って、どこの大学!?

ユーモアのある中国語を話そう!・・「チャーリートン大学」って、どこの大学!?

中国の人たちと、仕事を離れて普通に雑談していると、明るく、ユーモアに富んだ人が多いなあと感じることが多い。

日本では最近何かにつけて、決まった形の政治的な切り口で語られることの多いこの国と、そこに住む人たち。少しでも近づいて付き合ってみると、面白くエネルギッシュな人が多い印象が強くなってくる。こうした気質は、動乱の歴史を生き抜くのに必要なものだったのかもしれないな、と、勝手に思ったりもする。

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ステーキは”何分熟”がお好き? -焼き加減を中国語で!

ステーキは”何分熟”がお好き? -焼き加減を中国語で!

先日、中国の人たちと食事。カジュアルなレストランだがステーキ(牛排=niúpái)があったので、たまには贅沢を、と注文。

ウエイターが訪ねる。「焼き加減は、いかがいたしましょうか?」

英語なら、How would you like your steak? などだが、中国語では、こんな感じだろうか。

“您要几分熟?” (nín yào jǐfēn shóu =ニン・ヤオ・ジーフェン・ショウ)

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