benny

精神世界、心理学、哲学、物語、夢分析…そして、猫様、鳥さん、人間たちについて綴ります。

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記事一覧

5回目は『デーミアン』

情緒不安定気味になることの多かった十代。 自己嫌悪に陥ってばかりだった半面、直感の冴えることも結構あって、そのことが気持ちの支えになっていたように思う。 言葉では…

benny
3日前

家族の縁が切れるとき

「香典10万円出せ… !? 」 遠方に住む義妹がそう言っていると、義姉から夫に電話がありました。 その理屈はこうです。 義父が亡くなったときの喪主は夫でした。 葬儀費…

benny
11日前
2

『銀の犬』『扉守』

(なんでこの本が書庫なの~ !?) 書庫に収められている本を借りることは多く、ありふれたことなんですが。 でも、この本は本当にもったいないと心の底から思いました。 タ…

benny
2週間前
6

ミニシュパリズム(地域自治主義)!

まさかのユナイテッドシネマ! 是非観たいと思っていた映画、『〇月〇日、区長になる女』。 地元のミニシアターで上映されるだろうか?畠山さんの選挙ドキュメンタリー映画…

benny
1か月前
1

影に名まえがあったかな?

波のように繰り返し寄せてくる鬱な気分。 というよりも、潜在的にそれはずっとあるもので、様々な「気晴らし」によって覆い隠されているだけ。 人間社会をありのままに見…

benny
1か月前
1

おまけにきっと伝えづらい。

面白く読み終えた後、数日経ってから今の私が抱える悩みに向き合うためのヒントがあったことに気づいた物語。 その人は何度か公言していました。 「人に優しくしたい」と…

benny
1か月前

「取り繕えない人たち」こそ『Rejoice!(喜びを抱け!)』

たぶん終の棲家となるであろうこの地に住んで15年が過ぎるのですが、この冬(…もう春ですが)初めて鳥の声が滅多にしか聞けない日々を送っています。 狭い庭に植えてあ…

benny
2か月前
1

言葉(共感)が暴走する世界で

速読とか多読というものに価値を感じません。 行間と余白を受け取ることもなしに読書するなんて考えられないからです。 本のページにある行間と余白。 その空間は意外に面…

benny
2か月前
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私、「熱狂を疑え!」るんです。

衝撃的な物語に出会いました。 文庫本に収められた穂村弘さんの書評と町田康さんの解説文がとてもいいです。 物語に続けてお二人の文章を読んで、私はなんか救われた気が…

benny
2か月前
3

過剰(不足)な世界で〜医療編

医療編、とタイトルを付けてはみたけれど… 病院で過剰や不足を感じたこと、自分が経験したことに限って具体的に書いていくだけでもキリがない気がします。 現代医療自体が…

benny
3か月前

過剰(不足)な世界で~果物編

こんなにリンゴを食べない冬は初めてです。 一個200円を超えてる・・・それでも特売なんですと。 今までも毎年のように天候不良のためとかで値段は高騰していましたが、…

benny
3か月前
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『歌わないキビタキ』~人にも期待しないこと

誰かを好ましく思うようになると、 ほぼ同時に「期待」が生まれているのかもしれません。 ある物事に対する反応が自分にとって好ましいものであってほしい、 あの人ならき…

benny
4か月前
2

『オラ!メヒコ』

たとえどこにでも自由に移動できる立場にあったとしても、この国から出ることはないだろうと思う一番の理由は、治安の良さだと思ってきました。 逆に言うと、日本よりも治…

benny
4か月前
1

切り替え上手な私です

昨年の11月22日から(←猫の日だったので覚えている)風邪を引き、咳が完全に止まって完治するまでに半月かかりました。 熱が出たわけでもなく、ずっと元気でしたが喉の痛…

benny
4か月前

2023年の終りに~違和感と向き合う

この一年を振り返ると、「停滞」という言葉が浮かんでしまいました。 書くことは考えること。 私の中で何かが滞っているようなので探ってみます。 なんか…大人を長くやる…

benny
5か月前
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2023年晩秋、ジョンがやってきた!

11月27日の朝、「ヒッ!ヒッ!…」と高らかに囀る声、 (ジョンだ!)とわかりました。 窓からそっと辺りを見渡すと…なんとジョンのいつもの定位置である電線にジョウビタ…

benny
5か月前
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5回目は『デーミアン』

5回目は『デーミアン』

情緒不安定気味になることの多かった十代。
自己嫌悪に陥ってばかりだった半面、直感の冴えることも結構あって、そのことが気持ちの支えになっていたように思う。
言葉では説明しにくい直感を無視できなくて、そのせいで対外的に辛くなることもあったけれど、それでも大切なものだというのはわかっていた。

高校1年生の夏に読んだヘッセの『デミアン』とは、ほぼ直感の世界での出会いだったと思う。
わけのわからない軽い興

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家族の縁が切れるとき

家族の縁が切れるとき

「香典10万円出せ… !? 」
遠方に住む義妹がそう言っていると、義姉から夫に電話がありました。
その理屈はこうです。

義父が亡くなったときの喪主は夫でした。
葬儀費用も出しています。
で、そのとき(義妹の)夫が10万円の香典を出してくれた。
だから、なのだそうです。
義妹の姑がいよいよ危ないということで義姉に連絡があり、兄である夫に伝えといてほしいと言われたそうです。
夫は困惑し、私は話を聞い

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『銀の犬』『扉守』

『銀の犬』『扉守』

(なんでこの本が書庫なの~ !?)
書庫に収められている本を借りることは多く、ありふれたことなんですが。
でも、この本は本当にもったいないと心の底から思いました。
タイトルも装丁もこんなに魅力的ではありませんか。

いえ、タイトルと装丁とケルト民話というキーワードに強く引き付けられたことが読もうと思った動機なんですが、一番の魅力はもちろん物語そのものです。
読み始めてまもなく、上橋菜穂子さんの綴る

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ミニシュパリズム(地域自治主義)!

ミニシュパリズム(地域自治主義)!

まさかのユナイテッドシネマ!
是非観たいと思っていた映画、『〇月〇日、区長になる女』。
地元のミニシアターで上映されるだろうか?畠山さんの選挙ドキュメンタリー映画もダメだったし…観れないかもと半ばあきらめ気分だったのですが。
監督が地元出身の方だったおかげで、4日間だけとはいえ大きな映画館での上映が実現したようです。

2年前の杉並区長選挙のとき、岸本聡子さんを知って(ついにこういう人が出てきたん

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影に名まえがあったかな?

影に名まえがあったかな?

波のように繰り返し寄せてくる鬱な気分。
というよりも、潜在的にそれはずっとあるもので、様々な「気晴らし」によって覆い隠されているだけ。

人間社会をありのままに見てしまうと、
どいつもこいつも、あれもこれも…矛盾だらけの茶番劇が繰り広げられているわけで。
多くの人は、適当に茶番劇から目を逸らしつつ、自分にとっての「気晴らし」を支えに生き延びているように見えるけれど、時に茶番劇の渦中に入り夢中になる

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おまけにきっと伝えづらい。

おまけにきっと伝えづらい。

面白く読み終えた後、数日経ってから今の私が抱える悩みに向き合うためのヒントがあったことに気づいた物語。

その人は何度か公言していました。
「人に優しくしたい」と。
身内で口喧嘩が起こっても私は聞き役、絶対に怒らないのだと笑顔でそんな話もよくされます。
当然、聞かされる側は安心を感じます。
とても接し易く気を遣う必要のないいい人…と思っていました。
それは今も変わりません。
が、一方で、その人は皆

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「取り繕えない人たち」こそ『Rejoice!(喜びを抱け!)』

「取り繕えない人たち」こそ『Rejoice!(喜びを抱け!)』

たぶん終の棲家となるであろうこの地に住んで15年が過ぎるのですが、この冬(…もう春ですが)初めて鳥の声が滅多にしか聞けない日々を送っています。
狭い庭に植えてある南天の赤い実がヒヨドリに食べてもらうこともなく次々に地面に落ちたのを見ると、あのうるさい鳴き声が恋しくなってしまいます。
不気味なのはスズメや鳩が激減したこと。
去年、すぐそばの小さな公園にある3本の大木が大胆なまでに枝を切られてしまった

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言葉(共感)が暴走する世界で

言葉(共感)が暴走する世界で

速読とか多読というものに価値を感じません。
行間と余白を受け取ることもなしに読書するなんて考えられないからです。
本のページにある行間と余白。
その空間は意外に面積も広く、常に何かが存在を主張している気がします。
著者の綴った言葉以上の思いや世界が広がっているイメージ、でしょうか。

対話の場合は、読書で受け取る「行間と余白」からの情報、つまり言葉以外の情報が直接的に具体的に伝わります。
(その情

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私、「熱狂を疑え!」るんです。

私、「熱狂を疑え!」るんです。

衝撃的な物語に出会いました。

文庫本に収められた穂村弘さんの書評と町田康さんの解説文がとてもいいです。

物語に続けてお二人の文章を読んで、私はなんか救われた気がしました…。
(純文学だ、素晴らしい…)と思いながら読みましたが、一方で自分は「あみ子」みたいな人とは会話すらできない人間だということも思いました。
物語の中では彼女と交流する登場人物もいるのですが、私は徹底的に避けてしまうだろうなあと

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過剰(不足)な世界で〜医療編

過剰(不足)な世界で〜医療編

医療編、とタイトルを付けてはみたけれど…
病院で過剰や不足を感じたこと、自分が経験したことに限って具体的に書いていくだけでもキリがない気がします。
現代医療自体が「過剰(不足)」で成り立ってしまってるんだと思います。
もはやどうすることもできないのでは?

私自身、体のあちこちの不具合を愚痴るお年頃に入ってますが、周りの年上のお姉さま方は、ちょっとでも身体に異変があれば「早く病院へ!」「検査しても

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過剰(不足)な世界で~果物編

過剰(不足)な世界で~果物編

こんなにリンゴを食べない冬は初めてです。
一個200円を超えてる・・・それでも特売なんですと。
今までも毎年のように天候不良のためとかで値段は高騰していましたが、もはや高級フルーツになってしまいました。
リンゴだけじゃなく、果物を気軽に買えない時代に突入したということでしょう。
子どもの頃からずっと果物好きの私ですが、もうあきらめるしかないと思っています。
いつのまにか、大きくなったリンゴ、大きく

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『歌わないキビタキ』~人にも期待しないこと

『歌わないキビタキ』~人にも期待しないこと

誰かを好ましく思うようになると、
ほぼ同時に「期待」が生まれているのかもしれません。
ある物事に対する反応が自分にとって好ましいものであってほしい、
あの人ならきっと…という勝手な「期待」。

「人に期待しないこと」
この言葉を何度目にしたことか。
ほとんどわかってなかった気がします。
出来なかったから。
好感と期待は切り離すのが難しい。

ならば、そもそも「その人のすべて丸ごと好き!」なわけはな

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『オラ!メヒコ』

『オラ!メヒコ』

たとえどこにでも自由に移動できる立場にあったとしても、この国から出ることはないだろうと思う一番の理由は、治安の良さだと思ってきました。
逆に言うと、日本よりも治安の悪い外国が多すぎる、と。
何よりも身の安全が第一なのだから…。

酒乱の身内はいなかったけど酒席なんぞ大っ嫌い、違法だろうが合法だろうが至福体験ができるらしい薬物にも興味ゼロ。
の、私が何故か大麻くらいはいいじゃん、と思うのは、単に合法

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切り替え上手な私です

切り替え上手な私です

昨年の11月22日から(←猫の日だったので覚えている)風邪を引き、咳が完全に止まって完治するまでに半月かかりました。
熱が出たわけでもなく、ずっと元気でしたが喉の痛みも咳も結構に酷かったです。
この風邪引きと関係があるようなないような…やっぱりある気がするのですが、その後しばらくして、(あれ?)と引っ掛かる変化が起きたのでした。

些細なことばかりなのですが、何だかやたらと?事がスムーズに進んでい

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2023年の終りに~違和感と向き合う

2023年の終りに~違和感と向き合う

この一年を振り返ると、「停滞」という言葉が浮かんでしまいました。
書くことは考えること。
私の中で何かが滞っているようなので探ってみます。

なんか…大人を長くやると、相手への気遣いを優先することに慣れてしまうことがあるんだと思います。
私の場合は子育て終盤頃からでしょうか。
子どもを守りたいとの思いから結構に自己主張をしてたのが、徐々に、
「いえ、私はこう思うんです」
とか、
「いいえ、私はこう

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2023年晩秋、ジョンがやってきた!

2023年晩秋、ジョンがやってきた!

11月27日の朝、「ヒッ!ヒッ!…」と高らかに囀る声、
(ジョンだ!)とわかりました。
窓からそっと辺りを見渡すと…なんとジョンのいつもの定位置である電線にジョウビタキがとまってる!
ああ~、間違いなくジョンだ…って、あれ?1mくらい離れてシジュウカラが並んで止まっています。
私が見つめだしたとたんにジョンは黙り込んでしまい、シジュウカラはさっと飛んで行ってしまいました。
一瞬、迷いましたが、(待

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