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何度も読み返したい素敵な文章の数々vol.10

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2018年3月の記事一覧

できることを淡々とやる技術

できることを淡々とやる技術

トラブルやショックの大きい出来事に動揺しないで、目の前にある作業に淡々と取り組むのに必要なのは、メンタルの強さではなく技術や仕組みづくりだと思う。

メンタルが弱くてできない、と私自身も弱気になってしまうことがある。けれど正直なところ「メンタルが弱い」といっても、メンタルの強度を自分で調べる方法を私は知らない。調べられないものなのに、自分で勝手に答えを見つけても仕方がない。

なので強いか弱いかに

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好きな渋谷

好きな渋谷

気が付けば上京して、7年目になっていた。

25歳を過ぎていくと周りの同年代は渋谷ではなく中目黒や恵比寿、三茶、麻布十番のような他の街にテリトリーを伸ばして、そこが好きだという。
でも、僕は渋谷が大好きだ。もちろん三茶も中目も恵比寿もその街に面白さやいい店が必ずあるけど、それ以上に渋谷には思い入れがあるし、これからも好きな街であり続けると思う。新宿でも池袋でもなく渋谷。

上京してはじめて住んだ街

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編集者とのちょっと不思議な打ち合わせから生まれた『誰死な』、執筆裏話公開!

編集者とのちょっと不思議な打ち合わせから生まれた『誰死な』、執筆裏話公開!

 2017年2月2日、井上悠宇氏と編集者Yは初めて出会った。
 そこからいかにして『誰も死なないミステリーを君に』が生まれていったのか——その瞬間を井上氏が綴る。

(以下、井上悠宇氏による執筆裏話)

 早川書房の編集者Yさんと初めて打ち合わせをしたとき、僕が思ったのは「それ、めっちゃうどん伸びるやん」だった。神戸にある行きつけの蕎麦屋で、僕はカレーうどんを頼み、Yさんも「同じものを」と言った。

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最強の"いいね"ボタンを考える / スペキュラティブUX

最強の"いいね"ボタンを考える / スペキュラティブUX

ある日、Twitter社から電話がかかってきて

「ハートマークは便利だけどTwitterらしさを失ってしまった。新しい"いいね"マークを提案してほしい」

と言われたらどうしよう。という人に言えない感じの悩みがあったのですが、答えが分かったのでそのことについて書きます。

デファクトスタンダードに合わせると、おそらくハートとなるでしょう(Twitter / Instagram / note 参考

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18年間料理を続けてたどり着いた、簡単で続けられる自炊のコツ5つ

18年間料理を続けてたどり着いた、簡単で続けられる自炊のコツ5つ

こんにちは、山口祐加です。

noteやtwitterで、「あの店がおいしい! この店に行きたい!」と書いていると「毎日外食してるの??」と聞かれることが多いのですが、そんなわけありませんよ!!
毎日外食だったら破産しますし、そもそも胃が疲れるのでやりたくありません。
外食は大好きですが、料理も大好きなのです。

料理を始めたのは7歳の頃。共働きで多忙な母が「娘に夕飯を作らせたらいいのでは?」と思

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成長のデザイン

成長のデザイン

新人時代、初めて突きつけられる責任。それまでは平々凡々と過ごしていてさえいればよかった学生時代から、突如放り込まれる社会という世界。
年齢も関係なく自分の力量で仕事と向き合い続ける日常に新鮮さと厳しさ、そして僕の場合は伸び伸びとした空気を感じていた。

ある時、自分と年齢に大差のない人が大活躍している記事をみた。
どうやったらこの人を越えていけるか。出自も経歴もぜんぜん違う自分がこいつに勝つにはど

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本が呼ぶ

本が呼ぶ

 悲しい夢を見て起きた。カモミールティを入れて、昨日買った黄色いパン(卵黄を多く入れているらしい)にはちみつをつけて食べる。
 家のことをすませたあと、近所にできた新しい喫茶店に籠もって、昼食を挟んでマンガのプロットづくり。ポメラを使って一気に書いていった。後半、書きながら少し泣く。まだネームには入れない。合計一週間くらいでなんとか仕上げたいものだけど。
 プロットがだいたい仕上がるとだいぶ働いた

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あなたの今日は、さほど悪くないんだぜ

あなたの今日は、さほど悪くないんだぜ

「〜だぜ、〜ぜ」という言葉には、親しみを込めて軽く念を押すという意味合いがあるらしい。

ダメダメな一日だったな

プラマイゼロな一日だったな

ではなくて、

ダメダメな一日だったぜ

プラマイゼロな一日だったぜ

って言い換えるだけで、だいたいの日は許せそう。

ついでに明日もなんだか、がんばれそう。

親しみを込めて、僕らの背中をそっと押す。

不思議な力の持ち主、だぜくん。

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使えば使うほど増えていく「勇気」という不思議なもの

人はどんどん変われる。

高校生くらいまでの僕はマジで偏屈で、「世界の真理を僕は理解している」ぐらいに思ってた。やばいよね。いわば中二病。

もしかしたら、「いまの山野だってじゅうぶん偏屈じゃん」って突っ込み入れてる人もいるかもしれないけれど、ハタチまでぐらいの僕といまの僕を比べたら、格段に柔らかくなっていると思う。

高校生までの僕が偏屈だった理由は、

自分の芯を持つ=変わらないことだと思って

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種をまく

外が暖かくなりだしている。舗装されてない道を歩くと、端にふきのとうがちらほら芽を出しているのが見える。ようやく春が来始めている。

今日は種をまいた。パプリカ、トマト、とうがらし、なすやらなんやら。先にまいた分はとっくに発芽して双葉を広げだした。
これから5月頃までは、多くの苗ものが忙しい時期だ。水やりや温度の管理が毎日のサイクルの大部分を占めるようになってくる。

苗半作、という言葉がある。

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「おしゃれだけど売れない店」にならないために

先週から西日本のあちこちをうろちょろしておりました。

その中で素敵なお店にたくさん出会ったのですが、「ここはどうやって儲かっているのだろう…?」と勝手に心配してしまうようなお店もちらほらありました。

もちろん東京にも、入店客数の量に対して買い物袋を下げてでてくる人の数が圧倒的に少ないお店はたくさんあると思います。

ただ、地方だと絶対的に人口も減りますし、観光客の比率が高い場所だと食器や生鮮食

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「多読」によって失われるもの

「多読」によって失われるもの

もともと本が好きだったこともあって、学生時代から人一倍読書をしてきたし、編集者になってからはたくさんの本を読むこと自体が仕事になった。

いま編集の仕事ができていることをはじめ、いわゆる「多読」をしてきて得られたものはたくさんある。

だけど同時に、「多読」によって失ってきたものもある。

読むのが遅いし、読んだことは忘れやすいから、少なくとも膨大な時間を失ってきた。でも、そういう話ではない。

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フリーペーパーが好き=出版社、ではない

フリーペーパーが好き=出版社、ではない

「将来は出版社に行くの?」

これだけ普段から「フリーペーパーが好き」「フリーペーパーを作っている」と言っていると、言われることがめちゃくちゃ多い言葉です。

そして結論を言うと、出版社には行きたくないです。

以前、なぜフリーペーパーが好きなのかについて投稿した時「人が今まで見ようとしてこなかったもの、誰も話題にあげないもの、都合の悪いもの。そんな”石の下のナメクジ”を掘り起こすような企画が輝け

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