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国立西洋美術館 「上野公園、その矛盾に満ちた場所、上野から山谷へ/山谷から上野へ」 感想! 西洋美術館の周りを綺麗にしていたのは上野から排除された人々だった!
こんにちは! 実は先日、話題になっている国立西洋美術館の企画展「ここは未来のアーティストたちが眠る部屋となりえてきたか」を見に行ってきた。今回は、その展示の中の弓指寛治さんという方の作品についての感想を話していきたい。僕は普段、美術館にはあまりいかないし、美術的な事に関してはまったくの素人であるが、弓指さんの作品がすごくいい作品だったため、素人なりに、どこがどうよかったのかを分析したので話してい
もっとみる名探偵コナン「100万ドルの五稜郭」感想! キッドの真実から見えてくる「あのお方」の正体! コナン映画にテーマや物語性は必要ないのか?
こんにちは! 今回は名探偵コナン「100万ドルの五稜郭」についてネタバレありで話していこうと思う。僕はコナンの映画を映画館で観るのは初めてなのだが、結構楽しめた。しかし、エンタメとしての面白さとは別に、コナン映画特有の問題点も見えてしまってのでその辺についても話していこうと思う。それでは初めていこう。
最近のコナン映画こそあまり追っていなかったのだが、昔はコナンの映画は好きで、よく観ていた。
「薬屋のひとりごと」考察! 猫猫のオタク的距離感の現代性と少女漫画的快楽原則の古典性! なぜここまで人気作になったかを徹底分析!
こんにちは! 今回は「薬屋のひとりごと」についての感想を話していきたい。二期までアニメを一気見して、正直個人的にはそれほど好みではなかったのだが、人気が出るのは納得したし、色々と分析しがいのある作品だと思った。それでは初めていこう。
まず観ていて思ったのは、この作品は色々な要素が組み合わされて作られているということだ。薬学を使ったミステリーでもあるし、権力争い的な宮廷物でもあり、中国の歴史物
「葬送のフリーレン 一級魔法使い試験編」考察! 魔王の時代(戦いの魔法)から人間の時代(多様な魔法)へ! 一級魔法使い試験は強い奴に有利なガバガバ試験?
こんにちは! 今回は葬送のフリーレンの一級魔法使い編の感想を話していきたいと思う。「試験編」といえばある意味少年漫画の定番でもあるが、フリーレンの試験編は中々特殊であるし、結構ツッコミどころも多く面白かった。そして、恐らく今作の核心に近い設定も試験編に散りばめられていたと思うので、その辺を話していこうと思う。それでは初めていこう。
まず、今作の試験編の一番の特徴は、受験者のフリーレンが一級魔
「オッペンハイマー」感想! 人の命を奪うイデオロギーと世界を変える「装置」はなぜ生まれた? 核兵器使用すら肯定するロジックの異常性
こんにちは! 今回はクリストファー・ノーラン監督最新作「オッペンハイマー」についての感想を簡単に話していきたい。観終わった後かなり体力を消耗したし、爆発の光と音で神経が過敏になり一日だけ不眠症になるなど散々な目にあったが観てよかったと思ってる笑 それでは初めていこう。
今作は、原爆の開発に成功した事で、原爆の父と呼ばれたアメリカの物理学者「ロバートオッペンハイマー」の栄光と挫折を描く歴史映
映画「PERFECT DAYS 」感想! 社会的評価から離れた豊かさと心が揺れるイレギュラーで人生は完璧になる!
こんにちは! 今日は映画「PERFECT DAYS 」について話していきたい。正直この作品については全く知らず、ニュースで主演の役所浩二が男優賞を獲った事を知り、ちょうど時間もあったので観に行った。結果的に、観にいった自分を褒めてあげたいレベルで高い満足感を得る事が出来たので、感想を話していきたいと思う。
今作は、東京でトイレ清掃の仕事をしている、平山という男の日常が繰り返し丁寧に描かれる
「ひろがるスカイプリキュア」感想! 挑戦的なようで保守的?プリキュアの正義論と現代的ヒーロー像について!
こんにちは!今回はプリキュアシリーズ通算20作目にして18代目のプリキュア「ひろがるスカイプリキュア」の総括をしていきたいと思う。先に結論から言ってしまうと、正直僕はひろプリにはあまりハマれなかった。しかし、これは僕の好みの問題もあり、作品としてダメだと言いたい訳ではない。これから
ひろプリのいい所、悪い所を踏まえて、詳しく解説していきたいと思う。それでは初めていこう。
○挑戦的なようで保守的
「ガンダムSEED FREEDOM」感想!アコード(水星や鉄血等のSEED以降のガンダムシリーズ)VSコーディネーター(SEED) ネタ消費エンタメ特化の面白さ!
こんにちは!今回は「ガンダムSEEDFREEDOM」についての感想をネタバレありで話していきたいと思う。2000年代のアナザーガンダムシリーズとして、大ヒットを記録した本作だが、今回約20年振りに映画化され、正直色々な意味で僕の想像を越えた凄い作品になっていた。今作が持つ熱量の正体とは何なのか?それでは始めていこう。
○エンタメ特化とネタ消費回路によるSEED独自の強さ! 究極のメガ盛りファ
「窓際のトットちゃん」感想! 想像力と自由教育で戦争と戦え! 子供向けと思ったら凄まじい傑作
こんにちは!今回はアニメ映画「窓際のトットちゃん」について語っていきたいと思う。今作は、タレントの黒柳徹子さんが本当に通っていたトモエ学園を舞台に描かれたノンフィクション小説が原作のアニメーション映画である。観る前は正直子供向けの作品だとなめていたが、「蛍の墓」「この世界の片隅に」に並ぶレベルの超名作だった。それでは始めていこう。
○リベラル自由教育で戦争と戦った小林先生とトモエ学園!
今
「ポケモンコンシェルジュ」感想! 本流のグラフィック技術の向上とは違うポケモンの新しい映像表現の可能性!
こんにちは!今回は、Netflixオリジナル作品、「ポケモンコンシェルジュ」についての感想を語っていきたいと思う。すごく、ほのぼのしていてる印象の今作だが、正直ポケモンコンテンツとして、新しい可能性の1つを切り開いたといっていいほどの傑作だと思っている。今作の凄さとは何なのかをこれから説明していこう。
○目的性の希薄な世界観だからこそ描けるポケモンの多様性!
この作品は、ストーリー的にはシ
「屋根裏のラジャー」感想! 良いテーマなのになぜ感動出来ない?伝えたい主題と物語のズレについて
こんにちは!今回はスタジオポノック最新作、「屋根裏のラジャー」についての感想を話していきたいと思う。最初に簡単な結論を言ってしまうと、映像面は挑戦的でいい部分がたくさんあるのだが、脚本が分かりにくく期待していた程楽しめなかったというのが正直な感想だ。それでは、今作の良かった点、悪かった点について話していこう。
○今作はジェネリックジブリにはなっていない!ラジャー独自の表現の課題!
今作の製
「ゴジラ-1.0」考察 !「官」のシンゴジラと「民」のゴジラ-1.0! 現代の倫理観で世界大戦のリターンマッチ!
こんにちは!今回は、「シンゴジラ」から7年ぶりの新作ゴジラ作品「ゴジラ-1.0」について語っていきたいと思う。
僕はゴジラ-1.0の予告を見た時、設定だけで、すでに半分は成功していると思った。戦後の何も無くなった日本に、さらにゴジラが上陸し追い討ちをかける。その設定部分だけでも凄まじい絶望感を予感させ、めっちゃくちゃ興味を引かれる。
さらに、戦後の軍は解体され、自衛隊もまだ存在しない
「葬送のフリーレン」考察! 「魔王」は初めて人間と分かり合えた魔族? 老後スローライフと現役王道ストーリーの混在!
こんにちは!今回は現在少年サンデーで連載中であり、アニメの方も絶賛放送中の「葬送のフリーレン」について考えていきたいと思う。今回触れる範囲は黄金郷のマハト編、過去編までだ。マハト編まで読んで僕なりにこの漫画がどういう物なのか、ある程度は理解する事が出来た。それでは初めて行こう。
○フリーレンは定年退職後の老人?老後の新たな人生の主題!
まず、今作の最大の特徴は、本来の本筋の話である勇者一行
「北極百貨店のコンシェルジュさん」感想! 絶滅種の魂の鎮魂! 負の搾取関係から対等な共存関係へ!
こんにちは!今回は現在上映中の、「北極百貨店のコンシェルジュさん」についての感想を語っていきたいと思う。
簡単なあらすじは、多様な動物達がお客として訪れる不思議な百貨店で、主人公のコンシェルジュ見習いの秋乃が、様々なお客さんの要望に答えるために、奮闘する話である。 作品全体としては、コミカルな雰囲気で進む「お仕事物」であり、最後に少し感動もあって、広い層が楽しむ事が出来る良作である。
プリキュアで「死」を描くという事! プリキュアの力は「現実」に対しては機能しない?
こんにちは! 今回はちょっと重いのだが笑、プリキュアと「死」の関係について語っていきたい。この話について語る上で、プリキュアシリーズ17作目の「ヒーリングっどプリキュア」をメインに参照しながら進めていこうと思う。それでは初めていこう。
まずプリキュアシリーズは、言うまでもなく子供向けであり、人が死ぬなどの過激な描写はほぼないし、「死ぬ」「殺す」等の単語も、作中の緊張感を出すために、仕方がない場