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さようならの流儀

さようならの流儀

私は集中力が続かない。

それは楽しい時間でも例外ではない。どんなに楽しくても、相手のことが好きでも、一緒にいてふと集中力が途切れてしまうことがある。結果つまらなそうに見えたり、話を聞いていないように見えたりしてしまっているのではないかと人と関わっているときは内心ヒヤヒヤしている。

そんな私が最低限心がけていることは、「さようならを言うときは出来る限りにこやかに」ということだ。

別れるときとい

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「飴玉水晶」、start

「飴玉水晶」、start

こんにちは、烏丸遼です。

この度、トークでポツポツと言っていた日本語のコンテンツを販売するウェブショップを開店しました。これからちょっとずつ体裁を整え、商品も充実させていくので温かく見守ってくださると幸いです。

さて、「飴玉水晶」を開店するにあたって目標がいくつかあります。このnoteで備忘録兼ウィッシュリストとして挙げていきたいと思います。

・来年のデザインフェスタに出展する

・月に10

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目を閉じて、息を止めれば、海の中

目を閉じて、息を止めれば、海の中

夜は嫌いだ。

何故って、暗い闇が光を飲み込んで、そのままどことも知れない世界の端へ連れて行かれる、そんな感覚を覚えるからだ。黒塗りの空間の中では、過去にあった嫌なことだったり、辛いことがぐるぐると渦を巻く。思い出したくなくてぎゅっと目を閉じても、闇の中では閉じているかどうかすら曖昧になる。自分と自分以外の境界線がどろりと溶け落ちて、脳髄に直接嫌なビジョンが雪崩れ込むように次から次へと塞がったはず

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自分を知ること

月に一回、心療内科に通っている。

いつもは鬱病の経過を担当医に話すだけの、些か退屈な診療だが今回は違った。以前から感じていた違和感や生きづらさから、自分がADHDなのではないかという疑念を抱いたからだ。

「先生、私ADHDかもしれないんです。」

その言葉に担当医は驚くことも疑うこともなく、じゃあ検査しようかと快く言ってくれた。予定を確認するから、その間にこれをやってみて。そういって手渡された

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でこぼこだらけの世界

でこぼこだらけの世界

私は鬱病だ。

かれこれもう1年以上の付き合いになる。とは言っても診断が出てからのことだから実際はもっとかもしれない。
鬱病という診断をもらって、仕事が続けられる体調でなくなって退職した。何もやる気が起きなくてひたすらベッドに横になってスマホをいじる日々が続いた。
鬱病にも色んな種類があるけれど、私は多くの人がイメージする気分の落ち込みが激しいタイプの鬱病である。今はだいぶよくなっているけれど、ひ

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ピーナッツはいつかバラバラになる

ピーナッツはいつかバラバラになる

母親はいつだって私に我慢をさせていた

「お父さんは子どもだからあなたが上手く手のひらで転がすのよ」
事あるごとに母は私にそう言い聞かせた。

実際父親は子どもっぽい人だった。
自分の思い通りにならないとすぐ不機嫌になって当たり散らすし、欲しいものはお金が無くても買うため貯金はないどころか借金が積み重なっていた。
母親はそんな父親に苦労させられていたように思う。消費者金融からの電話も母親が対応して

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自分を中心に据える親、子どもを中心に考える親:「ラブライブ!」とともに考える

自分を中心に据える親、子どもを中心に考える親:「ラブライブ!」とともに考える

スクールアイドルと親の関係私の趣味の一つはスマホゲームをすることである。今日も「ラブライブ!」のゲームをしていたのだが、そのときふと思った。

「登場キャラって結構親に協力してもらってるよな…」

「ラブライブ!」というのはとある高校のスクールアイドル(自分の学校の名を背負って活動するアイドル)のアイドル活動(いわゆる部活に近い)の様子と「ラブライブ」という大会までの道のりを描いたメディア作品であ

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私と母親:「さびしすぎてレズ風俗に行きましたレポ」を読んで

私と母親:「さびしすぎてレズ風俗に行きましたレポ」を読んで

以前から気になっていた「さびしすぎてレズ風俗に行きましたレポ」(永田カビ氏著)を読んだ。

一度通して読んだ第一声は「わかるー!」だった。家族に認められたいとか、母親的な存在を求めているとか、すごく共感できる。特に19ページで述べられている「他人からがんばりを認められないと実際どれだけがんばろうとがんばった事にならないと私は思っていた」という一文が刺さる。自分の価値やそれまでのがんばりというものを

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世界の中心は親じゃない

世界の中心は親じゃない

私が自分をアダルトチルドレンだと自覚したのはちょうど1年ほど前のことだ。

アダルトチルドレンには主に5つほどの役割があると言われていて、

ヒーロー(家族の期待を一身に背負ったタイプ)
ケアテイカー(親や周囲の面倒を見てきたタイプ)
ロストチャイルド(存在しないふりをして生きのびたタイプ)
クラン(おどけた仮面を被って不安を隠してきたタイプ)
スケープゴート(家族の問題を行動化するタイプ)
(参

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家の中の猫、広い空を知らず

家の中の猫、広い空を知らず

うちの2匹の猫はそれぞれ違う環境を経験している。

1匹は生まれてこの方家の中の世界しか知らない生粋の家猫。

もう1匹は野良で生まれて、生後半年まで外で生きてきた元野良猫。

そんなそれぞれ別の世界で生まれた2匹が、今私の家で一緒に生活していると考えるとちょっと面白い。お互いにどんな会話をしているのかを考えるのが私のちょっとした楽しみでもある。

「兄ちゃん、お空は本当はもっと大きいのにゃ」「本

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ひとりぼっちのマイナーコード

ひとりぼっちのマイナーコード

マイナー指向、嗜好ではなく指向。

私はマイナー指向だ。例えて言うなら、決まってマイナーなバンドを好きになるといったところか。

パソコンとキーボードカバーの色を決めるとき、展示に組み合わせ例がなかったから黒と紫にした。

携帯も、iPhoneじゃなくてAndroid一択。

それ自体が好きなのか、それともただマイナーだから選んでいるのか今の自分にはわからない。

ただ、何者かになりたいのだと思う

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ビニール傘と私

ビニール傘と私

先日、傘を買い替えた。

それまで使っていたものはコンビニで買ったビニール傘。私がまだ会社員だった頃、にわか雨を防ぐために買った傘だ。

なんだかんだ長い付き合いではあった。3ケタの値段の割には丈夫な傘で、1年以上もの間私を雨から守ってくれた。

ビニール傘はいいものだ。

例え盗まれても、「まあいっか、数百円だし」と思える。

泥が跳ねたって「ビニール傘だからいいか」と開き直って使い倒せる。

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猫とコーヒー

猫とコーヒー

私はコーヒーが好きだ。

ブラックもいいし、カフェオレやカフェラテなどのコーヒー飲料も捨てがたい。豆から挽いたのはさぞ美味しかろうと思うのだが、手間と時間とお金を天秤にかけた結果専らインスタントだ。特にスティックカフェオレにさらに砂糖を加えて甘くしたものは脳の栄養補給に最適だ。健康に悪いのは重々承知である。

ところで私は猫2匹と暮らしている。1匹はキジ白の牛柄、もう1匹は茶白のきなこもち柄だ。彼

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笑う毒親、泣く子ども

毒親を持つ人で「親に笑われた」経験を持つ人は少なくないだろう。
その理由は子どもの失敗かもしれないし、毒親が子どもを見下す行為によってかもしれない。いずれにせよ、毒親は自身の子どもを「格下の存在」として認識している。

たぶん毒親は子どもを思うがままにしたいのだ。自分の好きなように遊べるおもちゃにしたいに違いない。事実毒親は私たちを支配しようとする。暴力や暴言、その他様々な手段を用いて子どもを自分

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