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社会連携・地域貢献

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全学とキャンパス、複数ブランド化で相乗効果をねらう。立命館の新拠点誕生に見る重層的なアプローチ

全学とキャンパス、複数ブランド化で相乗効果をねらう。立命館の新拠点誕生に見る重層的なアプローチ

大学のブランディング活動を、ものすごく平たく言ってしまうと、その大学がこれまで積み重ねてきたことと、これからやろうとすることを、ターゲットに最も伝わる表現で伝え、浸透させていく営みのように思います。今回、見つけた立命館大学の取り組みは、まさにこれに当たるのですが、他とはちょっと違うんですね。こういった重層的な手法をとれると、より深く、説得力のあるかたちで、社会に大学の価値を伝えられるのかもしれませ

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大学に新たな多様性をつくり出す!APUが仕掛ける「高校生特命副学長」募集という挑戦の価値を考える

大学に新たな多様性をつくり出す!APUが仕掛ける「高校生特命副学長」募集という挑戦の価値を考える

普段は大学のプレスリリースからnoteのネタを探すことが多いのですが、今回はX(旧Twitter)で見つけた告知を取り上げようと思います。立命館アジア太平洋大学(APU)の前代未聞の非常にユニークな取り組みです。大学が新しいことを模索するのであれば、これぐらいの突飛さや気概が必要なのかもしれません。

「高校生特命副学長」募集というチャレンジ

ではどのような取り組みなのかというと、新高校1・2年

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地域の人々を大学に呼び込む。大妻女子大学「大妻さくら祭り」が実践する”掛け合わる”イベントづくり

地域の人々を大学に呼び込む。大妻女子大学「大妻さくら祭り」が実践する”掛け合わる”イベントづくり

地域貢献や産官学連携が大学の魅力として評価されることもあり、多くの大学が“開かれた大学”を実践するべく、さまざまな取り組みを行っています。今回、見つけた大妻女子大学の取り組みも、これに類するものなのですが、やり方が効率的かつ徹底的。参考になりそうなので、こちらについて取り上げようと思います。受験生以外を振り向かせようとするなら、これぐらいする必要があるよなと、あらためて思い知らされました。

社会

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寄付金獲得のためのLPの決定版?経験値の高さがにじみでる、京大iPS財団の広告ページを解説する

寄付金獲得のためのLPの決定版?経験値の高さがにじみでる、京大iPS財団の広告ページを解説する

少子化が急激に進む現在、寄付金の獲得は、どの大学にとっても非常に重要なテーマです。そうは言いつつも、広告を使って大々的に寄付金を募っているところって、あまり見ないなあと思っていたのですが、今回、見つけちゃいました。大学の寄付募集のウェブ広告に出合ってしまったんです。この広告ページ(LP)のつくりがすごく優秀で発見があったので、今回はこれについて取り上げようと思います。ほんと、この広告ページはタメに

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伸びしろいっぱい、でも難易度激高!北海道科学大学の「ほくかだい辞典」から考える、子供向けメディアの育て方

伸びしろいっぱい、でも難易度激高!北海道科学大学の「ほくかだい辞典」から考える、子供向けメディアの育て方

研究成果をはじめ、ひとことで伝えられないことばかりの大学にとって、記事等のコンテンツで丁寧にユーザーに情報を伝えるオウンドメディアは、とても相性がいい情報発信方法です。こういったメディアの開発&運営は、以前から増加傾向ではあったのですが、コロナ禍でさらに加速したように思います。今回、見つけた北海道科学大学のプレスリリースも、そんなオウンドメディアを新たにはじめたというもの。よくある話かと思いきや、

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愛校心の強化から創造へ。近畿大学の同窓会コミュニティ支援から考える、これからのホームカミングデイの役割

愛校心の強化から創造へ。近畿大学の同窓会コミュニティ支援から考える、これからのホームカミングデイの役割

大学の秋の風物詩といえば、やっぱり学園祭?いえいえ、それもありますが、もう一つあります。そうホームカミングデイです。卒業生たちが大学に訪れるこのイベント、なんで秋に多いんでしょうね。やっぱり気候がいいからでしょうか。今回、近畿大学のホームカミングデイを伝えるプレスリリースを見つけて、ここまでやるのかと驚いてしまいました。卒業生とのつながりづくりは、大学にとってやはり重要トピックなようです。

まる

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在学生は近くて遠い!?大東文化大学の100周年からひも解く、”みんな”でつくる周年事業に必要なこと

在学生は近くて遠い!?大東文化大学の100周年からひも解く、”みんな”でつくる周年事業に必要なこと

50周年、100周年、125周年など、大学の大きな節目を彩る周年記念事業。受験生向けのプロモーションはマクロな視点で見るとどの大学も似通ってしまいますが、周年記念事業のプロモーションや盛り上げ方は、大学によって千差万別です。今回、大東文化大学の100周年サイトを見て、盛り上げ方がうまいというか、そうそう、ここ大事だよね!と感じるところがあったので、今回はこちらを紹介しようと思います。

厳かさより

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地域と大学の魅力を重ねあわす。弘前大学の広告から感じる、地方国立大学だから伝えられること、伝わること

地域と大学の魅力を重ねあわす。弘前大学の広告から感じる、地方国立大学だから伝えられること、伝わること

昨年、目にしたときも面白いなーと思いつつ、結局、他の話題が気になってnoteで取り上げなかったのですが、今年こそちゃんと取り上げようと思います。取り上げるのは、弘前大学の「学ぶ街は、暮らす街でもある。」をコンセプトにしたイメージムービーとイメージポスター。これ、考えれば考えるほど面白い取り組みなんです。

街の魅力を学生が語るムービーとポスター

では、どんな取り組みなのかというと、「学ぶ街は、暮

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大事なのにやりにくい…。東洋大学の取り組みから学ぶ、地方での高校生向けイベントの画期的な開催方法とは?

大事なのにやりにくい…。東洋大学の取り組みから学ぶ、地方での高校生向けイベントの画期的な開催方法とは?

梅雨が明けて、気がつけば夏真っ盛りです。大学で開催する夏のイベントというと、まず思い浮かぶのはオープンキャンパスではありますが、注意深く見ていると、オーキャンとは少し違う視点で開催しているイベントもあるんですね。どういう視点かというと、受験生、ではなくて、高校生に向けたイベントです。今回はこの高校生向けイベントで面白そうなものを見つけたので取り上げたいと思います。

高校を会場に開催する、高校生向

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商品開発と起業をつなぐもの。近畿大学の取り組みから気づく、実学教育に足らなかったワンピース

商品開発と起業をつなぐもの。近畿大学の取り組みから気づく、実学教育に足らなかったワンピース

働くうえで役立つスキルや知識を、実社会に近い環境で身につけるというのが、現在の大学教育に求められているものの一つだと言えます。この究極的なものが学生ベンチャーのように思いつつ、それ以外にもいろいろな取り組みが、いろいろな大学で展開されています。

今回、見つけた近畿大学の取り組みも、そんないろいろなうちの一つ。よくある取り組みではありますが、ちょっとだけ視点が違うんですね。この少しの視点の違いによ

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知識や情報ではない!?フェリス女学院大のイベントから考える、参加者を満足させられる大学の一般向けイベント

知識や情報ではない!?フェリス女学院大のイベントから考える、参加者を満足させられる大学の一般向けイベント

大学の知を社会に発信するイベントや講座を実施する大学は、とても多くあります。文科省の「開かれた大学づくりに関する調査」によると、94.5%(調査対象792大学)もの大学が公開講座を開設しているようで、もうこれはほとんどの大学がやっていると言っていいように思います。今回、見つけたフェリス女学院大学のイベントも、こういった知の社会への発信を目的にした取り組みなのですが、内容が非常に魅力的でした。こうい

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入試広報にもブランディングにも使える!?駒澤大学の「MiMi KOMA」が伝える、音声ARと大学の相性の良さ。

入試広報にもブランディングにも使える!?駒澤大学の「MiMi KOMA」が伝える、音声ARと大学の相性の良さ。

街を歩くと至るところで桜が咲いており、春らんまんといった感じです。大学では先々週、先週ぐらいに春のオープンキャンパスを開催するところが多かったようで、それに関わるプレスリリースをいくつか目にしました。今回、取り上げるのも、そんな春のオープンキャンパスのひとつ、駒澤大学の取り組みです。このアプローチは、大学と相性がいいというか、すごく可能性を感じるのですが、いかがでしょうか?

人気芸人の学生時代を

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武庫川女子大の取り組みから考える。学内にリカレント教育の機会を提供することの、けっこう多彩な意味と価値。

武庫川女子大の取り組みから考える。学内にリカレント教育の機会を提供することの、けっこう多彩な意味と価値。

学び直しの振興は、突き詰めていくと大学だけでどうこうできるものではないのですが、そうはいっても大学はこれを行ううえで非常に重要なアクターであるのは間違いありません。では、大学はどのように学び直しに向き合うべきなのでしょうか。今回、見つけた武庫川女子大学の取り組みは、これをやったら解決する!というものではないものの、推進していくうえでとても重要なところを抑えているように思いました。ぜひ他大学にも広が

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近畿大学「なら近大農法」のプレスリリースから考える、ブランド化のためのリリースという考え方とアプローチ。

近畿大学「なら近大農法」のプレスリリースから考える、ブランド化のためのリリースという考え方とアプローチ。

言わずもがななことですが、大学の広報活動においてプレスリリースは大きな意味を持ちます。私もこのnoteやほとんど0円大学のネタ集めのために、毎日チェックをしていますが、大学が伝えたい大学情報を得るうえで、プレスリリースは非常に効率がいいです。今回は、そんなプレスリリースの使い方で、ちょっと面白いなと思ったものがあるので、こちらを取り上げようと思います。発信元は、大学広報の異端児かつ先生といえる大学

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