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「いつもの」と注文できるようになるための3つの手順。

カレー界のレジェンドと名高い孤高の「シャンティカレー」が大好きな いなつち☆稲田智 です。

私はこのシャンティカレーの常連です。「いつもの」と言うだけで、いなつち完全個別カスタマイズカレーが爆速提供されるようなシステムになっています。

私は昔から人見知りが強く、「いつもの」みたいな注文ができる常連な人たちが憧憬の対象でありました。

しかし、この「シャンティカレー」だけは我が人生ではじめて常連になれた稀有な存在なのです。

よく考えたら、シャンティがというよりは、シャンティに接する「自分の態度」がそうさせていることに最近気づきました。

なので今回は、私の実体験からわかった、人見知りで押しの弱い人でも常連になれる「たった3つの手順」をお伝えしたいと思います。

常連」になりたい方必見です(笑)。

シャンティカレーとは。

シャンティカレーは京急青物横丁駅、ゼームス坂下付近に本社を構えるカレー屋さんです。昔は店舗があったようですが、2019年4月現在、店舗は持っていません。ランチ時間帯にフードカーで都内の各エリアで移動販売しています。


メニューは「基本3種類」×「14種類」のカスタマイズ。

種類としては、ココナッツカレーの部類です。辛さはありません。

メニューは以下のようになっています↓

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「お得なシャンティセット」という
・からあげセット
・そぼろセット
・トマトセット
の3種類のセットがあります。それぞれ「からあげ」「そぼろ」「トマト」のトッピングが付いています。

さらにこれらセットの共通トッピングとして、「マッシュポテト」「ほうれん草」「ツナコーン」「フライドオニオン」の4つが最初から付いてきます。

なので、セットには最初から5つのトッピングがのっているわけです。

この基本セットに対し、以下の中からさらなるトッピングを考えていきます。

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辛みは3段階の辛味ペーストです。これのあるなしで味が激変します。私はグリーンペースト(辛)一択です。なんならこのグリーンペーストを味わうためにシャンティ食べてるといっても過言ではありません。そのくらいグリーンペーストは重要なのです。

辛み以外のトッピングはお好みですが、最初から5つのトッピングがついていることから、「ライス大盛り」以外にあまり追加している人はいないように思います。

いなつち完全個別カスタマイズモデル1.0。

2015年2月20日。記念すべき初シャンティ。ノーマルな「からあげセットにライス大盛」。ライス大盛りは乗せる場所がないので、おかずの上に乗せて提供されます↓

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そしてこちらが時を経て完成に至った「いなつち完全個別カスタマイズモデル1.0」2018年1月バージョンです。↓

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とりあえず、フタが閉まりません(笑)

からあげセットに、さらに「からあげ」「グリーンペースト」「ライス大盛り」「ゆで卵2つ」のカスタマイズです。

これ分解すると、トッピングは、「からあげ」「からあげ」「ゆで卵」「ゆで卵」「マッシュポテト」「ほうれん草」「ツナコーン」「フライドオニオン」「グリーンペースト」「ライス大盛り」の10種盛りなんですね(笑)。

まともに注文したら超絶めんどくさいです。それが今や「いつもの」の一言で注文できます。なんなら、最近は何も言わなくても出してくれるようになりました。

常連最高だー!

で、ここからは、どうやってこの人見知りで押しの弱い私が常連になれたのかを綴りたいと思います。

①とにかく30回は通い、まあまあな注文をする。

私の妻が、友人の家でシャンティカレーというとんでもないカレーを食べた!友人はシャンティ本社に行って直接買ってきてた!と言っていて、なら食べてみるかと移動販売車をネットで探してみたのでした。

すると、なんと会社の近くに毎週金曜日に来ているではありませんか!

2015年2月20日、記念すべき初シャンティです。最初は特に何の感情もなく、とりあえずからあげセットにライス大盛りをしたのみでした。味はたしかにおいしかったのですが、何かが足りない気がしました。

次の金曜日、何が足りなかったのか検証するため、辛みペースト3人衆をトッピングすることにしました。この日は一番辛さの弱い「イエローペースト」を。しかし辛味は弱いです。

次の金曜日、「レッドペースト」をトッピング。まあまあ辛くていい感じの味わいになりました。シャンティカレーは辛みペーストを加えることで完成するのだなと思いました。

さらに次の金曜日、念のため「グリーンペースト」をトッピング。何だこの香りは。東南アジア全開の香りに、容赦ない辛み、そして塩分。これだ。これこそがシャンティの真骨頂だと。この日をもって、辛みは「グリーンペースト」に確定したのです。

こんな感じで毎週金曜日にいろんなトッピングを試しました。ひととおりやってマンネリ化していたころ、トッピングの「からあげ」がやたらうまいのですが、これをもっと食べたい!と思ってしまったのです。

でも、基本となる「からあげセット」にはすでに「からあげ」が入っています。からあげセットにさらに「からあげ」って注文したら、「からあげセットにからあげ?」ってすごい食いしん坊に思われるかもしれない。

もしくは「からあげセット」に「からあげ」を追加注文していると思われず、ただ確認のために「からあげ」を連呼してるだけのやつと思われるかもしれない。このパターンは最悪で、勇気を振り絞って「からあげセット」に「からあげ」って言ってるのに、出てくるのはただの「からあげセット」でしかないのです。

ある晴れた金曜日の昼どき、大変体調もよく、前日もよく眠れてパワーがみなぎっていたその日、満を持して発しました。

「からあげセット」に「からあげ」を追加トッピングで!

言えた!ついに言えた!私はからあげをいっぱい食べられることよりも、「からあげセット」に「からあげ!」と言えたことに満足していました。

店員のお姉さんは、私の心配とは裏腹に「はい、からあげセットにからあげですね。」と、さもいつもありうるタイプの注文かのように対応してくれたのです。

そんなハードルを乗り越えるうちに、私の注文はエスカレートしていき、最終形態は、

「からあげセットにからあげ追加と、ライス大盛り、グリーンペースト、ゆで卵2つ」となりました。もはや主役がカレーなのかさえ疑問です。

店員のお姉さんも間違わないように

「はい、からあげ、からあげ、グリーン、ライス大、たまご、たまご」となにかの呪文を唱えるかのように復唱し、しばらく空を見つめたあと、「1,050円です。」と言うようになりました。

私が来るたびに、あ、あのめんどくさいやつが来たと思われていたと思います(笑)。

そして通いはじめて7か月が過ぎたころから、ああ、また「いつものですね。」的な顔をされるようになりました。でもまだ私は面倒でも、ひとつひとつ注文し、店員のお姉さんもあの呪文を唱え続けていたのです。

②必ず、何か会話をする。

何回か通ううちに、店員のお姉さんそして、カレーを盛ってくれるお兄さんとなんでもない会話をするようになりました。

きっかけはやはり例の呪文です。お姉さんの復唱がたまに間違ったり、トッピングが多いのでお金の計算間違いをしたりするのです。あ、それ違いますよ。的なことから会話につながるようになりました。

他にはだいたい以下のようなことを言っておけば大丈夫と思います。

「寒いですね。」

「暑いですね。」

「風強いですね。」

「天気いいときの方が売れるんですか?」

「最近来れてなかったです。」

「他にもお店あるんですね。」

「会社の人もハマってます。」

とにかく毎回何かしらの会話をし、距離を近くしていくのが重要です。

③2人で行って本題を切り出す。

通いだして1年を過ぎたころから、仕事仲間のSHURAとシャンティに買いに行くことが増えました。

私がいつものように、

「からあげセットにからあげ追加と、ライス大盛り、グリーンペースト、ゆで卵2つ」

と注文していると、SHURAは注文をめんどくさがり、

「あ、いま(私が注文したもの)と同じのを」

と、省略注文するようになりました。

いや、それずるいなー。私はまじめに「からあげセットにからあげ追加と、ライス大盛り、グリーンペースト、ゆで卵2つ」って注文してるのに、SHURAだけ簡単に注文しています。

ここで私はピンときました。シャンティ歴の浅いSHURAが「同じの」で注文できているのなら、私はもうそろそろ「いつもの」注文ができるのではないかと。

そこで、とある金曜日、SHURAに

「今日、俺は、「いつもの」と言おうと思う。」

と告げました。

SHURAは、「何言ってんのこの人?」的な態度をしてましたが、まぁでも私としては一人よりは二人の方が言いやすいし、ついてきてくれるだけでもありがたいと思ったのです。

そして二人でお店に行き、お姉さんに、

「あのぅ、いつもの・・で通じます?」

と若干探り気味に言ってみました。

するとお姉さんは、にこやかに微笑みながら、

「はい、いつもので大丈夫ですよ。」

「からあげ、からあげ、グリーン、ライス大、たまご、たまご」

いや、店側は「いつもの」じゃないんかい!効率化されたのは私側だけであることにそこで気づかされました。

そして、SHURAは、「おなじので」と、もはや「いつもので」と変わらない感覚で「おなじの」注文をしていたのです。

その「おなじの」と俺の「いつもの」は字数は一緒だけど、重みがぜんぜん違うからね!と言いたい気持ちをグッとこらえながらその場をやり過ごしたのでした。

「いつもの」と注文できるようになる3つの手順まとめ。

①とにかく30回は通い、まあまあな注文をする。

やはり顔を覚えてもらうためにも、最低でも30回ぐらいはそのお店に通うのが必要だと思います。週1回として半年強です。人は、会った時間よりも、会った回数が多い方が、より親近感を抱きやすいという研究もあるそうです。

そして、他の人とは違うモノや量を頼むのが顔を覚えてもらうには最適です。いつも大盛でもいいですし、トッピングがやたら多いとかでもいいと思います。

②必ず、何か会話をする。

①とも関連しますが、さすがに何も会話しない人とは仲良くしてもらえないので、あいさつだけでもいいので、何かしらお店の人と会話しないとダメだと思います。

このときに①で頼む商品が特徴的だと話のキッカケやネタになってよいと思います。

③2人で行って本題を切り出す。

「いつもの」の設定を依頼するときは、二人以上でお店に言って、軽く探る感じで談笑ついでに言うとやりやすいと思います。

以上①②③は、お店の雰囲気や店員さんの性格、扱ってる商品・サービスで多少の違いは出るかもしれませんが、共通項として参考にしていただけるポイントだと思います。

「常連」 にしか見えない世界。

「いつもの」と注文できるようになってからというもの、私の感情はたいへん穏やかです。やはり常連はいいなと。常連は、注文などの細々した作業に気を取られることなく、ただ悠然と店員のお姉さんやお兄さんと会話していればよいのです。それだけで自動的に「いなつち完全個別カスタマイズモデル1.0」が出てくるのですから。

何という優越感と万能感なのでしょう。世の中の常連さんはみんなこんな体験をしているのですね。

そんな中、SHURAは、「いつもの」の「おなじの」に飽きてきたらしく、ゆで卵はいらなくなってきたようでした。

そして「「いつものからゆで卵2つ抜いてください。」という謎の注文をしだすようになったのです。

この注文方法は斬新です。一つ一つトッピングを積み上げていくのではなく、「いつもの」から「引く」ことにより解を導く。まるで、キャッシュフロー計算書を間接法で算出するような手順です。

そしてその頃、私自身もゆで卵はいらないなと思いはじめていました。

そして「「いつものからゆで卵2つ抜いてください。」という謎の注文を私もするようになってしまっていたのです。

こうなるともう注文がめんどくさくなっていて、そこには優越感も万能感もなく、もはや常連なのかさえも疑わしくなってきます。

その言い方が1年ぐらい続いたとき、ついに私は、

「「いつものを変えていいですか?

と切り出しました。「いつもの」のデフォルト値を変えることに成功したのです。これまでの「いつもの」からゆで卵2つを引いたものが新生「いつもの」となりました。

それが、いなつち完全個別カスタマイズモデル2.0なのです。

このように「いつものを変える」みたいなことも、常連にしかできない楽しい経験ではないかと思います。

コミュニケーション中心の未来へ。

ここまで「常連」について論じてきましたが、常連になると、注文とか会計とか細々した単純作業が減り、サービスレベルも良くなって大変満足度があがります。そして、人対人の会話時間が増えることもわかりました。

きっと未来の買い物も、実店舗では注文や会計などの単純作業がなくなり、人とのコミュニケーション中心の買い物になるのだと思います。「常連」はその未来を仮想的に体験できる貴重なポジションなのです。

と締めようと思ったのですが、

私はここで、とんでもないことに気づいてしまいました。前述の「①とにかく30回は通い、まあまあな注文をする。」の導入部・・・
"私の妻が、友人の家でシャンティカレーというとんでもないカレーを食べた!友人はシャンティ本社に行って直接買ってきてた!と言っていて・・・"


いや、常連!本社ダイレクト買いって!

妻の友人、私なんかよりはるかに常連なのでした。

おわり。

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