意識科学研究所

意識とは何か。 苦しみはどこからくるのか。 幸せとはどういう状態か。

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記事一覧

自分の限界を知って「ほどほど」を手に入れる

稲垣えみ子さんの、「魂の退社」、「寂しい生活」の2部作を読んだ。 「魂の退社」では、会社というシステムに、「お金」と「人事」で縛られて、どこまでいってももっとも…

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若宮雅子さんになれない内向的な自分が幸せになる方法

若宮正子さんの「昨日までと違う自分になる」を読んだ。きっと、何かが学べるはず、若宮さんのようになれるヒントが得られるはず、と期待して読んだ。 軽快な文体、ポジテ…

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持たない幸福論

 pha氏の著作、「持たない幸福論」を読んだ。  面白かったし共感した。そのことに少しの後ろめたさも感じた。  頭の良い人なのだろう、本としてよくまとまっていて言い…

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Blogger開始しました

Bloggerでブログを開始しました。 開設してみるととても使いやすく、素人の私でも気軽に運用できそうです。 いろんなツールを使ってみる、新しい波に乗ってみる、それで良…

ヴィパッサナー瞑想で"滅"に気づく~ブッダの実践心理学 第7巻・8巻~

はじめに ブッダの実践心理学は、テーラワーダ仏教のお坊さんであるスマナサーラ長老の著書。 テーラワーダ仏教は、インドから中国を経て日本に伝わった大乗仏教ではなく、…

電気刺激で幸福を創る?~脳と人工知能をつないだら~

この本は 池谷裕二さんと紺野大地さんによる、脳科学とAIを融合させたらどんなことができるのか、科学技術・研究の新しい情報から考察された本。 脳は電気信号で情報を伝達…

これで人間関係に勝利できる~レス・ギブリン著「人望が集まる人の考え方」~

人望を集めるために必要なこと「人望」、多くの人がほしいと思っているだろう。もちろん私も。 その人望を得るために必要なことについて、人間の性質を踏まえて語られてい…

心をゴミ屋敷にしないための一つの方法~ビーイング・ダルマ アチャン・チャー~

ビーイング・ダルマは、アチャン・チヤーという、タイのとても有名な初期仏教の僧侶の教えをまとめた本。 覚えるほど、何度も読み返す価値のある本だと思う。 仏陀の教えを…

22世紀の民主主義~私たちはアルゴリズムを神にする?~

1.民主主義と選挙の劣化 民主主義が劣化しているという著者の指摘、このコンセプトには同感。確かに、今の民主主義は、短期的な目線での自国ファースト、有権者ファースト…

女帝小池百合子 ~本当の幸せに気づいてほしい~

まず、著者の勇気に驚いた。これほどの本を書くには、相当の勇気が必要だったと思う。ほとんどの人が、自分の立場を考えて、長いものに巻かれるという選択肢をとるだろう。…

生きることは苦、書くことは癒やし ~苦役列車~

西村賢太さんの自伝的小説と言われる苦役列車。 これはあんまり、と思うくらいの、強烈な、そして美しくない、心の内面の吐露。 小説家という人たちは、ここまで心をさらけ…

いつか死ぬ、いつか絶滅する、と知って生きる。~絶滅へようこそ~

「絶滅へようこそ」は東洋大学文学部哲学科教授の稲垣諭さんの著作。 1.生きることへの執着から距離をとる先日、義母が亡くなった。そのときに、真っ先に思ったのは、「…

苦しみの輪廻から抜け出すたった一つの方法 ~ ブッダの実践心理学 第6巻 ~

ブッダの実践心理学は、スリランカ人のお坊さんであるスマナサーラ長老が、ブッダの教えを忠実に伝える初期仏教のテキスト「アビダンマ」を判りやすく解説した本。 タイト…

こんな人は地獄に転生する!~ブッダの実践心理学第5巻(業と輪廻の分析)~

ブッダの実践心理学とは、ブッダの教えを忠実に伝えるスリランカのテーラワーダ仏教の僧侶であるスマナサーラ長老が、アビダンマという仏教のテキストを判りやすく解説した…

心の回転を止めて安らぎを得る ~ブッダの実践心理学 第4巻~

1.ブッダの実践心理学第4巻とは ブッダの教えをダイレクトに伝えるテーラワーダ仏教の僧侶、スマナサーラ長老が、アビダンマという仏教のテキストを判りやすく解説した書…

自分の心を知って管理する ~ブッダの実践心理学 第3巻 心所(心の中身)の分析~

この本の概要ブッダの教えを忠実に伝えるテーラワーダ仏教の教科書アビダルマの解説書、その第3巻。「心所」の解説。 著者は日本にテーラワーダ仏教を伝えてくださったス…

自分の限界を知って「ほどほど」を手に入れる

自分の限界を知って「ほどほど」を手に入れる

稲垣えみ子さんの、「魂の退社」、「寂しい生活」の2部作を読んだ。

「魂の退社」では、会社というシステムに、「お金」と「人事」で縛られて、どこまでいってももっともっと出世したいという渇望に振り回される会社員の心境が語られている。

ご自身も、周りが昇進していく中で相当な怒りや苛立ちを感じられた模様。

「ほどほど」、であることがいかに難しいかが切実に語られる。

そんな中、稲垣さんは会社員を卒業す

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若宮雅子さんになれない内向的な自分が幸せになる方法

若宮雅子さんになれない内向的な自分が幸せになる方法

若宮正子さんの「昨日までと違う自分になる」を読んだ。きっと、何かが学べるはず、若宮さんのようになれるヒントが得られるはず、と期待して読んだ。

軽快な文体、ポジティブな内容で、とても読みやすかった。短時間で読了した。
この本から感じたのは、若宮さんのエネルギー源は、人との交流であり、海外旅行であり、一人で行動すること。
何かマネできることがないかと思っていたが、ほぼない!ということが判ってしまった

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持たない幸福論

持たない幸福論

 pha氏の著作、「持たない幸福論」を読んだ。
 面白かったし共感した。そのことに少しの後ろめたさも感じた。
 頭の良い人なのだろう、本としてよくまとまっていて言いたいことが伝わってくる。それに文章が読みやすい。

 特に共感したのは、

多くの人の本当の行動の目的は、暇つぶしというか何もしていないと不安だから何でもいいから何かをやっておくくらいのもの。

なんでもいいから何かをやって、それで何か

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Blogger開始しました

Bloggerでブログを開始しました。
開設してみるととても使いやすく、素人の私でも気軽に運用できそうです。
いろんなツールを使ってみる、新しい波に乗ってみる、それで良し。

ヴィパッサナー瞑想で"滅"に気づく~ブッダの実践心理学 第7巻・8巻~

ヴィパッサナー瞑想で"滅"に気づく~ブッダの実践心理学 第7巻・8巻~

はじめに
ブッダの実践心理学は、テーラワーダ仏教のお坊さんであるスマナサーラ長老の著書。
テーラワーダ仏教は、インドから中国を経て日本に伝わった大乗仏教ではなく、インドから直にスリランカに伝わったブッダ直伝の仏教。
ブッダが心をどのようにとらえているのか、そして、どのように心を管理すれば、悩み苦しみから離れて安穏に、幸福にいられるのか、それを解説している。第7巻・8巻は、複合刊であり、このシリーズ

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電気刺激で幸福を創る?~脳と人工知能をつないだら~

電気刺激で幸福を創る?~脳と人工知能をつないだら~

この本は
池谷裕二さんと紺野大地さんによる、脳科学とAIを融合させたらどんなことができるのか、科学技術・研究の新しい情報から考察された本。
脳は電気信号で情報を伝達している。だからそれを読み取って解析したり、外から信号を与えて脳を機能させることができる。
そのプロセスにAIを関与させることもできる。そんなトピックが紹介されている。

脳科学が可能にすること
確かに、脳は電気信号で情報を伝達している

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これで人間関係に勝利できる~レス・ギブリン著「人望が集まる人の考え方」~

これで人間関係に勝利できる~レス・ギブリン著「人望が集まる人の考え方」~

人望を集めるために必要なこと「人望」、多くの人がほしいと思っているだろう。もちろん私も。
その人望を得るために必要なことについて、人間の性質を踏まえて語られている。
人望獲得に必要なこと。結論は、相手の自尊心を満たしてあげること。

人は自尊心を満たしたい、承認されたいと考えている。
身体が食料を必要とするように、敬意と承認と満足感を必要としている。
渇望している。
そんな人の性質を知って、行動す

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心をゴミ屋敷にしないための一つの方法~ビーイング・ダルマ アチャン・チャー~

心をゴミ屋敷にしないための一つの方法~ビーイング・ダルマ アチャン・チャー~

ビーイング・ダルマは、アチャン・チヤーという、タイのとても有名な初期仏教の僧侶の教えをまとめた本。
覚えるほど、何度も読み返す価値のある本だと思う。
仏陀の教えをとても直接的な、感情的な言葉で語ってくれる、直球勝負の語り口。
スリランカの、同じく初期仏教の僧侶であるスマナサーラ長老は、たくさんのたとえ話で、論理的な説明をしてくれる。
スマナサーラ長老の説明を聞いたうえでこの本を読むと、いっそう心に

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22世紀の民主主義~私たちはアルゴリズムを神にする?~

22世紀の民主主義~私たちはアルゴリズムを神にする?~

1.民主主義と選挙の劣化
民主主義が劣化しているという著者の指摘、このコンセプトには同感。確かに、今の民主主義は、短期的な目線での自国ファースト、有権者ファーストになっているように見える。

それと併せて、SNSが一般化し、個々人の興味関心がAIで解析される現在において、民主主義の根本を支えているはずの選挙というシステムが、非効率でかつ民意を正確に反映できない、という指摘、これにも大いに賛成する。

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女帝小池百合子 ~本当の幸せに気づいてほしい~

女帝小池百合子 ~本当の幸せに気づいてほしい~

まず、著者の勇気に驚いた。これほどの本を書くには、相当の勇気が必要だったと思う。ほとんどの人が、自分の立場を考えて、長いものに巻かれるという選択肢をとるだろう。しかしこの著者は違う。
すごい本を読んでしまった、そう思った。

小池百合子氏は、自分の欲に忠実に、勝つことの興奮、高揚感を得ることが、それこそが幸せだと思っているのだろう。

しかし、本当の幸せは、慈しみを持って他者に寛容に接し、自らも安

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生きることは苦、書くことは癒やし ~苦役列車~

生きることは苦、書くことは癒やし ~苦役列車~

西村賢太さんの自伝的小説と言われる苦役列車。
これはあんまり、と思うくらいの、強烈な、そして美しくない、心の内面の吐露。
小説家という人たちは、ここまで心をさらけださないといけない商売なんだ、と改めて思う。こういうことができる人でないと、小説家になんてなれないのだろう。

でも、ここまで自分の弱くて汚い心の面を細かく文章にしているということは、ものすごく心を観察しているはずなので、小説家というのは

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いつか死ぬ、いつか絶滅する、と知って生きる。~絶滅へようこそ~

いつか死ぬ、いつか絶滅する、と知って生きる。~絶滅へようこそ~

「絶滅へようこそ」は東洋大学文学部哲学科教授の稲垣諭さんの著作。

1.生きることへの執着から距離をとる先日、義母が亡くなった。そのときに、真っ先に思ったのは、「お義母さん、良かったね。」ということ。
不満の多い人だった。食べ物一つ食べるにも、これおいしいよ、と他人に勧められると、いつもそれはああで、これはこうで、と不平不満をおっしゃる。

90歳を過ぎて、病院での寝たきりとなり、痴呆も始まってい

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苦しみの輪廻から抜け出すたった一つの方法 ~ ブッダの実践心理学 第6巻 ~

苦しみの輪廻から抜け出すたった一つの方法 ~ ブッダの実践心理学 第6巻 ~

ブッダの実践心理学は、スリランカ人のお坊さんであるスマナサーラ長老が、ブッダの教えを忠実に伝える初期仏教のテキスト「アビダンマ」を判りやすく解説した本。
タイトルは堅いが、誰もが身に覚えのあるたくさんの例え話で、とても判りやすく説明されている。
この第6巻は、因果についての解説。

1.因果とは
因果法則、よく使う言葉。原因があるから結果がある。それが因果法則。
今自分がここにいるのは、過去があっ

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こんな人は地獄に転生する!~ブッダの実践心理学第5巻(業と輪廻の分析)~

こんな人は地獄に転生する!~ブッダの実践心理学第5巻(業と輪廻の分析)~

ブッダの実践心理学とは、ブッダの教えを忠実に伝えるスリランカのテーラワーダ仏教の僧侶であるスマナサーラ長老が、アビダンマという仏教のテキストを判りやすく解説した図書。
テーラワーダ仏教は、日本に伝わる大乗仏教徒は考え方が違う仏教。
タイトルは一見難解だけど、とても読みやすい口調で書かれているので安心。
第5巻では、業(カルマ)と輪廻転生のしくみと、どんな生き方をしたら、どうなってしまうのか、解説さ

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心の回転を止めて安らぎを得る ~ブッダの実践心理学 第4巻~

心の回転を止めて安らぎを得る ~ブッダの実践心理学 第4巻~

1.ブッダの実践心理学第4巻とは ブッダの教えをダイレクトに伝えるテーラワーダ仏教の僧侶、スマナサーラ長老が、アビダンマという仏教のテキストを判りやすく解説した書籍。
 第4巻は、心の種類と認識が生じるプロセスを詳しく解説してある。普段使わない用語がたくさん出てきてさらっと読めるものではないが、心とはどのようなものか、認識がどのように生じるのか、科学では説明されないであろうメカニズムがこれでもかと

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自分の心を知って管理する ~ブッダの実践心理学 第3巻 心所(心の中身)の分析~

自分の心を知って管理する ~ブッダの実践心理学 第3巻 心所(心の中身)の分析~

この本の概要ブッダの教えを忠実に伝えるテーラワーダ仏教の教科書アビダルマの解説書、その第3巻。「心所」の解説。

著者は日本にテーラワーダ仏教を伝えてくださったスマナサーラ長老。スリランカ人であるが日本語はペラペラ。そして難いタイトルに反して驚くほど読みやすい。誰にでもわかるやさしい文章で解説されている。

心所とは「心所」、初めて聞く言葉である。心に溶けている成分だと書かれている。例えば、水に味

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