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高木敏雄と近代日本の神話学――日本神話学はどう産霊神学の継承に失敗したか。
普通、高木敏雄(1876― 1922)は日本神話学の最初の本格的な開拓者として高く評価される研究者である。しかし、率直にいって高木敏雄は神話学者としては中途で挫折した研究者である。以下で点検するように、その実際の神話研究は内容にとぼしく、高木の神話分析はすべて挫折したといわざるをえない1。その理由は、根本的にいえば、高木が徳川時代の本居宣長・平田篤胤が代表する「国学」、そして産霊神学の継承に
「忘れられた10世紀の能登地震、津波──今昔物語集より」
明日、3月30日シンポジウム「能登半島地震と地域のサステイナビリティ」(2024年3月30日15時〜17時半オンライン)で下記のレジュメに沿って報告をします。いま慣れないパワーポイントに書き換えています。
能登の古地震の歴史研究、生態系と生業と文化の変容をたどった地域研究、2007年の能登半島地震の復興の調査を参照し、地域のサステイナビリティを考えます。
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益田勝実氏と歴史学の立場
「益田勝実氏と歴史学の立場(400×5枚以上。9月24日しめきり)」という標題があるのですが、どこに発表したか忘れました。一〇年以上は前のものです。
益田勝実氏の仕事を読むようになったのはいつ頃のことか記憶がない。ただ、大学時代に『火山列島の思想』を手に取ったことは確実で、変わった名前の本だと思ったことが記憶に残っている。そして手許に益田さんが登場する『文学』の一九九〇年冬号があるから、その
船弁慶の船と鎌倉の段葛(置道)について
下記はずっと昔の講演原稿ですが、鎌倉の段葛について、先日のブラタモリをみました。私見は河川・海辺の工事の一環で、早くから「置き石」を津料としてとったことの反映という側面もあるのではないか。鎌倉の海民の風習との関係を考えたいということです。なお『石山寺縁起』の大津の風景に石材の湖辺への貯材があったような。
船弁慶の船 『国立能楽堂』(一二三号)平成五年一一月
いうまでもなく、能の船
若狭湾沖の海底断層に発する歴史地震について、『方丈記』の「海は傾きて陸地をひたせり」という地震は若狭湾沖地震ではないか。
以下は拙稿「繰り返された平安時代の近江地震」(橋本道範編『自然・生業・自然観』小さ子社、二〇二二)の若狭湾沖地震にとくに関わる部分です。『方丈記』の「海は傾きて陸地をひたせり」という地震は若狭湾沖地震ではないかというのはあくまでも私の想定ですが、若狭湾沖の断層は福井県の地震災害予測には十分に顧慮されていないというのは、万が一のことが起きた場合、賀茂長明に申し分けないことです。
1185年(元
「平安時代史」の方法について
以下、拙著『平安王朝』の「序 王の年代記をめぐって」を紹介します。はるか以前の著作で、しかも現在絶版状態になっていますので、ふり返ることは少ないのですが、私にとっては唯一の王権論としてまとめた著作です。現在の仕事の神話論を「王権神話論」としてまとめていますので、それとも関係します。
ただ、「平安」という言葉はたいへんにミスリードな言葉で、この時代概念をそのまま疑問なく使うのはいかがなものかと、
能登地震と9世紀地震、南海トラフ大地震について、ーー今日の東京新聞一面トップ「国の予測、震度6弱以上0,1~3%」「安全と誤解 油断生む」という記事にふれて
2024年1月10日。
今日の東京新聞一面トップは「国の予測、震度6弱以上0,1~3%」「安全と誤解 油断生む」「能登半島地震 専門家が警鐘」となっている。たしかに、地震調査委員会の作成している図を地震について基礎知識のない個人がみると「安全と誤解 油断生む」ということはあるかもしれないが、地震調査委員会は独自の研究組織も必要な予算ももっていない組織で、行政の防災対策のための補助資料を出して
850年の出羽庄内地震(M七.〇)と863年の越中・越後地震(M七.〇)―― 元旦の能登越後地震の関係で歴史地震情報。
2024年元旦の能登越後地震の関係で。歴史地震の情報です。850年の出羽庄内地震(M七.〇)と863年の越中・越後地震(M七.〇)について――拙著『歴史のなかの大地動乱』より。
さきほど発生した能登・越後方面の地震ですが、死者や事故のないことを祈ります。
九世紀には日本海沿岸で、850年の出羽庄内地震(M七.〇)と863年の越中・越後地震(M七.〇)の二回の大地震がありました。アムールプレート
850年の出羽庄内地震(M七.〇)と863年の越中・越後地震(M七.〇)について――拙著『歴史のなかの大地動乱』より。
さきほど発生した能登・越後方面の地震ですが、死者や事故のないことを祈ります。
九世紀には日本海沿岸で、850年の出羽庄内地震(M七.〇)と863年の越中・越後地震(M七.〇)の二回の大地震がありました。アムールプレートと太平洋プレートの衝突により発生するもので、これらの日本海沿岸の大地震の延長線上に南海トラフ大地震が発生するという地震学の有力な見解があります。
各地域での最大震度の地震を地域