naoki0921

小さな会社を経営 政治・経済・経営・法律・行政・読書に興味あります。

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記事一覧

選択的夫婦別姓訴訟( 最高裁大法廷判決令和3年6月23日)における立法裁量論に対する批判

https://www.courts.go.jp/app/files/hanrei_jp/412/090412_hanrei.pdf 一 立法裁量論とは  いわゆる立法裁量論である。立法裁量論とは、憲法訴訟において裁判所が国会…

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7日前
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財務省の公債依存の問題点の指摘について考えてみる。

一 問題の所在 財務省のHPを見てみると、公債負担の問題点が指摘されている。 整理すると以下の点にあるようだ。 https://www.mof.go.jp/policy/budget/fiscal_condition

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11日前
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独立開業で失敗する人、成功する人。

一 はじめに 2009年に独立したので、独立開業してからはや15年。よくぞ続いたなと自分でも思うけど、とても気になる記事を見つけたので、書いてみたいと思いました。引用…

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2週間前
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『「失敗」の経済政策史 川北隆雄著』 講談社現代新書

一 はじめに  2014年6月18日初版なので、1990年代のバブル崩壊時、1997年の金融恐慌、2000年代の小泉改革の是非、2012年からのアベノミクス前半の金融緩和税策の是非に…

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2週間前

対GDP比政府債務残高258%の日本ではなく106%の英国政府で財政の信認が問われたのか~トラス政権経済政策の教訓

1 はじめに  英国のリズ・トラスが2022年9月の就任からわずか1か月半で、辞意表明に追い込まれたのは記憶に新しい。経済失策をきっかけに市場、与党、国民の信頼…

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3週間前
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読後感想「財務省と政治」清水真人著

初版が2015年9月25日だから、55年体制が崩壊し自民党が下野して1993年に細川政権が誕生した前後から第二次安倍政権が発足して3年目ぐらいの2015年までの財務省と政…

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3週間前

仕事のコツ part3~学力と仕事の相関関係

大量の仕事をこなすには・・・。 仕事をため込まないためには  学力と仕事の出来不出来の相関関係があるのかというテーマは時折話題になる。仕事の内容にもよると思うが…

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1か月前
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仕事のコツ part2

 目の前にある大量にある仕事をいかに処理するかは、仕事の性質を分類して優先順位をたて、緊急性のある仕事は溜めこまず、すぐやる癖をつけることが大事ということを書い…

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1か月前
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仕事のコツ

 新人や転職して間もない人たちは、右も左もわからない状態なのだから、職場の環境に慣れるまでは、とにかく与えられた仕事を愚直にこなすことが重要である。へたに仕事の…

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1か月前
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書評「高校生のための経済学入門【新版】」ちくま新書

 普段は高校生に数学や英語を教えており、政治経済を教えることはないのだが、小論文を指導することもあり、高校生のなまの知識に触れることがある。  高校生にも千差万…

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1か月前
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国債の償還について

 2024年3月28日に令和6年度の予算案が参議院本会議で可決成立した。  一般会計の総額が112兆円で歳入に占める国債の割合は特例公債、建設公債あわせて31.2%、額にして約…

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1か月前
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同性婚の是非~札幌高裁令和6年3月14日判決を素材にして

一はじめに 同性婚の是非については、以前にも書いたことがある。どちらかというと民法739条や戸籍法74条の規定を憲法24条違反とするのは先鋭的な意見で地裁レベル…

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1か月前
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マイナス金利解除と経済成長

 欧米ではインフレによる景気の過熱を抑制するために金利を上昇させる政策が行われている。  翻って我が国日本では先日やっと日銀がマイナス金利を解除するとの声明をだ…

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1か月前
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景気に対する消費税の影響について

1はじめに  ふつうに考えると、消費税を課すことで商品やサービスの値段が10%上がっているわけだから、消費者は購入に躊躇するものと思える。したがって消費は抑制さ…

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2か月前
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書評 「腐敗する法の番人」 鮎川潤著

一 大川原化工機事件という冤罪事件は特異な事件である。検察庁が第1回公判期日直前に公訴取消を行ったこと。それに続く国家賠償訴訟では、捜査した警視庁公安部の捜査官…

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2か月前
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観光業の生産性について考えてみると、日本経済の実像が見えてきたという話

教え子と小論文のテーマについて話していたらおもしろい授業ができたので、紹介したいと思います。 ある日、生徒が「先生、コロナが明けて外国から観光客が増えているそう…

naoki0921
2か月前
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選択的夫婦別姓訴訟( 最高裁大法廷判決令和3年6月23日)における立法裁量論に対する批判

https://www.courts.go.jp/app/files/hanrei_jp/412/090412_hanrei.pdf

一 立法裁量論とは

 いわゆる立法裁量論である。立法裁量論とは、憲法訴訟において裁判所が国会の立法行為を尊重し、自らが判断するのを控えて、当該行為を合憲とするべきである範囲が存在するという法理をいう。
 
 三権分立の観点から立法権は国会に属するため、国会には立

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財務省の公債依存の問題点の指摘について考えてみる。

一 問題の所在
財務省のHPを見てみると、公債負担の問題点が指摘されている。
整理すると以下の点にあるようだ。

https://www.mof.go.jp/policy/budget/fiscal_condition/related_data/202110_02.pdf

①我が国では、社会保障の受益と負担の均衡がとれていない。
②現在の世代が自分たちのために財政支出を行えば、将来世代に重いツケ

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独立開業で失敗する人、成功する人。

一 はじめに

2009年に独立したので、独立開業してからはや15年。よくぞ続いたなと自分でも思うけど、とても気になる記事を見つけたので、書いてみたいと思いました。引用している記事にあるようなパターンだと高い確率で失敗しそうだなと思います。

二 開業前に気を付けておくこと、やってはいけない6つのこと

独立開業するときに気を付けないといけないことはたくさんあります。
以下の項目に該当しないように

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『「失敗」の経済政策史 川北隆雄著』 講談社現代新書

一 はじめに

 2014年6月18日初版なので、1990年代のバブル崩壊時、1997年の金融恐慌、2000年代の小泉改革の是非、2012年からのアベノミクス前半の金融緩和税策の是非について検討が加えられている。

 1997年に消費税率を3%から5%に上げ、特別減税廃止と公的医療保険料の引上げも含めて9兆円の増税を実施した。その結果どうなったか。

 景気が腰折れして金融不安が高まり、三洋証券、

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対GDP比政府債務残高258%の日本ではなく106%の英国政府で財政の信認が問われたのか~トラス政権経済政策の教訓

1 はじめに

 英国のリズ・トラスが2022年9月の就任からわずか1か月半で、辞意表明に追い込まれたのは記憶に新しい。経済失策をきっかけに市場、与党、国民の信頼を失い、求心力低下に歯止めがかからなかった。
 トラス首相が採用した経済政策とは、大型減税策だった。しかし大型減税による国債増発が嫌気され、金融市場では英国の通貨・債券・株が大幅に売られたのである。

 でも、おかしくない?

 日本の政

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読後感想「財務省と政治」清水真人著

初版が2015年9月25日だから、55年体制が崩壊し自民党が下野して1993年に細川政権が誕生した前後から第二次安倍政権が発足して3年目ぐらいの2015年までの財務省と政治との関りあいを描いている。

 コロナ対策のために巨額の国債を発行しても、国債の消化に困ることもなく極端なインフレも発生しなかった現在の地点から眺めてみると、なぜあれほど財務省が財源にこだわっているのかはいまだに理解できない。

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仕事のコツ part3~学力と仕事の相関関係

大量の仕事をこなすには・・・。

仕事をため込まないためには

 学力と仕事の出来不出来の相関関係があるのかというテーマは時折話題になる。仕事の内容にもよると思うが、私は相関関係があるように思う。
 確かに、営業など、コミュニケーション能力などが必要とされる仕事はあまり学力と関係がないのかもしれないが、事務処理能力を問われるような仕事内容に関しては、学力が高い人たちは事務処理能力も高いように思われ

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仕事のコツ part2

 目の前にある大量にある仕事をいかに処理するかは、仕事の性質を分類して優先順位をたて、緊急性のある仕事は溜めこまず、すぐやる癖をつけることが大事ということを書いた。

 それでも仕事がすぐに溜まってしまうという人はいると思う。この人たちに共通して言えるのは、先読みができていないということだ。

 対象となる仕事とリアルタイムで並行しながら仕事をしていると、仕事が溜まりやすい。生じたトラブルを後追い

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仕事のコツ

 新人や転職して間もない人たちは、右も左もわからない状態なのだから、職場の環境に慣れるまでは、とにかく与えられた仕事を愚直にこなすことが重要である。へたに仕事の効率性を追求すると失敗するのがおちなので、とりあえず目の前の仕事をこなしていくのが無難だと思う。

 
 問題は職場に慣れた人たちである。上司や同僚に頼られる存在になれば、仕事の量は幾何級数的に増えていく。幾何級数的に増えた仕事をいかにうま

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書評「高校生のための経済学入門【新版】」ちくま新書

 普段は高校生に数学や英語を教えており、政治経済を教えることはないのだが、小論文を指導することもあり、高校生のなまの知識に触れることがある。
 高校生にも千差万別あり、本書を手に取るような高校生はほんとうに経済に興味がある生徒だろう。多くは経済学とは何かをよくわからないまま、経済学部や経営学部、商学部に進学しているように思う。

 著者の小塩隆士氏は立命館大学、東京学芸大学、神戸大学、一橋大学で教

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国債の償還について

 2024年3月28日に令和6年度の予算案が参議院本会議で可決成立した。
 一般会計の総額が112兆円で歳入に占める国債の割合は特例公債、建設公債あわせて31.2%、額にして約35兆円である。
 一方歳出に占める国債費の割合は24.1%で額にすると約27兆円になる。

歳出のほぼ4分の1が国の借金の返済に充てられ、2024年度予算の一般会計では、社会保障費と地方交付税交付金、国債費の3つの経費が歳

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同性婚の是非~札幌高裁令和6年3月14日判決を素材にして

一はじめに 同性婚の是非については、以前にも書いたことがある。どちらかというと民法739条や戸籍法74条の規定を憲法24条違反とするのは先鋭的な意見で地裁レベルでは一切認められていないし、比較的リベラルな人たちが多い憲法学者の中でもおそらく少数意見だと思われる。
 

 ところが、札幌高裁は真正面から24条と向き合い、文理解釈によらず合目的的に文言を解釈して、「両性」を当事者と解釈しなおして民法・

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マイナス金利解除と経済成長

 欧米ではインフレによる景気の過熱を抑制するために金利を上昇させる政策が行われている。
 翻って我が国日本では先日やっと日銀がマイナス金利を解除するとの声明をだしたものの金融緩和は続けるという。

金利を上げるのかい?上げないのかい?どっちなんだい?

植田総裁の発言を受けて、株高、円安に反応しているので、市場は、日銀が金利を上げないと判断したようだ。

賃上げと物価の好循環の見通しがついたと日銀

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景気に対する消費税の影響について

1はじめに
 ふつうに考えると、消費税を課すことで商品やサービスの値段が10%上がっているわけだから、消費者は購入に躊躇するものと思える。したがって消費は抑制されるように思われる。どうしても必要な生活必需品にしても、類似の商品・サービスがあれば少しでも安い方に流れるようにも思う。そうすると、類似の商品・サービス間では価格競争になりやすい。インターネットが発達した現代では、商品価格を比較するのはたや

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書評 「腐敗する法の番人」 鮎川潤著

一 大川原化工機事件という冤罪事件は特異な事件である。検察庁が第1回公判期日直前に公訴取消を行ったこと。それに続く国家賠償訴訟では、捜査した警視庁公安部の捜査官が事件を「捏造ですね」と証言したこと。そして、NHKが詳細な事件の概要を報道するに及んで、警察、検察のあり方に強い疑念を抱かせる事件となった。
 かつて、検察庁は、大阪地検特捜部において前代未聞の証拠偽造をともなう冤罪事件を発生させ、社会か

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観光業の生産性について考えてみると、日本経済の実像が見えてきたという話

教え子と小論文のテーマについて話していたらおもしろい授業ができたので、紹介したいと思います。

ある日、生徒が「先生、コロナが明けて外国から観光客が増えているそうなのですが、日本の観光業の生産性は低いっていう話を聞きました。どういうことなんですか?」と質問してきました。

私「生産性の意味はわかる?」

生徒「う~ん?」

生産性という言葉だけではあいまいなので、議論を始める場合、まず生産性の定義

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