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今月のイチオシnoteクリエーター

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月末に1名、これぞ!というnoteクリエーターさんを表彰して1000円サポート&紹介するコーナーの候補作と受賞作たち。 心を揺さぶる名作として、世に広めたい!と思わされたnot… もっと読む
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#恋愛

君にいいことがあるように

君にいいことがあるように

君にいいことがあるように 今日は赤いストローさしてあげる

最近、スタバのトールサイズを飲みきるのがギリギリになってきた。ホットにすれば良かったかなあ、と思いながら、緑色のストローでぐるぐるかき回してみる。頭の中ではaikoの「ストロー」が延々と流れている。「赤いストロー」と「君のしあわせ」の関係性についてぼんやり考える。

◇◇

17歳のちょうど今の季節、部屋にこもって夜な夜なマフラーを編ん

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消えない泡 #あの夏に乾杯

消えない泡 #あの夏に乾杯

北の夏は短い。

盆だというのに吹き込む夜風は涼しく、虫の声も秋を感じさせる。リビングの窓の網戸には、大きな黒い虫が張り付いて離れない。蛍光灯の光に引き寄せられてか、夕飯のカスがこびりついた皿の山に用があってか。

「おい」

テレビの前の父親に目を向ける。むっくりとした猫背のラインに、グレーのTシャツがぴったり張り付いている。野球観戦後そのままのチャンネルで垂れ流されるCMでは、最近人気の俳優が

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明日晴れるかな

明日晴れるかな

物心がついてから、描く絵はいつも夕方だった。

きっと両親は今でも、水色を嫌いだと思っている。
一度も使わなかったから。

でも本当は1番好きな色。

新しいものを手に入れると、すぐに無くなった時のことを想像してしまう。
短くなるのも、折れてしまうのも怖くて、だったら使わないを選んだ。



お付き合いをしても、一緒に暮らしても、いつだって終わりを想像してしまう。

「タバコのにおい嫌いなんだよ

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あなたとまた、ふたりで。

あなたとまた、ふたりで。

「恋の始まりは、オオゼキでした。」

30歳もとっくに過ぎ、周りの人たちが次々と結婚していく中、私は少し焦っていた。女ばかりの職場で出会いもなく、好きなアイドルに夢中で結婚とは程遠い。
そろそろアラサーとも呼べないお年頃だし、そりゃ焦りだって出てくるってなもんで。

ランチ後の満腹眠気と闘いながらパソコンの数字とにらめっこしていると、ポケットの中でケータイが震えた。昼間に連絡してくるのはようこだな

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1年遅かったの

1年遅かったの

子どもの頃からいつも、頑張る理由は不純な下心。
テストで100点をとったら親にゲームを買ってもらえるかなとか、サッカーが上手くなったら女の子にモテそうだなとか。自分の成長の為だとか夢を叶える為だとか、立派な理由で頑張れたことは一度も無い。
それは社会人になって大人と呼ばれるようになってからも、変われなかった。

社会人1年目、営業に配属された。
特別に苦手なことは無いけど、特別に得意なことも無い。

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わたしも「かわいい」の武器が欲しかった

わたしはこのnoteの他にTwitterをずっと続けている。

いつから始めただろう。

確か大学生の頃に初めてスマホを手にした時だった気がする。最初は仲の良い友達と繋がるためだけに始めた。

けどわたしがその友達だけの繋がりがあるTwitterに飽きるのに時間はかからなかった。

みんなのTwitterはつまらなかった。

当然わたしのTwitterのつぶやきは面白かったかと言われればそんなこと

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