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○○年前の自分へのアドバイス

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店舗設計を仕事にして10年超え。就職、独立、結婚、育児。人生中盤スタート地点、キャリアも中堅を迎えた今だからこそ伝えたい、昔の自分へのアドバイス。
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2019年11月の記事一覧

「食の仕事」に就きたい人に

「食の仕事」に就きたい人に

2021年春に大学を卒業する、現在3年生の方々の

いわゆる就活が本格味を帯びてくる頃だそうです。
インターンとかOG・OB訪問だとか、志望書類記入だとか、
自分が何をやりたいのかもぼんやりしてる時に
「就活なんてする気になれないよ」という方も多いんじゃないでしょうか。

超売り手市場と呼ばれる昨今ですが、
企業だって昔とはもう、スタンスが違います。
「まったくのウブな新卒者を受け入れて育てたい」

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インターネットを不幸にする3つのコンテンツ

インターネットを不幸にする3つのコンテンツ

1年ほど前に、「インターネットを幸せにする3つのコンテンツ」というnoteを書きました。

これはわりと真理をついていると思っていて、要約すると以下の3つがだいじです。

「あなたの代わりに調べておきました」
「あなたの代わりに狂っておきました」
「あなたの代わりに代弁しました」

この3つは、善意や賛意の再生産を促すので、結果的にインターネットが平和で便利でおもしろい方向へと進む...と僕は思っ

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「おれ、ソムリエだから」

「おれ、ソムリエだから」

「おれ、ソムリエだから」

この言葉が死ぬほど嫌い。
そして誤解を恐れずに言うと僕は「ソムリエがめちゃくちゃ嫌い」だ。

今、ソムリエ試験にチャレンジ中の人もいると思う。
仕事しながら必死で勉強して、ドキドキしながら3次審査まで受けて、見事合格したら、金色のソムエリエバッジが届く。

とても誇らしい瞬間だし、その瞬間から「おれ(私)、ソムリエ」と堂々と名乗っていい。
努力したことは当然誇っていいし

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「教えようとする人」から学ぶのではなく

「教えようとする人」から学ぶのではなく

昨日、designshipという
でかいプレゼン大会みたいなところに登壇しつつ
いろんな人の話も(ごく一部ですが)聞いたんですが

「〇〇人材が求められている
 だから○○を学ぶべき!」

というお話をする方が、結構いる。

もちろん、素晴らしいお話だと思うんですけど
これ、合う人もいるけど
まっったく合わない人もいると思うんですよね。

とくに僕みたいに「お勉強」ができなかった人には
全くマッチ

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ビジネス、テクノロジー、クリエイティヴの バランスをとるには?

ビジネス、テクノロジー、クリエイティヴの バランスをとるには?

Line Developer Day 2019にて、「ビジネス、テクノロジー、クリエイティヴの バランスをとるには?」という発表をしました。そのスライドや補足など。

この登壇では、下記のようなことについて話させていただきました。

・ビジネス、テクノロジー、クリエイティブ視点で、経営レイヤーからどうバランスをとり連携していくか?
・定性的な判断、定量的な判断、その両者のバランスをどうとるか?

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一見ムダに見える「エビフライの尻尾」がクリエイティブにおいては大切だという話

一見ムダに見える「エビフライの尻尾」がクリエイティブにおいては大切だという話

もう10年以上前になるが、あるクライアントのために20分ほどのショートフィルムを作ったことがある。

ネット上に限定的に公開する動画で、専門用語で言うなら「ブランデッド・エンターテインメント」というジャンルのものだ。

ニューヨークのクリエイターたちと組んでの制作で、その総合ディレクションを担当した。ストーリーから演出、編集までかなり踏み込んでディレクションする役割だ。

真冬の軽井沢とチェコでロ

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夢の話

夢の話

風邪を引いた。数年前にイギリスで買った、大きすぎる、派手すぎるカプセルを飲んでいる。わたしが薬をデザインするとしても、赤と緑のツートーンにはしないだろうな……と思いながら、箱に書いてある半量を飲んでいる(あまりにもカプセルが大きすぎるのだ)。

なんで風邪を引いたのか。考えても仕方ないことだけれど、もしかしたら数日前、木枯らしの吹く代々木公園で話し込んでいたからかもしれない。晴れていたけれど、あの

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失敗こそクリエイション<超抜粋版> Designship2019、前日

失敗こそクリエイション<超抜粋版> Designship2019、前日

2019年11月23日(土)に行われるDesignship2019の、登壇スライドの超抜粋版を先立って公開します。今回のDesignshipコンセプトは「ストーリー」ということで、全編にわたる個人的なストーリーに絡む部分は当日のお楽しみに残しておきます。

※完全版を公開しました。こちらから。

今回のトークでは「とりあえず形にすること」と「失敗を予期する」ことの2つの視点から、失敗と上手く付き合

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料理するように書けばいい

料理するように書けばいい

サラリーマンであることを辞めてもうすぐ2ヶ月。
徐々に、新しい暮らしに慣れつつあります。
この間、

私の“売り物”とは何なんだろうと、ずっと考え続けてきました。

「わたし商店」に並ぶ品揃えはまだ充実してはおらず、
文章、イベント企画、撮影手配、キャッチコピーやネーミング、人選・店選びなど
ご注文いただく内容も様々(というかバラバラ。とってもうれしいことですが)。

いっそ何かの専門店にしたほう

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狂った奴がいないと文化なんか守れないでしょ

狂った奴がいないと文化なんか守れないでしょ

「申し訳ありません、ぼくの力不足です。

ぼくがこのままこの店のトップでいるならば、20人全員があがる(退職する)と言っています。
そうすると店が運営できなくなります、終わってしまう。

だから、ぼくが身を引こうと思います」。

そう告げてきた若きシェフに向かい、師匠である世界的グランシェフはこう答えた。

「いまキッチンに戻って、もう一度話をして来い。それで全員辞めるなら、それでいい。
お前ひと

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「伝えたい人がいるなら、嘘を書いていいいのか」という話

「伝えたい人がいるなら、嘘を書いていいいのか」という話

 先日、立て続けに某地方国立大学でゼミ生さんや医学部生の皆さん相手にデータと社会問題について話をしてきました。といっても、私が何かを教えるというよりは、彼らが日常(授業やゼミ、研究など)にて困っているデータの扱い方についてアドバイスをする、という内容だったわけですが、そこでドクターを目指す紳士淑女との宴会の席で以下記事が話題になっておりました。

 佐藤尚之さんは決して誰かを騙す人ではないし、何か

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年齢じゃない、誰もが世界に責任がある

年齢じゃない、誰もが世界に責任がある

先日、メキシコのクルナカンという町でもの凄く悲しい事件があった。私はアメリカに住んでいるのだけれど、トランプ大統領の作らせている国境沿いの壁を容認することになるからなのか、あるいはアメリカの中に沢山利益を得ている人達がいるからなのか分からなかったが、この事件は通常メディアで報道されなかった。

そのニュースにすら出てこないという異常さは、私には恐ろしく根が深い暗さとして感じられるのだ。日本でも殆ど

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料理人時代の失敗とその対応。

料理人時代の失敗とその対応。

グランメゾン東京がかなり盛り上がっていますが(個人的に)かなりレストランを細かく再現しているドラマだと料理人の僕でも感じます。

材料が足りない、仕込みが間に合わない、人がいなくなる、ゲストが来ないなどなど永遠にトラブルが起こります。これは人生も同じかもしれません(特に僕は)

グランメゾン東京第3話ではスタッフが急にいなくなり仕込みが終わっていませんでした。

同じ様な修羅場はいくつもありますの

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バー経営で血反吐はいた話

バー経営で血反吐はいた話

こんにちは。
実家が全焼したサノと申します。

僕は、大学卒業後から
ちょっと前までバーを経営していました。

バー経営をはじめた1番の理由は、
早起きが苦手だったからです。

サラリーマンだと
毎朝会社に行かないといけませんが、
バーだったら夕方まで寝られそうだと思い、
始めました。

そしてなぜ「経営」を選んだのかというと、
誰かに雇っていただいたとしても、
与えられた作業をきちんとこ

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