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人生の不条理について
人は現在への嫌悪と、未来への憧憬を糧に生きることができる。
しかし、この社会を生きる数多くの人々は、「今は苦しいが、未来はきっと楽になるだろう」と自分自身に対して暗示を掛け、現在の苦しみを耐え忍んでいる。
人間の苦悩や苦痛は耐え難く、未来に対して希望を見い出す先送りにより、人は現在の辛い状況を乗り越えることができる。
我々の生きる世界は古今東西に渡って残酷かつ不条理であり、道理に合わない冷酷
Severeness for Austic people
I'll write about severeness for Austic people in English. Autism is common developmental disabilities for academic subject and there are approximately 800 million diagnosis people in the world.
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マルクス・アウレリウスの「自省録」
「自省録」の主観について
マルクス・アウレリウスはプラトンが理想とした哲人君主が唯一実現した例である。彼の著書である「自省録」には自身の内省や思索の数々が散りばめられている。わたし自身も彼の言葉に助けられたし、二千年前のローマ皇帝という時代も立場も何もかもが違う人間の言葉がここまで響くのは何故だろう。「自省録」は彼の断片的な言葉で占められており、他人に公開されることを想定して書かれた文章ではない
言葉にならない美しさ
渡辺歩監督のアニメ映画「海獣の子供」のキャッチフレーズは「大切なことは言葉にならない」である。そのフレーズを象徴するかのように、映画の脚本や演出は言語の直接的な表現が明確でなく、殆どが抽象的なメタファーで占められている。
映画の大衆性と芸術性という二つのバランスの均衡において、この映画は偏っているかもしれない。しかし、キャラクターの口から淡々と語られる形而上学的な台詞は、観客を深い哲学的思考の深
和の精神と「やわらぎ」
「和の精神」に代表される、日本の精神文化を表す漢字一文字といえば、「和」である。「和」という字は、平和とか和親とか調和とか「ものごとの区別が曖昧」な意義で解される。それが元となり、日本人の精神性・建築様式・自分と他人との関係・は「調和」に重点がおかれるのだろう。
ところがふと、この「和」という語は「やわらぎ」と読んでもよいのではないかと時折考えるのである。その「やわらぎ」は一つの日本人の心持ちの
宇多田ヒカルの「Deep river」に潜む不条理と輪廻転生
私は「宇多田ヒカルのDeep riverに潜む無常観」という題で前回の記事を記した。今回は、上記の通り「不条理」と「輪廻転生」のテーマを、遠藤周作氏「深い河」の解題を基に考察する。「輪廻転生」については前回で少し触れた。この解題についてのモデルは、「深い河」の主人公の一人である「磯部」のストーリーから引用されている。そこで、考察する前提として、彼の境遇を照らし合わせ、その上で歌詞と照合させることを
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