Suisho

好きなもの:哲学、数学、数学基礎論、論理学、コンピュータ、経済学、歴史、文芸批評、マン…

Suisho

好きなもの:哲学、数学、数学基礎論、論理学、コンピュータ、経済学、歴史、文芸批評、マンガ、ラノベ、アニメ、ゲーム

記事一覧

有限回の検証しかされていない仮説が、普遍性を称することはできない。それは、僭称である。

Suisho
15時間前

私は、本が読めない、あるいは、哲学書を読んでよかったとおもうこと

本が読める人は、なぜ自分が、本が読めてしまうのかを、疑ったほうがよいのではないか。 「あなたは、なぜ、その本が読めるのか?」 「あなたは、ほんとうに、その本を読め…

Suisho
4日前
1

自然科学の宗教性、また、論文を書くことと、小説を書くこと

「自然科学の命題は、反証されない限りは、たんなる宗教的信仰であるにすぎない。」 このことは、例えば、朝、私が通勤に自動車を運転しているとき、その自動車の内燃機関…

Suisho
5日前
2

系の内部で生じる意味
系の内部で生じる意味は、系の外部から見ると、無意味である。
この世界が閉じているならば、世界の外から見て、この世界の内部のことは、無意味である。

Suisho
1か月前

太陽が西から昇ってくる

遠い昔、学生時代に、こんな話を友人にしたことがある。 宇宙の法則が、次の2通りのうち、どちらかだったとする。 (A)いつも、太陽が東から昇る。 (B)本日(2024年3…

Suisho
2か月前
4

私の推論が妥当であることを、どうやって検証するのか

以下は、私が行っている、私自身の推論が、果たして妥当に行われているか否かを、どうやって検証するか、その方法について、検討したものです。 (1)私が考えたこと 私…

Suisho
2か月前
1

隣にある深淵と、いくつかの断片

下記の(1)に対する注釈としてのリンク マルクスの周縁に見た可能性の中心:私の謎 柄谷行人回想録⑫|じんぶん堂 (asahi.com) (1)商品の価値は、商品に内在してい…

Suisho
2か月前

近代自然科学における感性の優位

前に書いた記事「理性と思弁の堂々めぐり、そして2つの切断」では、最後に本居宣長と「もののあはれを知る」について、少し取り上げました。 理論と思弁の堂々めぐり、そ…

Suisho
3か月前
8

理論と思弁の堂々めぐり、そして2つの切断

今回の参考文献は、以下のとおりです。 ちくま学芸文庫『柄谷行人講演集成1985-1988言葉と悲劇』所収の講演「江戸の注釈学と現在」 この講演録を読んで、そこに書いてあっ…

Suisho
3か月前
2

実数と無理数、そして超越性のこと

こういう題名だと、超越数($${e}$$とか$${\pi}$$とか)の話かと思う方もいると思うのですが、(たぶん、いやかなり:…ちょっと自信がなくなってきますが、自分でも、いつ…

Suisho
4か月前
7

実数が、非実在的であるように思うこと

このごろは、指数関数$${e^x}$$について、あれこれと考えています。 私の数学の理解は、高等学校レベル(数学III:微分と積分)程度で、大学レベルの数学は、例えば、集合…

Suisho
4か月前
15

世界は、本当に、「不可解」なのだろうか

とても有名な事件なのですが、先日、このようなWeb記事を読みました。 【華厳滝に身を投げた夏目漱石の教え子】 藤村操とは ~遺書「巌頭之感」 - 草の実堂 (kusanomido.c…

Suisho
5か月前
36

数学を無矛盾にしてしまうこと(適当)

ちょっと、思いついて、その思い付きを無にしてしまうことが、なんだかできないので。それで書きます。とても、つまらない話ですが。 ウィキペディアの項目: ゲーデルの…

Suisho
5か月前
18

一般連続体仮説の独立性証明、ベルの不等式の破れ、及び真偽の確定できない「命題」、存在の確定できない「実在」について

今日は、よく分かっていないことを書きます。(いつもそうですが)。 参考にしたのは、Wikipediaの次の項目です。 クルト・ゲーデル - Wikipedia それから、日経サイエン…

Suisho
6か月前
7

セル・オートマトンモデルと物理的宇宙の記述について(AIに聞いてみた)

今回の参考文献は、以下のとおりです。 ・ウィリアム・パウンドストーン「ライフゲイムの宇宙」日本評論社 ・上野修「デカルト、ホッブズ、スピノザ 哲学する十七世紀」講…

Suisho
10か月前
3

いわゆる「ケンブリッジ資本論争」について

(1)はじめに 以下の議論の前に、次の本を読んでいることを記しておく。 柄谷行人「力と交換様式」(岩波書店、2022年) (2)いわゆる「ケンブリッジ資本論争」につい…

Suisho
1年前
2

有限回の検証しかされていない仮説が、普遍性を称することはできない。それは、僭称である。

私は、本が読めない、あるいは、哲学書を読んでよかったとおもうこと

私は、本が読めない、あるいは、哲学書を読んでよかったとおもうこと

本が読める人は、なぜ自分が、本が読めてしまうのかを、疑ったほうがよいのではないか。
「あなたは、なぜ、その本が読めるのか?」
「あなたは、ほんとうに、その本を読めているのか?」

私は、本が読めない。一文一文が、それどころか、一語一語に、違和感を感じてしまう。だから、進まない。一日中かけて、1ページも、進まない。

哲学書を読んでよかったと思うことは、常に挫折を繰り返していくこと、常に挫折を繰り返

もっとみる
自然科学の宗教性、また、論文を書くことと、小説を書くこと

自然科学の宗教性、また、論文を書くことと、小説を書くこと

「自然科学の命題は、反証されない限りは、たんなる宗教的信仰であるにすぎない。」

このことは、例えば、朝、私が通勤に自動車を運転しているとき、その自動車の内燃機関が、熱力学の法則を、「正しいものとして」検証し続けている(そして、反証しない)ことによって、さらに、私自身の「熱力学の法則」に対する宗教的信仰が強まっている、ということになる。

同じように、仕事中に、ノートパソコンを使用しているときも、

もっとみる

系の内部で生じる意味
系の内部で生じる意味は、系の外部から見ると、無意味である。
この世界が閉じているならば、世界の外から見て、この世界の内部のことは、無意味である。

太陽が西から昇ってくる

太陽が西から昇ってくる

遠い昔、学生時代に、こんな話を友人にしたことがある。

宇宙の法則が、次の2通りのうち、どちらかだったとする。
(A)いつも、太陽が東から昇る。
(B)本日(2024年3月7日)の朝までは、太陽が東から昇る。明日(2024年3月8日)からは、太陽が西から昇る。

さて、本日現在が2024年3月7日の昼だとして、(A)と(B)の2通りの法則のどちらが正しいか、判別できるだろうか?

本日現在が、3

もっとみる
私の推論が妥当であることを、どうやって検証するのか

私の推論が妥当であることを、どうやって検証するのか

以下は、私が行っている、私自身の推論が、果たして妥当に行われているか否かを、どうやって検証するか、その方法について、検討したものです。

(1)私が考えたこと
私の推論が妥当であることを、私自身が検証する場合を考える。その際、私自身が、正気であるのか、それとも、そうでないのかを、あらかじめ確定できない。仮に、私が正気でないとして、その私が行った判断が、適当であると言える保証はない。私が行った判断の

もっとみる
隣にある深淵と、いくつかの断片

隣にある深淵と、いくつかの断片

下記の(1)に対する注釈としてのリンク
マルクスの周縁に見た可能性の中心:私の謎 柄谷行人回想録⑫|じんぶん堂 (asahi.com)

(1)商品の価値は、商品に内在していないのと同じように、言葉の意味は、言葉に内在しておらず、同様に、個人のアイデンティティは、個人に内在していない。それらは、交換、または交通の中で、生じる。

下記の(2)に対する注釈とは言えないリンク
最終審級と言説の政治 -

もっとみる
近代自然科学における感性の優位

近代自然科学における感性の優位

前に書いた記事「理性と思弁の堂々めぐり、そして2つの切断」では、最後に本居宣長と「もののあはれを知る」について、少し取り上げました。
理論と思弁の堂々めぐり、そして2つの切断|Suisho (note.com)
そこで、知・意・情の3領域(理性・道徳性・感性)のうち、情(感性)の領域が特権化されて取り出されること、それが文学の擁護につながることを書きました。ここで、文学というのは、近代文学(特に小

もっとみる
理論と思弁の堂々めぐり、そして2つの切断

理論と思弁の堂々めぐり、そして2つの切断

今回の参考文献は、以下のとおりです。
ちくま学芸文庫『柄谷行人講演集成1985-1988言葉と悲劇』所収の講演「江戸の注釈学と現在」
この講演録を読んで、そこに書いてあったことを元に、以下の話を組み立てていきます。

朱子学の理論体系(あるいは、トマス=アクィナスの神学体系)においては、それが理論体系である以上、特権的な個人というものは出てこない。必要ない。少し言い換えて、およそ理論体系というもの

もっとみる
実数と無理数、そして超越性のこと

実数と無理数、そして超越性のこと

こういう題名だと、超越数($${e}$$とか$${\pi}$$とか)の話かと思う方もいると思うのですが、(たぶん、いやかなり:…ちょっと自信がなくなってきますが、自分でも、いつもながら良くわからないことを書いているので)違うのでご注意ください。

さて、今回も次のリンク先(PDFファイル)の冒頭部分を参照しています。
【指数関数の定義について】http://takeno.iee.niit.ac.j

もっとみる
実数が、非実在的であるように思うこと

実数が、非実在的であるように思うこと

このごろは、指数関数$${e^x}$$について、あれこれと考えています。

私の数学の理解は、高等学校レベル(数学III:微分と積分)程度で、大学レベルの数学は、例えば、集合論の入門書を読んで、何度も挫折しているような感じで、ほとんど理解できていない状態です。けれども、数学というものも、哲学の本を読むのと同じように、挫折を繰り返しながらも、少しづつ理解が深まっていくのかもしれない、と最近は思うよう

もっとみる
世界は、本当に、「不可解」なのだろうか

世界は、本当に、「不可解」なのだろうか

とても有名な事件なのですが、先日、このようなWeb記事を読みました。

【華厳滝に身を投げた夏目漱石の教え子】 藤村操とは ~遺書「巌頭之感」 - 草の実堂 (kusanomido.com)

これを読んでいて、とても興味をひかれた記事でしたので、少し、このことから思いついたことを書いてみます。

明治36年(1903年)に16歳で華厳の滝に投身した藤村操の残した遺書「巌頭之感(がんとうのかん)」

もっとみる
数学を無矛盾にしてしまうこと(適当)

数学を無矛盾にしてしまうこと(適当)

ちょっと、思いついて、その思い付きを無にしてしまうことが、なんだかできないので。それで書きます。とても、つまらない話ですが。

ウィキペディアの項目:
ゲーデルの不完全性定理 - Wikipedia
からの引用:
「不完全性定理が示した不完全性とは、数学用語の意味での「特定の形式体系Pにおいて決定不能な命題の存在」であり、一般的な意味での「不完全性」とは無関係である。不完全性定理を踏まえても、数学

もっとみる
一般連続体仮説の独立性証明、ベルの不等式の破れ、及び真偽の確定できない「命題」、存在の確定できない「実在」について

一般連続体仮説の独立性証明、ベルの不等式の破れ、及び真偽の確定できない「命題」、存在の確定できない「実在」について

今日は、よく分かっていないことを書きます。(いつもそうですが)。

参考にしたのは、Wikipediaの次の項目です。
クルト・ゲーデル - Wikipedia
それから、日経サイエンスの2019年2月号を読んでいます。
最終決着「ベルの不等式」の破れの実験 - 日経サイエンス (nikkei-science.com)

「ZF公理系に選択公理を加えたもの(ZFC)と、(一般)連続体仮説は独立して

もっとみる
セル・オートマトンモデルと物理的宇宙の記述について(AIに聞いてみた)

セル・オートマトンモデルと物理的宇宙の記述について(AIに聞いてみた)

今回の参考文献は、以下のとおりです。
・ウィリアム・パウンドストーン「ライフゲイムの宇宙」日本評論社
・上野修「デカルト、ホッブズ、スピノザ 哲学する十七世紀」講談社学術文庫

いわゆる生成AI(人工知能・大規模言語モデル)に以下のように質問をしてみた。

【こちらから入力した質問】
ライフゲームのようなセル・オートマトンモデルによって、この物理的宇宙が記述できる可能性について、検討してください。

もっとみる
いわゆる「ケンブリッジ資本論争」について

いわゆる「ケンブリッジ資本論争」について

(1)はじめに
以下の議論の前に、次の本を読んでいることを記しておく。
柄谷行人「力と交換様式」(岩波書店、2022年)

(2)いわゆる「ケンブリッジ資本論争」について
インターネットで、「資本論争」を検索すると、以下の書評が出てきた。

https://www.jstage.jst.go.jp/article/jshet1963/46/46/46_46_136/_pdf/

この書評によると、

もっとみる