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記事一覧

「外」とは何か?分析哲学入門(パトナム、ブランダム、入不二基義)

※2024年度新歓発表原稿

序.「外」とは何か?

何かに閉じ込められている、という直感はごくありふれたものだろう。言葉に出来ない窒息感に苛まれた際、当然に、何をすれば私たちを閉じ込めているものから出ることが出来るのか、私たちはいかにして「外」に到達できるのかが問われることになる。「外」に触れたという決定的な体験をしたとしても後から振り返ればそれが本当に外であったのかは分からなくなってしまうから

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”心”の表層を剥がしていくと -中沢新一著『精神の考古学』をじっくり読む(2)

”心”の表層を剥がしていくと -中沢新一著『精神の考古学』をじっくり読む(2)

ひきつづき中沢新一氏の『精神の考古学』を読みつつ、ふと、松長有慶氏による『理趣経』(中公文庫)を手に取ってみる。かの理趣経、大楽金剛不空真実三摩耶経を、かの松長有慶氏が解説してくださる一冊である。

はじめの方にある松長氏の言葉が印象深い。

苦/楽
大/小

何気なく言葉を発したり思ったりする時、「その」言葉の反対、逆、その言葉”ではない”ことを、一体全体他のどの言葉に置き換えることができるのか

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Y=Mが分かると世界の真実が分かる

Y=Mが分かると世界の真実が分かる

アルフレッド・マーシャル(新古典派経済学の完成者で代表。1924年7月死去。ジョン・メイナード・ケインズの先生)という,ケンブリッジ大学で教授を務めたイギリスの経済学者がいた。
彼がM=kpY(Y=M)という数式を作った。
このY=Mは何なのかという事を解説する。
なぜなら,このY=Mが何なのか理解できれば,世界を動かすアメリカ経済学の欺しと,ソコから連なる今の日本の政治(政策)の間違いだけでなく

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【MBTI】S型とN型の違いについてgpt-4と議論してみた。

MBTIのS型とN型の違いについて、皆さんはちゃんと理解しているでしょうか。私は何となくしかわかっていません。S型のイメージ、N型のイメージが何となくあるだけです。

今回の記事は、ChatGPTと議論することでS型とN型の違いを明文化してみようという企画です。

まずは聞いてみる

私:MBTIでS型とN型の違いは何ですか。
GPT:MBTIにおいて、S型とN型の違いは、情報の受け取り方や処理方

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孔子曰く、ぶっ殺せ

孔子曰く、ぶっ殺せ

ぶっ殺せ。そんなビッチ。と孔子は言った。

俺は中国のそういう過激なところが好きだ。

俺は滋賀県の変な町で生まれ育った。その相貌は醜く、やせ衰え、つまるところガリガリだった。

なお悪いことに、メガネをかけていた。

オタクの人生は瞬速の光だ。女しか出ないアニメとか、女がみんなヒョロヒョロの主人公に恋をしているアニメとか、そんなのを見ていたら30歳になる。ピクシブのポルノや、erocoolの無料

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オブスキュア・ミュージックのススメ

オブスキュア・ミュージックのススメ

『オブスキュア(Obscure)』とは『あまり知られていない』『解しがたい』とかそういう意味ですが、音楽やアートの世界ではよく使われる言葉で日本でもここ数年はだいぶ通用するようになりました。『オブスキュア・ミュージック』というのは簡単に言えば『日の目を見なかった音楽』『無名な音楽』ということになります。

最近ではネットで新譜のサンプルも聴けますし、サブスクもあればYOUTUBE,bandcamp

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DariaCoreがヤバすぎるって話

DariaCoreがヤバすぎるって話

とりあえずまずはこれを聴いてみてほしい。

突然だが、ボクはFutureと名の付くジャンルが大好きだ。
キラキラとした感じ、Desktopならではな音づくり。
高揚感のあるシンセに適度にKawaii化されたVocalチョップ。
聴いているだけで気持ちよくなれる(個人の感想です)のが好きな理由。

だが、Dariacoreはどうだろう

開幕サンプリングの嵐、ところどころ入るドキっとさせるFill

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文学の意義、開かれた"読み"~『批評理論入門―『フランケンシュタイン』解剖講義』

文学の意義、開かれた"読み"~『批評理論入門―『フランケンシュタイン』解剖講義』

これは良かった。すごくよかった。小説を読む全員に、ぜひとも一冊ずつ持っていてほしい。

「批評理論」の格好の入門書文学作品の読解と批評の技法として発展を遂げてきた「批評理論」。この領域が本格的に産声を上げたのは18世紀末と、意外にも歴史は浅いのだが、現在に至るまで様々な理論が提出されており、素人にはややとっつきにくい。

本書は、そうした批評理論の全体像や、各理論の成立過程と概略を「批評史」として

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文芸・ジャーナリズム論系教員有志5名による文書についての見解

早稲田大学文化構想学部文芸・ジャーナリズム論系の専任教員5名の署名入りの文書(2019年7月17日付)が、文学学術院の教員レターボックスに配られています。

文書にはわたしと市川真人氏の実名が挙げられており、受け取った教員のかたたちからの問い合わせにより、その存在を知りました。

内容をあらためましたが、この文書には著しく偏った情報が記載されています。

文書で触れられている件については、すでに当

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骨太すぎて噛み切れない超重厚入門書~『メディア文化論』

骨太すぎて噛み切れない超重厚入門書~『メディア文化論』

と、それについての噛み心地の悪い考察。

メディア学こと始めかの有名なマクルーハン『メディア論』が読みたくて、その前準備として手に取った本書。入門書と銘打たれているのだが、騙されてはいけない。これがしっかりすごい本。

吉見 俊哉(有斐閣アルマ)

メディアの概要・本質理解から今日に至る発展の歴史的経緯・社会的背景に至るまで相当に濃厚で、関連する主要論文もしっかりと引きながら、学問領域としてのその

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