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マロン内藤のルーザー伝説(その15 予期せぬ展開)
幾多の試練を共に乗り越えてきたマロンと1976年製ポルシェ930ターボ(ター坊)であったが、その別れは出会い同様突然訪れた。それはポルシェセンターでの長期にわたるリフレッシュが完了し、晴れてター坊と水入らずのポルシェライフを満喫できると思っていた矢先の出来事であった。
ター坊が高速走行中空中分解したわけでもなく、失火により丸焼きになったわけでもない。ほかでもないマロンの側の事情によるものであった
マロン内藤のルーザー伝説(その14 厳寒の試練を乗り越える)
納車以来様々な機械系・電気系トラブルに見舞われ続けたター坊とマロンにとって、もう一つどうしても解決せねばならない第三の系統に属する重大な問題があった。それはター坊の体臭、つまり車内の異臭問題である。
油が揮発した、あるいは皮がカビた、そんな単純な臭いではない。これまでの人生で嗅いだことのない異臭がするのである。なんらかの揮発性有機化合物が車体のどこかに隠れされているのだろうか?窓を閉めて運転して
マロン内藤のルーザー伝説(その12 オオカミの皮を被った羊)
かくして1976年製ポルシェ930ターボ(通称ター坊)のリフレッシュ作業が正規ディーラーであるポルシェセンターにてスタートしたのであるが、重要部品の交換を含むこの作業は予想以上に困難を極めた。サービス部門の若きリーダーSさん率いる少数精鋭部隊によって、無料診断では見つからなかった不具合が次から次に発掘されたのである。それまで伝説の中だけの存在とされてきた古代エジプトの有力者と思われるミイラが区画整
もっとみるマロン内藤のルーザー伝説(その11 ター坊リフレッシュ始まる)
1976年製ポルシェ930ターボ(通称ター坊)の正規ディーラーによる無料診断結果の説明を受けるべく、わたくしマロンは些か敷居の高いポルシェセンターを再訪した。
高級外車ディーラーの雰囲気にふさわしい、凜としたたたずまいの受付嬢さんからまたしてもおいしいホットコーヒーを供してもらい、それがあくまでも職場のルールに則った業務フローであることを差し引いてもうれしい気持ちになっていたところにサービス部門
マロン内藤のルーザー伝説(その9 五人の負け犬)
晴れてメジャーデビューを飾ることになった日経トレンディー誌の負け犬企画には、5人の「負け犬」が紹介されていたと記憶している。
トップバッターの「負け犬」は、ダイハツコペンという軽オープンカーを駆って、毎週末各地の酒蔵を訪ねることをなによりの趣味とされている地方在住の独身男性であった。物静かであるがとても誠実なお人柄、日々の暮らしを一生懸命送られている様子が伝わってくるのであるが、誌面からは拭いき
マロン内藤のルーザー伝説(その8 マロンメジャーデビュー)
ター坊との馴れ初めから試練の日々を書き綴ってきたわけであるが、ここでやや視点を変え、わたくしマロンがメジャーデビューを果たした事案について紹介したい。
仲の良い仲間達と日夜自家発電的研鑽を積んでいたアマチュアバンドのWebサイトを作り、今から思えば相当程度活発に情報発信を行っていた頃の逸話である。私自身は日本のマッカートニーになるべく精進の日々を送っていたのであるが、バンドにおいても何故か私は稀