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読書より

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もっとも苦手だった読書。ひたすら読み、修行のごとく解読した。読んだことを忘れ、いまだ振り返り読書をしています。ただ、その読書は二度と忘れない「ボクだけの図書」として、生涯のアーカ… もっと読む
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記事一覧

余録と諏訪正人先生

余録と諏訪正人先生

 余録は毎日新聞朝刊1面の看板コラムです。▲で段落を区切り、日々の出来事・ニュースを多彩に評論する記事です。

 ボクは1980年頃から読み始めました。朝日新聞の天声人語にあたいする記事だ。予備校のとき、さんざテキストとなった天声人語と別れをつげた。また朝日新聞や読売新聞が世相の中心であったのにことへの若干の反発から毎日新聞に変えた。

 1面や3面記事は、概ねNHKのニュースで把握した。それへの

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新 青春の絆(長編サンプル)

新 青春の絆(長編サンプル)

【巻頭言】

「もしかぶれがいのしない空気で、知りばえのしない人間であったらお互いに不運としてあきらめるよりしかたがない」
(夏目漱石著「三四郎」解説より)

10日間限定投稿
原作はKindle Unlimitedで読めます。

著者 翡翠(かわせみ)
「青春の絆 リニューアル」

第一章 常磐木の落葉

2時限目の授業が終わる鐘、それは午前の終了と昼飯の二つの合図を同時に告げる。

常磐木が落

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📖に戻りました。かわせみ💎

📖に戻りました。かわせみ💎

 かわせみ✍️改め、かわせみ💎としてnoteに励みます。あらためて、よろしくお願いします。

 約半年間、こらむ🧢とエッセイ✍️に取り組みました。多くのテーマや考え方に触れることが出来ました。ほほ、毎日投稿をしてきました。

 おかげさまで、書くトレーニングは出来ました。しかし、続ける義務感に思考が固着していることに気がつきました。悪い意味で、"読まれたい"という意識が先行していることに気がつ

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吉村文学💎破獄

吉村文学💎破獄

佐久間、吉村先生一流の詳細な下調べと明快な時代背景を描きつつ語られた、前代未聞の脱獄囚の主人公。しかも、犯罪の重さをかき消すが如くの凶悪な脱獄囚である。
佐久間がそうなった訳を、著者は生い立ちと風貌のからなる後天的な人間形成過程と先天的な鋭い動物的な勘に求める。

佐久間の転機は、鈴江刑務所長との出会いにある。いや、鈴江が佐久間の飢えていることに気がついた。「愛情」である。鈴江は、反抗の盾に「愛情

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重松快作 「その日のまえに」

重松快作 「その日のまえに」

 去り行く昭和の残像を舞台に、淡々と語る妻の死と残された子供の有様。同世代の・同姓として、自分は次第に主人公と同一化してしまった。

 家庭内の話・心の内面の話・思い出という、今は実態のない話が多く、読み始めは「女々しい語り口」であると感じました。

 7つの短編を上手く組み合わせた本書は、立派な単行本に仕立てられている。縦軸に「命の話」・横軸に「時間の経過」と言う風に、変えない著者のスタンスは、

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三浦しをんに癒されて📕

三浦しをんに癒されて📕

若者と”しをん先生”の未来に期待

 一見、田舎駅前のラーメン屋の看板みたいな題名の直木賞作品です。その感想は、「世の中、そう捨てたものではない」といった感じ…。

 孤独で内向的な現代人の情は、貧困時のそれよりも荒れてはいないようだ。ちょっと安心しました。

劇画タッチであり少々…であるが、最後の一幕に感動しました。

若者と”しをん先生”の未来に期待します。

かわせみ💎

後に出版した「舟

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関西弁に癒されて👘

関西弁に癒されて👘

繊細に響く関西弁が、…

 ストーリーは、同性愛を導入口とし、晩年に孤独となってしまった悲しい女性の語りである。

 良家の生まれ・インテリジェンス・恵まれた家族環境にありがら、悪女:光子の虜となってしまう。

 その果て、光子の影にいる怪しい男と亭主との、まさに雁字搦めの卍となる。自身が開放された時には、亭主も光子も失っていた。

 その後ずっと女一人で、園子は生きて来たのでしょう。物悲しくとも

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男の友情の姿を確認した📘

男の友情の姿を確認した📘

達者でな!と…

 主人公ジャックは、すでに居ない。彼は、飲み仲間のど真ん中の骨壷に灰となって登場する。彼の遺言は、「おれが死んだら、マーゲイトからまいてくれ」だった。

 運転手は、義理の息子:ヴァンス、自動車屋を営む彼はベンツを用意した。同行する三人は、保険屋のレイ・八百屋のレイニー、そして葬儀屋のヴィックだ。4人はそれぞれの思いで、マーゲイトに向かう。

 車中それぞれに彼への思いに耽る。ま

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「若い詩人の肖像」について

「若い詩人の肖像」について

 本著作は、戦後の正統派文芸活動を全うした伊藤整の告白的自叙伝である。

 少年が青年となり成人となる道程とその心理的移ろいが、明確な散文体で描かれている。また、青年詩人から大人の作家への転進ぶりも読み取れます。

 伊藤整らの文学的功績は、藤村・朔太郎の時代と昭和から平成に生きる我等に橋渡しをしてるとさえも感じました。(伊藤と藤村とのエピソードも、ある意味その裏づけを感じました。)

伊藤整の場

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魯迅からの学び 覚書

魯迅からの学び 覚書

 サムネイルから、魯迅(敬称略)が1881年生まれと知った。魯迅は、医師から始まりいろいろな活躍をした。

 中でも、一番色あせていないのは思想だと思う。「地上の道」は、人類史に永遠に残る言葉と信じる。

 ここでは覚書として、手元に資料をそろえず、ただ魯迅への想いを書きすることにした。

 ボクが初めて魯迅の名を知ったのは、中学の国語に教科書です。その後、世界史にも現れたと記憶しています。ただ、

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ボクだけの図書館 

ボクだけの図書館 

蔵書は少ないが、災害にはあわない

 ボクが読書を始めたのは19歳の頃からだ。一時間半かけての予備校通いの時間を使ってスタートした。能力の低いボクは、かけ算7の段で躓くように、読書は後戻りしながらしかできなかった。今もそうだ。だから、一時間で30ページしか読めない。

 とは言え。その頃、知り合った才女との差を埋めるのは読書しかないと思った。その才女と一緒になることはできたが、なんらアカデミックの

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かわせみ💎読書考

かわせみ💎読書考

第一章 「読書とは」について

 小学校卒業の前に、担任の先生が本についての話をしてくださった。いまだに、正しい理解かどうかわからないが覚えている。

「みなさん、これからもたくさんの本を読んでください。読むだけ、読んで考える、読んで血や肉にしてください。
 本は、いろいろなことに役立ちます。また、悪いことを覚えてしまうこともある。また、悪いことを知ることで間違えを起こさない歯止めになります。

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