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思い出話

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思い出は 色と匂いと手触りと味と
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ムスコの四半世紀

ムスコの四半世紀

今年も残すところ後わずか、年が明けるとムスコの誕生日がやってきます。
1999年1月14日にムスコは生まれました。「誕生日が成人の日の前の日なんて覚えやすいね」なんて話したのを覚えています。残念ながらその翌年から成人の日は連休の構成要員として、日程をふらふら彷徨い始めました。それにしたって来年は1月8日って、ちょっとやりすぎじゃないですか。そんなに国民の正月休みを長くしてどうしますか。景気回復がた

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本日の発掘〜フーテン(永島慎二作)

本日の発掘〜フーテン(永島慎二作)

終活の一環として部屋を片付けている私、本日は古い本の中からこんなのを発掘しました。

フーテンというと寅さんを想い浮かべる人が多いでしょう。
でも私にとってはこれ。
永島慎二作「フーテン」。

瘋癲(フーテン)とは
1 精神の状態が正常でないこと。 また、その人。
2 通常の社会生活からはみ出して、ぶらぶらと日を送っている人。

昭和40年代、社会からはみ出してしまった若者たちが街にたむろし、ボ

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とある宇宙人からものの見方を教わった話

とある宇宙人からものの見方を教わった話

惑星探査機はやぶさがリュウグウから持ち帰った石や砂から、23種のアミノ酸が見つかった。その中にはタンパク質を構成するアミノ酸も含まれ、地球生命の材料が宇宙から到来したのではないかという説を補強する成果である。

というニュースを聞いて、宇宙つながりで子どものころに読んだSF小説を突然思い出しました。

タイトルも作者も不明。
小学校の高学年のころ学校の図書館で借りまくっていた、児童向けのSF全集の

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ムスコの名前〜名前の音が性格をつくる?

ムスコの名前〜名前の音が性格をつくる?

23年と半年ほど前。
私たち夫婦は、もうじきこの世に生まれ出るわが子の名前を考えていた。

全くの白紙からの共同プロジェクトである。
夫も私(当時)もデザインの仕事をしていたので、イメージプランを立てるのは慣れているはずなんだけど、こればっかりはどうすりゃいいのかわからない。

ふと、高校時代のことを思い出した。
大好きだった社会の先生が教えてくれたこと。

「名前は”音”によってその人の性格を左

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占いは当たるのか?〜給料日前に思う

占いは当たるのか?〜給料日前に思う

給料日前である。この時期はいつも金欠だ。いや、毎日財布の中との相談は欠かせないんだが、特に厳しくなる。なんとか収入をアップできないかと髪を掻きむしるのもいつもこの毎月20日過ぎである。

遠い昔、漫画家の一条ゆかり先生が雑誌「りぼん」の付録のソノシート(あ、薄ーいレコードのことね、若い方は調べてね)の中で月収のことに触れたのを聞いたとき(なんてことをさせたんだろう、集英社)のこと、あまりの額に子供

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下手くそな恋のピリオド
(今日はバレンタインデーですね)

下手くそな恋のピリオド (今日はバレンタインデーですね)

定期的に夢に現れる人がいる。
中学校時代の同級生。
私にとっては初めての、胸が痛いくらい好きになった人だった。
背が高くて、シャイなくせに優しくて、ときには大胆でマイペース。
いつも穏やかでそのくせクール、そしてなんだか大人っぽい。
けれどその人には同じクラスに付き合っている子がいて、いつもふたり一緒だった。
お似合いのカップルでみんなが羨ましがり、そして微笑ましく見守っていていた。

内気な私だ

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昭和をつぶやく〜記憶の中のファッション史①

昭和をつぶやく〜記憶の中のファッション史①

NHK朝ドラカム「カムエブリバディ」が放映中である。前作と比べて、テーマがはっきりわかりやすく(私にとっては、だけど)共感できる部分も多く(私にとっては、だけど)画面から伝わってくる暖かさがなんとも心地よく()、毎日楽しみにしている。

今1965年から1976年の時代をやっている。ちょうど私が子供だった頃の時代だ。なんか良いことも悪いこともごちゃ混ぜにいろんなことがフラッシュバックされて、嬉しい

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熱き血潮の映画館

熱き血潮の映画館

当時私はワーカホリックだった。夢であった絵を描く仕事になかなか就けなくて足掻いたのちに、ようやく店舗設計デザインの世界に潜り込めて嬉々として仕事をしていた。とはいえまだまだ修行の身、なのにお給料をいただきながら勉強できる状況に自分はなんて幸せ者なんだろうと日々感謝しながら仕事をしていた。

帰宅はいつも日付が変わってから。仕方がない、昼間は現場に出て監理や打ち合わせ、帰社してから図面の修正をしたり

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刑事コロンボ漬けの日々〜楽しみながら学ぶということ

刑事コロンボ漬けの日々〜楽しみながら学ぶということ

配信で「刑事コロンボ」を観られることを知って、今一気に観ている。全69話、なんと配信に気がついたのが10月も終盤、そして配信終了が11月28日、毎日必ず2〜3話観なくてはならない計算になる。もともと自由になる時間がそんなにないのに、毎日コロンボとともに時を過ごしている。テレビで見たことも何度かあるけど、もう何十年も前のことではっきりストーリーを覚えていない。今、ようやく23話くらい見終えたけど、最

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ムスコの言葉は魔法

ムスコの言葉は魔法

今日も車を運転して出かけた。無意識に当たり前のようにウィンカーを出す。いや、ウィンカーを出さずに急にスピードを緩めて曲がったりする車が多いから、当たり前じゃないのかもしれない。でも、意識の問題だけで、動作としては全然難しくない。みなさん、ウィンカーは早めに出しましょうね。

今日、そのウィンカーを出した瞬間、子供だったムスコを乗せて運転してたときのことを思い出した。

「ねえ、ウィンカーってどうや

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おふくろの味は輪ゴムの味

おふくろの味は輪ゴムの味

今日も仕事から帰って、慌てて夕飯の支度をする。料理をするのは好きだ。物を作ることで仕事に費やした時間をリセットできるような気がする。メニューは適当。独自のレシピを考えながらドキドキワクワクしながら、まるでギャンブルのように作っている。ムスコも「んん、これは...?」といちいち確認しながら恐る恐る食べている。私が定番の家庭料理ってやつをあまり作らないのは、母がそうだったからかもしれない。

父の存命

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ゆっくりゆっくり過ぎていくお気に入りの時間

ゆっくりゆっくり過ぎていくお気に入りの時間

昭和40年代頃の話です。子供のころ私たち家族は、山を切り開いできた住宅地に住んでいました。急な坂ばっかりの土地に家が立ち並び、商店といえば駅に続く坂に沿って八百屋、魚屋、酒屋、パン屋、お茶屋、化粧雑貨屋、金物屋、床屋、食堂、駄菓子屋兼文房具屋、診療所が一軒ずつある、そんなささやかな町でした。しばらくして本屋ができ、衣料品店ができ、なぜかファンシーショップができ、私が高校生になったころにようやく小さ

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大空を飛ぶカナリア

大空を飛ぶカナリア

私は宅配業の電話番をしています。直に配送物に触れることもしばしばあります。今日はちょっと変わったお荷物がありました。それは



でした。箱にはレース鳩と書かれていて、警察から個人の方宛だったので、もしかしたらレース中に迷子になっちゃったのかな?

箱に穴が空いていて、そっと中をのぞくと、可愛いまあるい目がこちらを見ている。クチバシの上の豆みたいなのもちゃんとある(当たり前か)。クーともポーとも

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母がゴミに混ぜたもの

母がゴミに混ぜたもの

今日は休日だからゆっくり寝られるう〜!...って思ってたけど、資源ごみを出す音で目が覚めた。瓶を回収ケースにいれるカチャンカチャンって音が辺りに響いてる。慌てて起きて資源ごみを出しに行く。私はいつも朝寝坊なので、朝決まった時間帯に資源ごみをだすのが苦手。でも今日は出せた!ゴミ出しただけでこんなに達成感を得られるなんて、どんだけぐうたらな日々を過ごしているのか私。とにかく、二度寝せずそのまま起きて今

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