名もなき物書き

ニート以上フリーランス未満。薄口エッセイスト。旅と本と映画のある暮らし。最低限の労働と…

名もなき物書き

ニート以上フリーランス未満。薄口エッセイスト。旅と本と映画のある暮らし。最低限の労働と最大限の娯楽。書きたい時に書きたいことを書きたいだけ。 写真は旅先での1枚。

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  • エッセンボンノック

    日々考えていることや旅での気付きを言語化したエッセイ集。迷言から名言まで、言葉の宝探しを。写真は旅先での1枚。気が向いたら有料化します。

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  • おばあちゃんとぼく

    新卒フリーランスWebライターの「ぼく」が、北海道の長万部町でおばあちゃんと2人暮らしの様子を綴った生活日記。

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【エッセイ】誰も知らない

僕のことを知っているだろうか。僕は有名人ではないので、世の中の大半の人に知られていない。せめて、家族や一部の友人くらい。人数にして世界で数十人程度だろう。 僕が…

舞台袖で、震えた

「いつか漫才をやりたい」 俺は漠然と思っていた。お笑い芸人を目指している訳でもなければ、クラスで笑いをとるタイプの人間ではない。 でも、笑いと向き合う漫才師に憧…

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下書きまみれ

下書きが大量だ。増える一方である。 ふと言葉が思い付いて、書きなぐる。スコールのように一気に押し寄せ、引いていく。そして、たまっていく脈絡のないデコボコな言葉た…

理不尽が愛おしい

僕はいま、理不尽のシャワーを浴びている。 ここ数年、いろんな意味でフリーだった僕。日常がイージーすぎて、飽きてしまった。好きなことをやるだけの生活はあまりにも簡…

渋滞へまっしぐらな大衆

毎日がゴールデンウィークの僕にとって、今回のゴールデンウィークも変わらない日常に過ぎない。 むしろ、普段よりも外出を控え、家で読書や映画を楽しんでいる。友人や家…

モチベーションという名の幻想

モチベーションは幻想である。 ちまたでまかり通っている「モチベーションを上げよう」という発想はナンセンスだ。人は興味があれば、自然と行動するから。 仕事も勉強も…

根拠のない自信の正体

僕は、なぜだか自信に満ち溢れている。幼少期からずっとそうだった。特に走るのが早い訳でもなく、頭が良いのではなく、かといってイケメンでもない。けれど、自分に自信し…

ニートとナマケモノ

僕はニートよりのフリーランス。一応、仕事があるものの、家でだらだらしている時間の方が長い。 生活スタイルはニートそのもの。 大学を卒業後はフリーで「ガンガン稼ぐ…

帰宅部をバカにしていた

帰宅部はつまらないと思っていた。 スポーツや音楽、研究に熱中するのではなく、ただ友人と雑談を交わし、異性を追っかけ、少しばかりの時間をもてあます帰宅部たちを。 …

夢を叶える速度

夢を叶える速度。そもそも即効で叶えられるものって夢じゃない気がする。 夢には夢なりのスピードがある。M-1グランプリ2021では、錦鯉が優勝した。世間的には遅いかもし…

ちょっとした元カレの誇り。

先日、僕が数年前に内定を辞退した企業が上場を果たした。 海外進出に積極的で、先進技術を取り扱うイケイケの企業。平均年齢は若く、オフィスにはカフェのようなオシャレ…

僕は雪かきが好きだ。

僕は雪かきが好きだ。雪かきとは、雪国に生きる人々の義務であり、「雪を運ぶ」ただそれだけのことだ。 それは、刹那的な作業である。 なんの生産性もない。雪かきをした…

「働く」を始めてみる

2022年は「働く」をしたい。ここ2年、ほとんどの時間を趣味に費やしてきた。旅に映画に本。友人とのキャッチボールに家族とのボードゲーム。朝は森の散歩とヨガから始まり…

世界と戦える、かも。

ポーカーなら世界と戦えるかもしれない。僕は確信した。 「メジャーリーガーになる」 小学校の卒業式でのこと。壇上で僕は、自分の夢を語った。僕はずいぶん前から、世界…

初めては切ない

初めてってなんか切ない。さまざな初めてを経験する度に思う。 ありとあらゆる初めてを経験したい。初めてに対する好奇心とワクワク感は抑えられない。初めての場所に行き…

謎の男。

僕は謎の男である。周りからすると、謎らしい。大学を卒業後、企業に所属せず、国内外を転々としているアラサー男子。 たしかに、謎かもしれない。 僕だって自分自分が不…

【エッセイ】誰も知らない

【エッセイ】誰も知らない

僕のことを知っているだろうか。僕は有名人ではないので、世の中の大半の人に知られていない。せめて、家族や一部の友人くらい。人数にして世界で数十人程度だろう。

僕が何やっているか知っているだろうか。アロハシャツを着て、カフェでメモを片手に何か考え事をしている僕を。海辺でどこか遠くを眺め、ひたすらボーッとしている僕を。

僕がどこにいるか知っているだろうか。ある日はタイ・バンコクのカフェ、ある日はニュ

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舞台袖で、震えた

「いつか漫才をやりたい」

俺は漠然と思っていた。お笑い芸人を目指している訳でもなければ、クラスで笑いをとるタイプの人間ではない。

でも、笑いと向き合う漫才師に憧れを抱いていた。

漫才をみるのが好きだったし、脳内でふとボケやツッコミが思い浮かぶ自分がいた。マイク一本で笑いをとる漫才師が何よりカッコよかった。

そんな自分にやってきた突然のチャンス。

通っていた大学のイベントで漫才大会が行われ

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下書きまみれ

下書きが大量だ。増える一方である。

ふと言葉が思い付いて、書きなぐる。スコールのように一気に押し寄せ、引いていく。そして、たまっていく脈絡のないデコボコな言葉たち。

いつか世に出るのだろうか。光を浴びることなく、埋もれていくのか。

思えば、僕は下書きだらけの人生である。何かを思いつき、動き出す。でも、形になる前にまた別の何かをしている。ハマっては、飽きるの繰り返し。この世界に僕の下書きが増え

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理不尽が愛おしい

理不尽が愛おしい

僕はいま、理不尽のシャワーを浴びている。

ここ数年、いろんな意味でフリーだった僕。日常がイージーすぎて、飽きてしまった。好きなことをやるだけの生活はあまりにも簡単すぎる。

デザートばかりの日常に胃もたれしてしまったのだ。簡単は心地よい。けど、おもしろくない。その結果、

「理不尽の海にダイブしたい」

と思うようになった。社会の波に揉まれ、さまざまな理不尽と戦いながら生きるのは刺激的でおもしろ

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渋滞へまっしぐらな大衆

渋滞へまっしぐらな大衆

毎日がゴールデンウィークの僕にとって、今回のゴールデンウィークも変わらない日常に過ぎない。

むしろ、普段よりも外出を控え、家で読書や映画を楽しんでいる。友人や家族との旅行はゴールデンウィークとは別のタイミングで。

なぜ多くの人が同じタイミングで休むのだろう。旅先は混み合うし、ホテル代や飛行機代は普段よりも高くなるのに。せっかくの休みなら、人混みを避け、リーズナブルに楽しみたいものだ。

休みを

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モチベーションという名の幻想

モチベーションは幻想である。

ちまたでまかり通っている「モチベーションを上げよう」という発想はナンセンスだ。人は興味があれば、自然と行動するから。

仕事も勉強もしかり。野球に興味があれば、野球の練習をするだろうし、英語に興味があれば英語の勉強をするだろう。興味の有無であり、そこにモチベーションどうこうは関係ない。

なんにも興味がない。何に対してもモチベーションがわかない。という人がいる。

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根拠のない自信の正体

根拠のない自信の正体

僕は、なぜだか自信に満ち溢れている。幼少期からずっとそうだった。特に走るのが早い訳でもなく、頭が良いのではなく、かといってイケメンでもない。けれど、自分に自信しかない。

「なんで、そんなに自信満々なの?」と聞かれる。僕でも長年、謎だった。けれど、最近わかった。幼少期からずっとやってきたことが、溢れんばかりの自信を支えていたのだ。

「読書」である。

本の中に、全てといっていいほど、「人生の答え

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ニートとナマケモノ

ニートとナマケモノ

僕はニートよりのフリーランス。一応、仕事があるものの、家でだらだらしている時間の方が長い。

生活スタイルはニートそのもの。

大学を卒業後はフリーで「ガンガン稼ぐぞ!」なんて思っていたものの、気付けば普段のニート生活に戻ってしまう。昼前に起きて、読書や映画を見始めたら、1日が過ぎ去ってゆく。

自分には少し働いて、たくさん遊ぶスタイルが合っているようだ。遊ぶといっても、読書に映画鑑賞、友人とのキ

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帰宅部をバカにしていた

帰宅部をバカにしていた

帰宅部はつまらないと思っていた。

スポーツや音楽、研究に熱中するのではなく、ただ友人と雑談を交わし、異性を追っかけ、少しばかりの時間をもてあます帰宅部たちを。

僕は小学3年生から高3の夏までずっと野球部に所属していた。ただひたすらに野球が好きだった。1日の大半を野球に費やしていた。

大学時代は野球漬けの日々から一転したものの、サークル活動に熱中した。

何かしらの組織に所属し、目の前のことに

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夢を叶える速度

夢を叶える速度

夢を叶える速度。そもそも即効で叶えられるものって夢じゃない気がする。

夢には夢なりのスピードがある。M-1グランプリ2021では、錦鯉が優勝した。世間的には遅いかもしれない。けれど、彼らには彼らなりの速度があった。

中には早く到達できる人もいるだろう。僕もまだまだ夢への道のりは遠い。けれど、確実に近づいていることは確か。

このエッセイだって、夢への小さな一歩。

僕には僕なりの速度があって、

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ちょっとした元カレの誇り。

ちょっとした元カレの誇り。

先日、僕が数年前に内定を辞退した企業が上場を果たした。

海外進出に積極的で、先進技術を取り扱うイケイケの企業。平均年齢は若く、オフィスにはカフェのようなオシャレスペースがある。絵に描いたようなイケイケベンチャー企業である。

僕は就活で面接を受けた企業は1社のみ。しかし、その1社すらも辞退してしまった。

結果的に僕は間違いで、正解。

入社していたら、それなりに働き、それなりに充実した会社員生

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僕は雪かきが好きだ。

僕は雪かきが好きだ。

僕は雪かきが好きだ。雪かきとは、雪国に生きる人々の義務であり、「雪を運ぶ」ただそれだけのことだ。

それは、刹那的な作業である。

なんの生産性もない。雪かきをしたところで、マイナスがゼロになっただけ。けれど、雪かきをしなければ、家のドアは開かなくなってしまう。

極論、生きるためには、雪かきが必要だ。

今朝雪を書いても、夜にはまた雪をかかないといけない。前日に雪をかいたのに、翌日には雪がとけて

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「働く」を始めてみる

「働く」を始めてみる

2022年は「働く」をしたい。ここ2年、ほとんどの時間を趣味に費やしてきた。旅に映画に本。友人とのキャッチボールに家族とのボードゲーム。朝は森の散歩とヨガから始まり、夜は好きなだけ本を読み散らかす。

とんだご身分である。この時代に生まれて本当によかった。

大学を卒業し、3年の月日が経とうとしている。「会社員になりたくない」「普通に働きたくない」「てか毎日遊んで暮らしたい」そう思い、就職せずにフ

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世界と戦える、かも。

世界と戦える、かも。

ポーカーなら世界と戦えるかもしれない。僕は確信した。

「メジャーリーガーになる」

小学校の卒業式でのこと。壇上で僕は、自分の夢を語った。僕はずいぶん前から、世界を見据えていた。

だけど、現実は理想通りにいかないものだ。高校野球ではベンチ入りすら果たせなかった。野球では世界と戦う土俵にも立てなかった。

メジャーリーガーへの夢は諦めたけど、世界への夢はまだ終わっていない。むしろ、ここからが始ま

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初めては切ない

初めては切ない

初めてってなんか切ない。さまざな初めてを経験する度に思う。

ありとあらゆる初めてを経験したい。初めてに対する好奇心とワクワク感は抑えられない。初めての場所に行きたいし、初めての作品を鑑賞したいし、初めての感情と出会いたい。

けれど、「それ」が終わった後に込み上げてくる切ない気持ちもあるから不思議。だって、初めては一生に一度で、経験できないから。

初めてを求めているのに、初めてが終わると切ない

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謎の男。

謎の男。

僕は謎の男である。周りからすると、謎らしい。大学を卒業後、企業に所属せず、国内外を転々としているアラサー男子。

たしかに、謎かもしれない。

僕だって自分自分が不思議でならない。自分ですら、この先どこで何をしているのかわからない。僕が僕を謎だと思うのだから、僕以外の誰かが僕という人間を謎めくのは当然の流れ。

映画や小説の世界に浸っていると、僕自身もフィクションの一部のような気がしてくる。でも、

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