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Seasons of Love 日本、アメリカ、そして世界

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社会のこと、世界のことについて、徒然なるままに語ります。
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#ニューヨーク

タイタニックと教室の片隅の小さな私

タイタニックと教室の片隅の小さな私

25年前に大ヒットした映画「タイタニック」のリマスター版を観てきた。
映画の懐かしい映像に触発されて、25年前の自分がどこで何をしていたのか鮮明に思い出すことができた。この映画が公開された1997年、一緒に映画館に足を運んだ当時の友達とは、今は誰一人連絡先も分からず、どこで何をしているのかも知らない。現在の私の親友たちとはもう長いつきあいだが、1997年の頃はまだ知り合ってさえいなかった。そう考え

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読者歴21年目の節目

読者歴21年目の節目

先日、漫画家の小林よしのりさんに拙著「おもてなし2051」を献本しました。

「ゴーマニズム宣言」で知られる小林よしのりさんの読者を続けて、はや20年になります。20年という数字に何か自分の人生の節目のようなものを感じたので、読者を始めた原点を振り返り、noteに綴ることにしました。20年前の自分が今に繋がっていることを思うと、色々と込み上げてくるものがあります。しばらく昔話におつきあい下さい。

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小林よしのりは、アメリカ人からどう見られているのか?

小林よしのりは、アメリカ人からどう見られているのか?

「よしりん先生」の愛称で知られる小林よしのりさんは、鋭い政治風刺とユーモアあふれる作風の漫画を長きにわたって描き続けていらっしゃいます。作品の中で小林さんはアメリカを批判し、アメリカに追従する日本政府を糾弾してこられました。その高いメッセージ性は時に読者の反感を買い、論争が巻き起こることも度々ありました。そんな小林さんの漫画をアメリカ人はどのように見ているのでしょうか? アメリカの人々の目から見て

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アジア人、コロナ、この国から出て行け!

アジア人、コロナ、この国から出て行け!

お笑い芸人の村本大輔さんが、ニューヨークの深夜の路上で罵倒されたというツイートが話題になっている。「アジア人、コロナ! この国から出て行け!」と叫ばれたそうだ。ヘイトを発したのは車椅子に乗ったお婆さんだという。村本さんのこのツイートに対して、私は以下のようなリプライをした。

「アメリカの障碍者は強いんですね。自分が車椅子に乗っていても他人を差別までする。日本の障碍者みたいに、ただただおとなしくす

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キャンピングカーで暮らす学生たち

キャンピングカーで暮らす学生たち

アメリカの最新貧困事情私の母校が大変なことになっている。先日、大学時代の先輩からライン動画が送られてきた。そこに映っていたのは、私たちの母校の大学の裏道にびっしりと停まるキャンピングカーの風景。一見すると、大学が何かのイベントでも開催して、父兄たちがはるばる遠くの州からやってきたのかと見紛うような光景でもあるが、そうではない。路肩にびっしり横付けされたままのキャンピングカーの中では、学生たちが寝泊

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今日は911の日

もう忘れているかもしれないが、2001年の今日、ニューヨークとワシントンDCで同時多発テロ事件が起きた。

あれからずいぶん長い年月が経ち、メモリアル・デイの今日であっても日本のメディアはほとんど報道しなくなった。現地アメリカでも911を知らない若い世代が生まれている。

けれど私は毎年、今日がくるたびに、改めて当時を振り返り、自分の原点を見つめることにしている。

そう。911は私の生きる原点な

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2011年3月11日、7年前のあの震災の頃、私は難民になることを薦められた。

2011年3月11日、7年前のあの震災の頃、私は難民になることを薦められた。

今年も3月が終わろうとしている。東日本大震災から早くも7年が過ぎたが、7年が過ぎた今だからこそ、じっくり振り返ることができる物事もある。私はあの震災当時のことを、初めて綴ることにした。

2011年3月12日。フランス人の友人から震災難民としてフランスに逃げて来いと言われた。地震から一夜明けてようやく繋がったネットを開くと、海外の友人からのメールが殺到していた。「日本はどうなっているの?」「あなた

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