大福すあま

それでも、犬が好き

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記事一覧

写真嫌いが故に、苦肉の策でポストカードを描いた話

ラルゴの保険金請求が、通らなかった。 正確にいうとアプリからの申請ではなく 所定の書類一式を送るので 再度、申請して下さいといわれた。 そもそもラルゴは検査をした…

大福すあま
4か月前
4

ラルゴからのマーキング被害

喘息持ちで喉が弱いのもあって 冬は石油ストーブを着けることが多い。 円筒形の中心に火をつけて 熱を全方向に対流させるタイプなので 子どもの友達が我が家に来たときに…

大福すあま
5か月前
2

私の認識力 = 愛情指数

私は記憶力というより、認識力が低い。 例えば、漫画のキャラクターは 記号が似ていると混同しやすい。 少年漫画にある尖った髪の毛だけで サンデー連載の漫画も ジャン…

大福すあま
5か月前
5

AIが描く私とラルゴ

旦那の知名度は、それ程、高くないけれど イラストレーターとしては中堅以上で 「アレの、この絵を描いた」といえば 大体の人が驚く。 その驚く理由は大体、以下の3つ ①…

大福すあま
5か月前
4

ラルゴに向ける熱量で、誰かと繋がること

ラルゴの全盛期というのか 1番運動量が多く元気が有り余っていた頃 彼は、立っている私の顔まで飛び付いてきたし 旦那の肩に顔を乗せるぐらいには ジャンプすることができ…

大福すあま
6か月前
5

怪しんだスピリチュアルに救われる

「ラルゴは、もう助からない」 感覚的に悟った瞬間が、確かにあった。 もう別れは、絶対に避けられないし すぐそこまで来ているのが分かって 私はラルゴにとっての最善を…

大福すあま
6か月前
6

子どもとラルゴに使った、美しい抱っこ紐

子どもが生まれた当時 私たち夫婦は車がないばかりか 免許すら持っていなかったので 移動は徒歩か自転車・公共交通機関のみ。 そのためベビーカーは最軽量のものと 安全性…

大福すあま
6か月前
10

二極世界の騙し絵に描かれる「生」と「死」

私には嫌いなものが、明確にある。 人混みや騒音が嫌い 報道番組が嫌い 馴れ馴れしい人が嫌い。 日常生活での嫌いなことは 執拗なまでに目に付き、耳に障るので 自分には…

大福すあま
6か月前
6

自己肯定感を上げてくれた犬という存在

犬を飼うことは、人が生きる上で 決して必要なことではない。 盲導犬や介助犬がいることで 活動範囲が大幅に広がるとしても いなければ生きていけないという人は 恐らくい…

大福すあま
6か月前
20

最後の黒棒と、末期の水

病気で日に日に痩せ細るのが確実なので とにかくラルゴが口にするものを探して 少しでも多く、食べさせようとした。 普段から食べているカリカリドッグフードに ウェット…

大福すあま
7か月前
6

ペットロス・ロスト

人との死別には、お通夜や告別式 初七日や四十九日の法要が節目で執り行われ 合間には、事務的だけれども しなければならない諸手続きがある。 悲しみに浸りながらも、生…

大福すあま
7か月前
14

メモリアルフォト

病院で余命宣告を受けてからの2週間は 常に目が届くところで世話をして 私は最高の従者となるべく ラルゴの挙動を見逃さないようにしていた。 至らない点はいくらでもあっ…

大福すあま
7か月前
6

ERで掛かった医療費

ラルゴの詳しい検査や輸血などの処置を 近所の動物病院では出来ないといわれ ERを紹介された。 掛かり付け医が間に入ってくれたので 初診予約時にどんな話しがされたのか…

大福すあま
7か月前
4

さきのないさよなら

私は、ラルゴと一緒にいると その時々で起きることに、いちいち反応して 湧いてくる感情に飲み込まれる。 ラルゴが甘えてきたり ラルゴが楽しそうだったり そんな時は、一…

大福すあま
7か月前
9

掛かり付け医に最後の挨拶

もう残された時間は、数日。 神様の奇跡が起きない限り ラルゴと10月は、迎えられない。 9月11日に手術をキャンセル 全ての検査結果は出ていなかったが ERでの治療や診察…

大福すあま
7か月前
5

飼い主が決める、残された犬の時間

ラルゴに長く生きてもらいたいのではなくて ラルゴと一緒の時間を愉しみたい。 なので、入院先で延命処置の輸血をしつづけ 命を繋ぐだけの治療では意味がないのだと やは…

大福すあま
7か月前
6
写真嫌いが故に、苦肉の策でポストカードを描いた話

写真嫌いが故に、苦肉の策でポストカードを描いた話

ラルゴの保険金請求が、通らなかった。

正確にいうとアプリからの申請ではなく
所定の書類一式を送るので
再度、申請して下さいといわれた。

そもそもラルゴは検査をしたものの
手術や治療を全て中断したので
検査と貧血への対処療法しかしていない。

正式書類を提出したところで
さして変わらないのに…

まぁ、いいか

その時は軽く考えていたが
再送付された書類を見て固まる。

獣医師さまにご記入いただ

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ラルゴからのマーキング被害

ラルゴからのマーキング被害

喘息持ちで喉が弱いのもあって
冬は石油ストーブを着けることが多い。

円筒形の中心に火をつけて
熱を全方向に対流させるタイプなので
子どもの友達が我が家に来たときには
「古いストーブだ!」と驚かれた。

自動着火のスイッチが壊れしまったから
マッチを使って点火していたのも
その一因だろう。

「電気やガスは新しいもので
火を使うのは古いものなんだよ」

口の立つ子が、そう解説してくれて
あぁ、そう

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私の認識力 = 愛情指数

私の認識力 = 愛情指数

私は記憶力というより、認識力が低い。

例えば、漫画のキャラクターは
記号が似ていると混同しやすい。

少年漫画にある尖った髪の毛だけで
サンデー連載の漫画も
ジャンプ連載の漫画も
ほぼ同じに見える。

さらに言えば、勝手な脳内変換も多い。
ワンピースに出てくるチョッパーを
バイキングヘルムを被っている小ぐまと
つい先日まで思い込んでいたし

*【B.B.クィーンズ】(古い…)にいた
男性ボーカル

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AIが描く私とラルゴ

AIが描く私とラルゴ

旦那の知名度は、それ程、高くないけれど
イラストレーターとしては中堅以上で
「アレの、この絵を描いた」といえば
大体の人が驚く。

その驚く理由は大体、以下の3つ
①そういう絵は作者本人が描かないの?
②これって写真取り込みじゃないの?
③そんな仕事に携わっていたの?

イラストには名前が出ているものもあるし
出ていないものもあるから
相手の反応は、当然なのかなと思う。

もっと根本的な問題として

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ラルゴに向ける熱量で、誰かと繋がること

ラルゴに向ける熱量で、誰かと繋がること

ラルゴの全盛期というのか
1番運動量が多く元気が有り余っていた頃
彼は、立っている私の顔まで飛び付いてきたし
旦那の肩に顔を乗せるぐらいには
ジャンプすることができた。

散歩中、何かに驚くと
文字通り「飛び上がって驚く」ので
飛び付かれたこっちも
脅威のジャンプ力を見た周囲も
一緒になって驚くことになる。

何度も思い出に蘇ってくる
その場面は鮮明に繰り返されているけれど
それが実際に起きた通り

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怪しんだスピリチュアルに救われる

怪しんだスピリチュアルに救われる

「ラルゴは、もう助からない」
感覚的に悟った瞬間が、確かにあった。

もう別れは、絶対に避けられないし
すぐそこまで来ているのが分かって
私はラルゴにとっての最善を想像して
最期の瞬間まで、尽くした。 

私は縁あって神職資格を保有しているが
ラルゴの病気が治りますようにと
神頼みはしなかったし
正直、思い付きもしなかった。

正確には、神社に1度だけ参拝した。
けれどラルゴを助けて下さいと
お願

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子どもとラルゴに使った、美しい抱っこ紐

子どもとラルゴに使った、美しい抱っこ紐

子どもが生まれた当時
私たち夫婦は車がないばかりか
免許すら持っていなかったので
移動は徒歩か自転車・公共交通機関のみ。

そのためベビーカーは最軽量のものと
安全性重視の2本立てで考え
どれにするかは、すぐに決まった。

一方で、抱っこ紐は何にするか
迷いに迷って、なかなか決められなかった。

肩や腰の負担が少ないだとか
通気性が良いだとか
装着がしやすいだとか

生まれて来る前の試着は限られて

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二極世界の騙し絵に描かれる「生」と「死」

二極世界の騙し絵に描かれる「生」と「死」

私には嫌いなものが、明確にある。

人混みや騒音が嫌い
報道番組が嫌い
馴れ馴れしい人が嫌い。

日常生活での嫌いなことは
執拗なまでに目に付き、耳に障るので
自分には病的な面があるのだと
ひっそり思っていたが

結局は
静かな場所での自分の時間
身近に起きる美しい変化
距離感の心地良い人付き合い

そういったものを、この上なく愛していて
こだわりをもって大切にしている
その裏返しに過ぎず

自分

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自己肯定感を上げてくれた犬という存在

自己肯定感を上げてくれた犬という存在

犬を飼うことは、人が生きる上で
決して必要なことではない。

盲導犬や介助犬がいることで
活動範囲が大幅に広がるとしても
いなければ生きていけないという人は
恐らくいないだろう。

訓練をクリアした犬であることや
必要性の高さは全く違うけれど
自分の人生をより良くする為に
相性の良い犬と共生をしている点は
犬を飼うことの共通項だと思っている。

旦那は、野良犬や捨て犬との遭遇が
珍しくなかったそう

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最後の黒棒と、末期の水

最後の黒棒と、末期の水

病気で日に日に痩せ細るのが確実なので
とにかくラルゴが口にするものを探して
少しでも多く、食べさせようとした。

普段から食べているカリカリドッグフードに
ウェットタイプの缶詰を購入し
おやつには【いなばワンちゅーる】

その日の気分や体調で
ラルゴが食べたいものを選ばせた。

わんチュールの食い付きはさすがで 
水分補給用と総合栄養食の2種は
それぞれ20本入を用意する。

そのまま食べるだけで

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ペットロス・ロスト

ペットロス・ロスト

人との死別には、お通夜や告別式
初七日や四十九日の法要が節目で執り行われ
合間には、事務的だけれども
しなければならない諸手続きがある。

悲しみに浸りながらも、生きていく人が
日常生活という日々の営みへ戻るのに
よく出来たシステムだなと、常々思っていた。

残された人たちが皆で、故人を偲びながらも
お別れのプロセスを踏んでいくのは
公に悲しむのを許される時間でもあって。

悲しむ人が悲しめること

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メモリアルフォト

メモリアルフォト

病院で余命宣告を受けてからの2週間は
常に目が届くところで世話をして
私は最高の従者となるべく
ラルゴの挙動を見逃さないようにしていた。

至らない点はいくらでもあって
準備不足や勉強不足を悔やんでいるけれど
あの時に出来る最善を尽くした
それだけが救いになっている。

今、1番の後悔は何かといえば
ラルゴとの写真が少ないことに尽きる。

ラルゴの写真は残しているけれど
ほとんどは私が、自分のスマ

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ERで掛かった医療費

ERで掛かった医療費

ラルゴの詳しい検査や輸血などの処置を
近所の動物病院では出来ないといわれ
ERを紹介された。

掛かり付け医が間に入ってくれたので
初診予約時にどんな話しがされたのかは
全く分からない。

初回に予想される治療費の説明は
わざわざ先生が確認してくれたのかなと
そう思っていたのだけれど
ERでも、検査や入院にかかる費用を
比較的早い段階で説明されて
これくらい掛かりますが、大丈夫ですかと
簡単な同意

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さきのないさよなら

さきのないさよなら

私は、ラルゴと一緒にいると
その時々で起きることに、いちいち反応して
湧いてくる感情に飲み込まれる。

ラルゴが甘えてきたり
ラルゴが楽しそうだったり
そんな時は、一緒に幸せに感じるけど

ラルゴがテーブルに上ったり
ラルゴが椅子にマーキングしたり
そんな時は、本気で叱っていたし
片付けしながら腹を立てまくっていた。

ラルゴが病気になって
死に向かっていくのを見る時は
寂しいや悲しいを通り越して

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掛かり付け医に最後の挨拶

掛かり付け医に最後の挨拶

もう残された時間は、数日。
神様の奇跡が起きない限り
ラルゴと10月は、迎えられない。

9月11日に手術をキャンセル
全ての検査結果は出ていなかったが
ERでの治療や診察を終了する。

9月12日は、かかりつけ医に挨拶へ行き
検査結果と、ERでの診断を伝え
手術や輸血などの措置を止めて
家で過ごさせることを報告した。

「そうですか、辛かったですね…
 でもラルゴくんには1番いい決定かな」

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飼い主が決める、残された犬の時間

飼い主が決める、残された犬の時間

ラルゴに長く生きてもらいたいのではなくて
ラルゴと一緒の時間を愉しみたい。

なので、入院先で延命処置の輸血をしつづけ
命を繋ぐだけの治療では意味がないのだと
やはり思ってしまう。

無理に手術をお願いしたとしても
術後の回復や、貧血症状が緩和する速さと
転移した腫瘍で症状が悪化する速さとでは
どちらが速いのか。

経過によっては、入院が長引くかもしれない。
手術中の万が一だって、ある。 

その

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