記事一覧
Momi Yamashita//山下つぼみ filmmaker
映像作家・映画監督・映像ディレクター
逗子在住
Filmmaker, video director(TV, CM & WEB)
Living in Zushi, Kanagawa, JAPAN
プロフィール
山下つぼみは、映像作家・映画監督・映像ディレクターとして活動する逗子在住のクリエイターです。2000年にテレビディレクターとしてキャリアをスタートさせ、300回以上のインタビューを行いなが
「ドイツ零年」ロッセリーニ監督//人間のスタートとゴールをカットに納める
まじで、なんで今までちゃんと見ていなかったのか唖然とする。傑作。もういうまでもなく傑作であり、かつて(今もだけど)敬愛していたフェデリコ・フェリーニの原型みたいなものが見える。カメラワークしかり、フェリーニは「ドイツ零年」の裏っ返しみたいな作品だなと思って見ていた。
ワンカットが長い、長いのだけど、「流れている時間を撮る」というよりも、「人間がひっきりなしに交差している様子」を撮っているので、展
「ゴールデン・エイティーズ」シャンタル・アケルマン//"Golden Eighties" Chantal Akerman
※今まで頑張って構成を考えながら感想を書いていましたが、自分のメモとして記録を残すことにしました。
冒頭でミランダ・ジュライを思い出させる。おしゃれ。ミランダ・ジュライがアケルマンに影響されていてもおかしくないだろう。
アケルマン作品は「ジャンヌディエルマン」のイメージが強かったので、冒頭のキスシーンに面食らってしまった。美男美女が登場するわけではなく、滑稽なミュージカルらしいビギニング。「8
実験映画に耐性があるだけで、面白がる方法を理解してない//ジェイムズ・ベニング監督 カルフォルニア3部作
自分は実験映画に対する耐性があるだけで、面白がる方法を理解してない。
世に言われる実験映画の大作と呼ばれるものは、キャッチーな作品しか理解できていないし、面白いと思えているのか疑わしい。
2023年イメージ・フォーラム・フィルムフェスティバルで、マイケル・スノウ「セントラルリージョン」の上映を知った。
名作だ、ということを聞いて意気揚々で出向いたのだが、「なんか面白かった気がするけど、あれは何
「審査員賞受賞作品」は間違いない説//「熊は、いない」(NO BEARS)/ジャファル・パナヒ監督作品
こんにちは。noteにしっかり書くのは久しぶりです。
特に拙作の短編「かの山」が第78回ベネチア国際映画祭のオリゾンティ短編部門にノミネートされ、ベネチアへ行き、新しい世界を見聞きし、途方に暮れていました。ありとあらゆる価値観の嵐に揉まれ、2年経てようやく元の位置に戻った気がします。たぶん。
「かの山」から得た経験は、映画を志す人、映画祭を狙う人、未来の私、過去の私にも役立つ情報もあると思うの
THE DEAD DON'T DIE・ジム・ジャームッシュ監督/ゾンビ映画の入門書的作品
映画の感想を書こう思っても、なかなか時間を作れないのは、きっと「良い文章を書きたい」というスケベ心があるから。スケベはもう辞めて、見た作品の感触を思い出すために書こう!と重い腰をあげてます。
だけど、見たときの感触なんて、良い文章じゃないとね…
という自分へのツッコミは脇に置き、コロナ禍後初の映画館鑑賞はジャームッシュ監督のゾンビ映画でした。怖かったら嫌だな、と恐る恐る見始めたけど、終始笑って