【エッセイ】鉄鍋蒸し焼き〜紅芯大根(こうしんだいこん)〜[家庭料理](1213文字)
紅芯大根を鉄鍋蒸し焼きにしました。
紅芯大根にしては、大きめ。
葉茎なしです。
紅芯大根は小さめのものをだいぶ前に一度、確か鉄鍋蒸し焼きで食べたことがあったので、変わり味噌汁も面白そうだと思って、鉄鍋蒸し焼きと変わり味噌汁のどちらにしようか迷いましたが、今回は、鉄鍋蒸し焼きにすることにしました。
大根は、アブラナ科ダイコン属の越年草で、おそらく地中海か中央アジア原産、根と葉茎が食用で、種子から油採取をすることがあり、根は淡色野菜、葉茎は緑黄色野菜に分類されます。
紅芯大根は、根がかぶのような形をしていて、根の表皮が白色から黄緑色のグラデーションで、その内側が紅色から赤紫色で、輪切りにすると、白系と紅系のコントラストがくっきりしていて、水分が多く、辛味が少なく、甘味の豊かな大根です。
漬物・サラダ・大根おろし・甘酢漬け等の生食に適していて、サラダに入れると鮮やかで、パリッとした食感が楽しめるそう、薄くスライスして甘酢漬けにすると、紅色が濃くなるそうです。
華やかなスープやポタージュにも良いとのこと。
さて、調理です。
鉄鍋の内側にオリーブオイルをたっぷり垂らして、葉付き部分を下にして、4等分幅に切った、3個分の紅芯大根を並べ、塩を振り、鉄鍋の蓋をしました。
鉄鍋を強火で熱してパチパチ音がしてきたら、弱火にして41分間、火にかけました。
上品でコクのある、鋭い香りが漂ってきました。
火を止めて、5分間蒸らしてできあがり。
鉄鍋の蓋を開けると、紅芯大根の断面の、薄桃色と赤紫色のコントラストが鮮やかに、一面のオリーブオイルで、てかてかと輝いていました。
よく焼けて、薄桃色部分が赤紫色部分から少し剥がれているものもありました。
とても美味しそうです。
というわけで、盛り付け。
お味は。
とても美味しかったです!
噛むと、外側の薄桃色部分はちょっとだけ硬くて歯応えがあり、内側の赤紫色部分は柔らかく溶けるようで、それらが混ざって、雪解けのように口の中で溶けていきました。
甘いです、ひたすら甘いです。
甘い甘いと思っていると、コクと旨味が現れます。
ほのかな青臭味。
香りは淡いですが、大根にしては上品な香りです。
大根という名前が付いていますが、普通の大根とは全然違う香りと味と食感です。
これは、思ったより美味しいですね。
こんなに甘い大根は食べたことがありません、いえ、ここまでひたすら甘い野菜は食べたことがないような気がします。
「とても美味しい、甘いね!」
と私。
「これは、素晴らしいね!赤かぶの甘味は旨味寄りの甘味だけど、紅芯大根の甘味は砂糖みたいな甘味だね。人参の甘味ともまた違う」
と夫。
お菓子の好きな方には、きっと満足できるお味です。
また食べてみたいと思いました。
紅芯大根を変わり味噌汁やぬか漬けでも味わってみたいです。
どんな味がするのでしょう。
面白い大根です。
紅芯大根の鉄鍋蒸し焼き、とても美味しかったです。
ありがとう、ごちそうさまでした!
天野マユミ
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