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2023年サミットへの展望
昨日93年サミットのことについて書いて、よく考えてみたら、何事もなければ再来年の2023年が再び日本でサミットが開かれる予定になっていることに気づいた。そこで、30年前と同じ轍を踏まないよう、そしてそのリベンジがなんとか果たせるよう、政治がどうあれ、一人一人の思いをその機会にうまくぶつけて、より民主的な意思として望ましい方向に動かすことができないか、と考えてみた。すぐに、あるいは直接どうこうという
もっとみるアシックス金融派生商品について
サステナビリティ・リンク・デリバティブ
令和3年8月6日付日本経済新聞8面金融経済欄で、アシックスが、サステナビリティ・リンク・デリバティブ(SLD)を導入したという記事が出ていた。これは、環境関連の目標達成状況に応じて外貨調達レートが変わるものであるという。環境関連の金融商品としては、これまでも、サステナビリティ・リンク・ローン(SLL)という、環境目標達成度合いに応じて貸出金利が変わるというも
国際金融制度改革の必要性7 ー 戦争から発展するデリバティブ
戦争ビジネスモデルの盛衰湾岸戦争をきっかけとして、日本では集団的自衛権、そして安全保障の話が急速に盛り上がった。集団的自衛権の連鎖は、オーストリア皇太子殺害という事件をドミノ式に世界規模の大戦に拡大させてしまった第一次世界大戦を引き起こした理屈であり、冷戦終了後にまたぞろバランスオブパワーの世界を作り出し、小さなきっかけを元に世界紛争を作り出したいという懐古主義的な考えが広がっていたことを意味する
もっとみる国際金融制度改革の必要性6 ー オイルショックの構造と帰結
2. デリバティブの急拡大こうした背景を踏まえた上で、最も注目を集めた世界貿易センタービルへのテロをどう考えるか、と言うことであるが、これはやはりグローバル経済制度に対する不満の顕在化だと考えるべきなのだろう。
テロ事件後の原油価格急騰話は少し飛ぶが、同時多発テロに前後して、国際的な原油価格がこれまでに例を見ないほどに急騰しだした。これまでも二度のオイルショックがあり、それによって世界経
国際金融制度改革の必要性4 ー 変動相場制と為替先物
戦後通貨体制の確立さて、戦後通貨体制についての構想は、シカゴ大学のジェイコブ・ヴァイナーを中心に1939年、まさに第二次世界大戦が始まった頃から動き出しており、まだ太平洋戦争の始まっていなかったその時期には、東南アジアの情勢は考慮の外であった。太平洋戦争が始まった1週間後には財務長官モーゲンソーは指揮下のアメリカ財務省で働いていたホワイトに戦後通貨体制についての草案づくりを命じ、ヴァイナーは翌年1
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