マガジンのカバー画像

本たち

14
読んだ本たち。
運営しているクリエイター

記事一覧

#138 水無月の本②

今村夏子さんを読んだ6月。

1.星の子

芦田愛菜ちゃん主演の映画で話題になっていた「星の子」。

かなしいお話なのだろうかと思っていたのだけれど、たしかにかなしいのだけど、主人公ちひろと母と父はちっともかなしくはない。むしろ愛に溢れているようなくらい。

周りからみたときに異常であり、かわいそうであり、変であり、救わなきゃ!とおもうことでも、本人にとってはそうではない場合だってあることが、大な

もっとみる
#137 水無月の本①

#137 水無月の本①

やっぱり本を読んでいるときがしあわせだ。

その物語の中に入り込んでいるような、誰かの視点に潜り込めるようなところが好きだ。

今月読んだ本①はこちら。

1.羊をめぐる冒険 上

これまで4冊村上春樹の本を読んできたが、1番理解ができるまで時間がかかり3回ほど読み直した。

羊をめぐる冒険だっていうのに、しばらく羊が出てこないんだもの!

でも3回目にはたしかに、羊をめぐる冒険がこれから始まるわ

もっとみる
#136 如月の本

#136 如月の本

2月が終わりを迎えると、2月29日生まれというのに憧れていたことを思い出します。それだけでもう特別な雰囲気醸し出されるの、かっこよくてずるいよね。

ちなみに左利きのAB型というのにも憧れます。

そんな右利きのA型の私が今月読みきった本はこちら。

ノルウェイの森 下

村上春樹の小説3冊目。3冊読んで、どこまでいってもどうしてもっと前から読んでいなかったんだと思いすぎるくらいにはとてつもなく表

もっとみる
#132 睦月の本

#132 睦月の本

先日ペットショップでトイプードルを見てきました。私はわりと顔の好みの系統がはっきりしている方ですが、トイプードルにも顔の好みがあって驚いています。えんがわです。

今月は2冊本を読みました。

色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年

初めて読む村上春樹の小説。
本屋でちらっと立ち読みをして、最初はこれにする!と決めた。

前に書いたように村上春樹には勝手にとっつきにくさを感じていたのだが、それ

もっとみる
読んだ本リスト 2022

読んだ本リスト 2022

今年読んだ本たちあの子は貴族(山内マリコ)

私のなかの彼女(角田光代)

キッチン(よしもとばなな)

いのちの車窓から(星野源)

噛み合わない会話と、ある過去について(辻村深月)

やわらかなレタス(江國香織)

授乳(村田沙耶香)

プラナリア(山本文緒)

ラッシュライフ(伊坂幸太郎)

平凡(角田光代)

抱擁、あるいはライスには塩を 上(江國香織)

抱擁、あるいはライスには塩を 下

もっとみる
#113 村上春樹道

#113 村上春樹道

漠然と耳にしたり興味はあるなあって頭のどこかでは思っているけれど、手を伸ばして傍におくというところまでに至らない。

そういうことってあるよね。私はある。あるあるだ。

村上春樹。

知らない人はいないんじゃない、と思うほどに有名。「ノルウェイの森」「ダンス・ダンス・ダンス」。読んだことがないのに作品名はいくつか知っているし。作品が発表されたとき、テレビでハルキストが列をつくっているのも見たし。

もっとみる
#107 長月の本

#107 長月の本

長月〜長月。

10月神無月、もう気付いたら肌寒くなって。この季節に散歩するのが私は一番好きです。
すこし寒いけれど薄着で外に出れるギリギリのこの狭間の季節に、ただ歩いていると、なぜだか今までの良かったこと、たのしかったことが次々と思い出てきます。
この時期に咲いている花や、この時期しか着ることの出来ない服、ももちろん好きな要因のひとつですが、
その、肌で感じて感情とは関係なく勝手に思い出てくるこ

もっとみる
#102 おいしいごはんが食べられますように

#102 おいしいごはんが食べられますように

書店で表紙を見る度にほしいなあと思っていた本。

「芥川賞受賞」という文字と共に、だいたいどの書店でも店頭に何冊も並べられていた。

私は文庫本が好きだ。あの、風呂で気軽に読める大きさと、手に伝わるしなる紙の感じ。どこかに出掛ける時に鞄に入れて、結局読まなくたって気にならないくらいのサイズ感と重さ。

だから、文庫本が出るまで我慢しようかな、といつも手に取って見ては戻していたが

金曜日にご褒美と

もっとみる
#89 文月の本①

#89 文月の本①

どうしましょう。

どうしようもなく楽しかったり、根拠もなく素敵な気分になったり、なんでもうまくいく。という気分のときの私と

何もかもがダメな気持ちになって、何もしたくなくて、沈んだり落ち込んだり、胃がぎゅっとなる私がいます。

今絶賛後者です。

では、7月に読んだ本を紹介します。

「1人おしゃべりノート」 鈴木そうこ

バグり日記でも紹介したがたまたま本屋で見つけ、立ち読みをして直感で購入

もっとみる
#84 水無月の本

#84 水無月の本

7月19日?!嘘だろ
驚きを隠せない。

6月に読んだ本はこちら。

1. ざらざら 川上弘美

以前図書館を徘徊していたら、この本を見つけた。表紙を一目みたときに、これはなんとしても家に置きたい、という気持ちにさせられた。所謂一目惚れというもの。青と黄色っていうのは、目を引くくせにうるさくなく爽やかで、好きな組み合わせだ。

例にならってブックオフで何度も探していたのだが、しばらく出会えなかった

もっとみる
#78 私のバイブル

#78 私のバイブル

私のバイブルが更新された。

江國香織の「とるにたらないものもの」に、更新された。

6月に読んだ本は「6月に読んだ本」としてまとめて書くつもりだったのだが、読んでしまったら こりゃあまとめた中のひとつにはできん! という気持ちになった。ので今に至る。

これはエッセイなのだが、特別なエッセイだ。

なんでも、今まで出会ったエッセイというのはだいたいひとつの出来事に対してひとつのお話、というように

もっとみる
#67 皐月の本

#67 皐月の本

6月の5日。
6月は和風月名で水無月。

梅雨明けで、「水が無い月」という意味だと思っていたが、

「水な(の)月」(な は現代語の の)

で、田に水を入れるから「水の月」ということだそう。寧ろ「水のある月」だった。

では、5月に読んだ本を紹介する。

1.平凡 角田光代

「選ばなかった別の道の自分」を考える6人の、それぞれ6つの物語。

タイトルの平凡、と、どこか別のところで、というお話が

もっとみる
#41 エッセイはお好き?

#41 エッセイはお好き?

どうしてエッセイが好きなのだろうか。

今日もエッセイを読んでいた。
吉本ばななさんの「小さな幸せ46こ」という本。

まだ途中までだけれど、読んでいて私がエッセイをどうして好きなのか、わかった気がする。

23歳。法的に大人になって3年目。
小さい頃思い描いていた大人とは程遠い。不思議だなあ。大人ってもっと頑丈だと思ってたよ。

吉本ばななさんの本でも、いつまで経っても人は人、経験によって感じ方

もっとみる