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映画にまつわるお話、とレビュー

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リングがその他のJホラー映画とは明確に区別されるべき圧倒的名作であることは揺るぎない。問題はその次。

リングがその他のJホラー映画とは明確に区別されるべき圧倒的名作であることは揺るぎない。問題はその次。

リング/らせん/2/バースデイがJホラーの地位を高めてブームが起きたのはいいんですけど、実はJホラーって圧倒的に駄作のほうが多いので、基本もうそれより上が無いの辛いんですよね。
もう何十年も渇望の人生ですよ。レンタル店で棚から10本借りたら10本ハズレとかザラ。残穢とかは良かったですけどね。そういえばあれも竹内結子でしたね。

元AKBとか微妙なグラドルを血だらけ水だらけにしてキャーキャー言わせて

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クリストファー・ロビンだっていざとなったら引き金を引くでしょ。ぬいぐるみの友達は居ても、熊の友人はいない。

クリストファー・ロビンだっていざとなったら引き金を引くでしょ。ぬいぐるみの友達は居ても、熊の友人はいない。

動物を変に擬人化するの、やめて欲しいんだよな。

最近はあんまり見ないけど、昔の動物番組とかでアニメっぽい声優が吹き替えてて足音もキュピキュピ!みたいな。可愛いでしょみたいな。あったじゃないですか、よく。バカかよって。

動物はあくまでも動物として可愛がるべきで、人間の子供の代替品として扱うから道徳の線引きを誤るんですよ。
判断のつかない小さい子とかにあれを刷り込むのはまずいよね。友達になれると勘

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ゴジラvsコングのネタバレひどくない?から仕方ないなになった。そんなお話。

ある映画のネタバレと、それによる興味の喪失。消失の話。

※少しでもフラットな状態で見たい方は読まないで下さい。

公開延期が続くある映画のネタバレがあった。

衝撃のあとすこしして、すっと興味が失せてしまってわざわざリスクとエネルギーを掛けてまで劇場で見る必要がないなという気持ちになった。それまでの情熱やいろいろなものが煙のように消えてしまった。

初めは怒り、だがいくつかの段階を経て、あきらめ

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レトロデザインと宮﨑あおいのFM3A

レトロデザインと宮﨑あおいのFM3A

昨日発表されたNikon Zfc

2000年代の呪縛から逃れられなかったまま今に至り、ノスタルジアと後悔の渦のなかを生きる夢遊病患者である僕にとって、あのペンタ部のデザインは特別な意味をもちます。

あれはFM2。

00年台のカメラ女子とそこにコバンザメのように連なるサブカル男達のスタンダードであったFM2そのものだったんです。

見た瞬間20年前の思い出がフラッシュバックし、いま広告の中でそ

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【虹の女神 Rainbow Song('06)】戻りたいなぁ、あの時代に。

【虹の女神 Rainbow Song('06)】戻りたいなぁ、あの時代に。

懐かしい。懐かしすぎる。

急性ノスタルジア中毒で呼吸困難になる寸前だった。

観ていて何度も息が詰まった。

映画そのものの良さと、自分の記憶のせいだ。

15年の時が経った僕の過去の記憶は劣化して、いいものだけが残って美化され、少しずつ事実から乖離し始めていることは重々承知している。(僕はそれを蒸留と呼ぶ)

僕らはまさに00年代の前半を学生として過ごし、映画研究会ではなかったが集団で物事を催

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【殺人の追憶】記憶の中の非現実/現実。

【殺人の追憶】記憶の中の非現実/現実。

━━━【ネタバレ。観た後向けの感想です】━━━

実際に起こった連続殺人事件を元にしたクライムサスペンス。

80年代の韓国の事は全然知らないのであの景色がどれだけリアルなのかは判断がつかないけど、オンボロの立ち飲み空間や木造の警察署、お世辞にも綺麗とは言えない学校、それらの雰囲気には強い懐かしさを覚えた。

全体的に彩度が落としてあってモノクローム一歩手前みたいな銀残しのざらざらした絵作りも、寂

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【天気の子】やっぱセカイ系はこうでなくっちゃ。の現代的アップデート。

【天気の子】やっぱセカイ系はこうでなくっちゃ。の現代的アップデート。

ほんの最近の事のようでもあるし、もうずっと昔の事のようでもある。19年の夏映画という事なので、あっという間に公開から一年が経っていたらしい。

当時は公私共に忙しく映画館に行く時間が作れなかったこともあったが
「君の名は。」の大ヒットを受けての次作という事でなんだかヘンな盛り上がり方をしていたことと、案の定否定的な噂や口コミが加熱していて若干興が削がれてしまっていたこと、前作が過去作のいい部分が全

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【LOST IN TRANSLATION】スタートでもゴールでもないI love you/新宿

【LOST IN TRANSLATION】スタートでもゴールでもないI love you/新宿

不夜城 SLEEPLESS TOWN(1998)に出てくるその街は、種田陽平氏の卓越したセンスによって実際の新宿以上に不気味に、妖しい魅力を放つ。
まだ都庁へ向かう地下通路にダンボール街が残っていた最後の時代。
1998年2月以前の新宿だ。

ほぼ同じ時代、DEAD OR ALIVE 犯罪者(1999) の中の新宿では大型バイクにノーヘルで現れた武内力が大胆にも公衆の面前でタクシーの後部座席にむけ

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【ミッドサマー】期待以上の不快感。あと神とか。

【ミッドサマー】期待以上の不快感。あと神とか。

劇場で見るタイミングを逃してしまい、世の中の盛り上がりについていけなかった事を後悔していたのだけどようやく観ることが出来た。

正直この内容でよくヒットしたなとも思うけれどフランチャイズとリメイクとリブートだらけの世の中では、こういう映画はそれだけでも価値を持つ。

さらに、宣伝や口コミの効果は絶大だったと思う。

なんかめちゃくちゃらしい。
ものすごく不快らしい。

という前評判に対して、きちん

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犬神家の一族の世界/上田市

犬神家の一族の世界/上田市

一時期、仕事で日本中を旅して回っていた。そのハイペースぶりはさながら寅さんのごとくであったが、もちろん仕事で訪れている為ゆっくり観光する暇などない。改めてプライベートで再訪したいなと思う街が幾つかあった。

ある年、氷点下の一月。僕はとある街に降り立っていた。

信州 那須市
もちろん架空の街だ。

撮影に使われたのは長野県 上田市。
1976年 市川崑監督 犬神家の一族の舞台となった街である。

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