マガジンのカバー画像

フォローしている方の特に良いと思った記事

49
運営しているクリエイター

記事一覧

化学兵器から生まれた『抗がん剤』

化学兵器から生まれた『抗がん剤』

第二次世界大戦中、イタリアのバーリにある連合国軍の重要な港に、ドイツ軍が大規模な空襲を行った。この攻撃は「バーリ空襲」と呼ばれ、連合国軍にとって恐るべき大失態となった。その理由が、マスタードガスの流出だ。
被害を受けたアメリカの輸送船の一つ、ジョン・ハーベイ号は、2000発ものマスタード爆弾を極秘裏に積んでいた。ドイツ軍の攻撃により、この化学兵器が海水に流出、蒸発して毒ガスとなり街に拡散した。マス

もっとみる
アナーキスムと四国

アナーキスムと四国

この前、2024年2月23日に天皇誕生日があったわけですが、その頃アナーキスムに関しての本を読んでいた。戦前ならば大変なことになっていたかもしれない。そんな時代ではないので、気軽に読める。ありがたいことです。

このたび、世界の名著42。猪木正道・勝田吉太郎編集。中公。1975年第10版。を読みました。

この名著シリーズですが、プルードン、バクーニン、クロポトキンのオムニバスとなっている。順序も

もっとみる
  2023年のお気に入りアルバム10枚

2023年のお気に入りアルバム10枚

今年も例年通り、新譜で特におすすめしたいアルバムをまとめました。

毎年書いてるので細かい挨拶など色々端折って特にお気に入りの10枚を短文とともに紹介していきます。そしてこれも毎年書いてますが、順位はクオリティを表すものではなく、「他の人にも聞いて欲しい度」みたいなものなので、順番や漏れた作品に関してあまり深い意味はないです。少なくともここにあげてる10枚は、本当は全部聞いてほしいくらいなので、気

もっとみる
[全曲レビュー] Jonathan Richmanの「Rock'n'Roll With The Modern Lovers」を聴いた。

[全曲レビュー] Jonathan Richmanの「Rock'n'Roll With The Modern Lovers」を聴いた。

 いいかげん卒論を書かなくちゃいけないんだけど、メルカリで注文した参考文献の書籍が届かない、やる気が出ない、そもそも何を書いたらいいのか分からない。と、色々と問題を抱えているので、今日は諦めてNoteの方を書きます。まだ提出まで1ヶ月あるんで…

 今日紹介するのはJonathan Richmanの「Rock'n'Roll With The Modern Lovers」です。今年の8月にトルコへ旅

もっとみる
「真珠湾攻撃総隊長の回想 淵田美津雄自叙伝」読書感想文

「真珠湾攻撃総隊長の回想 淵田美津雄自叙伝」読書感想文

著者の淵田美津雄は、真珠湾攻撃の際には39歳。
階級は中佐である。

約360機を率いてハワイ上空に攻め込む。
全軍突撃を命じて、4分後には成功を確信して “ トラトラトラ ” の打電を発する。

すべての攻撃が終わるまで、3時間余りを上空で旋回を続けて、戦果を確めてから帰投する。

高揚感を持って、詳細に書かれている。
ここまでで、本書は3分の1が割かれる。

翌年のミッドウェー海戦の様子も書か

もっとみる
音楽の歴史を狭めることで見えなくなるもの

音楽の歴史を狭めることで見えなくなるもの

「民間伝承(folklore)は、三世代(一世代=約30年、つまり約90年)以上にわたって伝承されてきた有形無形の文化である。」という定義を拡大解釈して、民俗音楽の歴史を現在からたった三世代までしか遡らないとする人がいます。三世代以上と三世代までとでは全く意味が違いますし、伝統的な音楽の歴史がたったの90年!というのはいったいどういうことでしょう。何かしらの意図がないと、そうはなりません。それは、

もっとみる
AIイラストにひと手間加えて、切り絵風にする方法

AIイラストにひと手間加えて、切り絵風にする方法

今回は、AIイラストにひと手間加えて、切り絵風にする方法をまとめてみます。

まず「stable diffusion」「midjourney」などのイラスト生成AIで、背景イラストを作ります。
個人的には「DreamStudio」が使いやすいですね。
「DreamStudio」とは、web上で動作する「stable diffusion」です。PCのスペックが低くても使えます。
また「Upload

もっとみる
5月1日に考えるゴースト・ワーク|銀河鉄道の夜

5月1日に考えるゴースト・ワーク|銀河鉄道の夜

 5月1日はメーデー(May Day)。歴史ある労働者の祭典として、世界中の国々が揃って祝日となっている。日本はというとご承知のとおり、過密なゴールデンウィークを避けるかのように11月23日に設けられた勤労感謝の日を代わりとして、平日だ。いまや企業の一部に納まってしまった労働組合の機能不全と相まって、その存在すらも忘れている人が多いだろう。飛び石連休の最中、付与とともに取得を義務付けられた有給休暇

もっとみる

【書評】『アナキズムとキリスト教』ジャック・エリュール[2021]

エリュール,ジャック[2021]『アナキズムとキリスト教』新教出版社編集部訳,新教出版社.評価:☆☆☆★★

 キリスト教的思惟の奥深さを思い知らされる一冊だ。あるいは、「根深さを」というべきだろうか。
 著者は、1930年代の「非順応主義」と呼ばれる運動を経て、プロテスタント神学の立場から「キリスト教アナキズム」というべき特異な思想を展開するに至ったフランスの知識人、ジャック・エリュールだ。
 

もっとみる
Daft Punkと私

Daft Punkと私

2021年2月23日朝、Yahoo!ニュースを見ると
「仏ダフト・パンクが解散発表」

うぉ!

まさか本人たちも日本のニュースで白鳳とSnowManに囲まれて発表されているとは知らないと思うが、残念ながら解散らしい。

本人たちが決める事なので、しょうがないですが
やはり色々思い出されるので、noteしてみようと思います。
主観的な思い出多いので、長いのはご了承ください。

Daft Punkが

もっとみる
【技術史】胃カメラ

【技術史】胃カメラ

古くから医療現場には、「体を切り開くことなく、食道や胃などの消化器官を観察・診察したい」というニーズがあった。
1863年、ドイツの医師クスマウルは、よく磨かれた金属管を鏡として消化器官の内部を直接観察する、胃鏡なる器具を考えた。まさしく「内視鏡」というべき技術の誕生だ。
長さ47cm、直径1.3cmのまっすぐな金属管を利用した胃鏡、そんなものを胃の中に入れられる人はそうはいない。クスマウルは奇術

もっとみる
Vol.1:NFTの譲渡益は譲渡所得?雑所得?(所得税)

Vol.1:NFTの譲渡益は譲渡所得?雑所得?(所得税)

クリプト関連の税金を得意とする税法研究者と税理士が、NFTの税金について、他ではみられない一歩踏み込んだ検討をします!(税務相談・税務調査対応等のお仕事依頼はこちら)

(2022年4月2日追記:2022年4月1日に、国税庁は、NFT(ノンファンジブルトークン:非代替性トークン)とFT(ファンジブルトークン:代替性トークン)の税金に関するタックスアンサーを公表しました。
国税庁タックスアンサーNo

もっとみる
2022年演奏と言葉の旅

2022年演奏と言葉の旅

今年は久しく本番が多い年で、吹奏楽2つ、オーケストラが2つ、アンサンブルは1つの計5つのステージに参加できた。

参加月にメモしてあった言葉を振り返って、今年を俯瞰してみる。

2022年3月(ほぼ)初の吹奏楽の本番があった月。

「興奮しない。エゴを外に向けない。自分の内にとどめる。」
この時は、自分の演奏を誰かに聞いてもらうことで《圧倒させたい》みたいなことを考えていた。けれども、それは客側か

もっとみる
SF小説を彩るイラストたちの記憶

SF小説を彩るイラストたちの記憶

 ちょっとマニアックなSF関係の記事です。

 私は子どもの頃からSFが大好きで、50代をとうに超えた今もSF小説をよく読むんです。

 思い起こせば、ハヤカワ文庫の青背など、SF小説を買い始めたのは小学生の頃なんですが、その頃の自分にとって、文字ばかりの本から、いろんなSF世界をイメージするのは難易度が高かったのです。

 そんな時、頼りになるといえば

本のカバーに描かれているイラストや、途中

もっとみる