まいん 夢から覚めたい22歳

毎日、楽しいをつくる。歌うことが好きです。〈時折、ぽつりぽつり〉

まいん 夢から覚めたい22歳

毎日、楽しいをつくる。歌うことが好きです。〈時折、ぽつりぽつり〉

記事一覧

4月のため息 

22歳。大人と呼ぶには、十分なお年頃である。つい十年前、まだ小学生だった私には、大人なんて遥か遠い未来に思われた。なんなら、本当に大人になるのかな、なんて思ってい…

夜明けへ

長い冬は溶けて、春が来た。  と思った。 もうすぐ、笑顔の咲き乱れる毎日が来る。 と思った。 そう簡単では無かった。 マスクをした日々は続き、涙を飲む。 笑った…

ばあば先生

おばあちゃんは、私の師匠だ。なんでもできる。暮らしのエキスパートである。私の家族は皆、彼女のことを「ばあば先生」と呼ぶ。 ばあば先生は、私の母の母だ。私が幼稚園…

ブルーナさんの瞳

ミッフィーと私ミッフィーは、生まれた時から隣にいた。母が好きだったからだろう。タオルや、お皿など、身近なところにいつもミッフィーがいた。 アニメも見ていた。物…

物と、私と、思い出と、

物に囲まれている。 暮らしを営む者なら誰でもそうなのだが、私の場合、特に、多くの物に囲まれていると思う。 この間、私は「断捨離」を決行した。新生活、引越しに伴っ…

いい子だった

最近、インスタグラムを開くと、オススメに、「繊細な人」「HSP」「敏感さん」などの言葉が並ぶようになった。もちろん、これはたまたまそうなっているのではない。おそら…

目に見えぬ、人類の敵たち

日本人を、2つのグループに分けることができる。 春が好きな人と、嫌いな人だ。 それを分けるものは何か。花粉だ。 花粉症は、日本人の国民病と言ってもいいほど、私た…

背中を押す、青かった春

大学生になる。 らしい。 正直まだ実感がわかない。私にも大学生になる日が来るのか。 大学生っていうと、ずーっと年上のお姉さんだと思っていた。高校生までは子どもな…

4月のため息 

4月のため息 

22歳。大人と呼ぶには、十分なお年頃である。つい十年前、まだ小学生だった私には、大人なんて遥か遠い未来に思われた。なんなら、本当に大人になるのかな、なんて思っていた。毎日うんうん、と悩みもするけれど、そんなのはよそに、月日は簡単に流れるものだ。

こんな年にもなると、同い年の人々は就職活動をするらしい。就活。お兄さんお姉さんは大変だなあ、なんて思っていたが、こんなことでは「ちょいとあんた、あんたの

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夜明けへ

夜明けへ

長い冬は溶けて、春が来た。 

と思った。

もうすぐ、笑顔の咲き乱れる毎日が来る。

と思った。

そう簡単では無かった。

マスクをした日々は続き、涙を飲む。

笑ったような目は、あなたに見えるかもしれないけれど、口もとはわからないね。

けれど、

眠った。
食べた。
喋った。
動いた。

私だけの1年。

貴方だけの1年。

目覚めると、窓の外は愛想なんて無く、いつだって眩しかった。

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ばあば先生

ばあば先生

おばあちゃんは、私の師匠だ。なんでもできる。暮らしのエキスパートである。私の家族は皆、彼女のことを「ばあば先生」と呼ぶ。

ばあば先生は、私の母の母だ。私が幼稚園に通っていた頃、母は仕事に行っていたため、私たちを迎えに行ったあと、ばあば先生に、私と、一つ年下の妹を預けることがよくあった。住宅、畑だけに囲まれた閑静な地域で、私と妹は自分たちだけの遊びを楽しんだ。家の前の道で自転車の練習もしたし、よく

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ブルーナさんの瞳

ブルーナさんの瞳


ミッフィーと私ミッフィーは、生まれた時から隣にいた。母が好きだったからだろう。タオルや、お皿など、身近なところにいつもミッフィーがいた。

アニメも見ていた。物心ついた時にはNHKで「ミッフィーとおともだち」が放送されていた。人形が動いているような映像で、とてもふんわりとした印象のかわいいアニメで、お気に入りだった。しっかりとした内容はあまり覚えていないのだが、小さかった私は、アニメに出てくるお

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物と、私と、思い出と、

物と、私と、思い出と、

物に囲まれている。
暮らしを営む者なら誰でもそうなのだが、私の場合、特に、多くの物に囲まれていると思う。

この間、私は「断捨離」を決行した。新生活、引越しに伴って、のことだった。

よし、やるぞ。と決意したのは良いものの、そこからすぐに、先程の決意とやらは、私の頭からフラフラと離れていった。「断捨離」。思いを「断ち」、「捨て」、物と「離れる」と書くように、物を減らしていかなければならないのに、部

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いい子だった

いい子だった

最近、インスタグラムを開くと、オススメに、「繊細な人」「HSP」「敏感さん」などの言葉が並ぶようになった。もちろん、これはたまたまそうなっているのではない。おそらく、オススメというのは、ユーザーが興味のありそうなことを提示してくれている機能なのだろう。つまり、私の閲覧履歴に合わせて、最初に書いたようなワードを拾っているのだ。

私は、昔から「いい子」であった。そして、「いい子」であることに誇りを持

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目に見えぬ、人類の敵たち

目に見えぬ、人類の敵たち

日本人を、2つのグループに分けることができる。

春が好きな人と、嫌いな人だ。

それを分けるものは何か。花粉だ。

花粉症は、日本人の国民病と言ってもいいほど、私たちを毎年悩ませるものである。もはや、風物詩になっているのではないか。

そんな小さな粒子に悩まされる人々の中には、北海道や、沖縄に、花粉から身を守るため、非難するという人もいるらしい。わざわざ避難しようというのだから、花粉が私たちに及

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背中を押す、青かった春

背中を押す、青かった春

大学生になる。

らしい。

正直まだ実感がわかない。私にも大学生になる日が来るのか。

大学生っていうと、ずーっと年上のお姉さんだと思っていた。高校生までは子どもなのかなあ、じゃあ、大学生は大人かなー。なんて思っていた。

で、私、大学生なんですけど。もう大人にならなければいけない季節なのかも。んー、大人ってなに?

進学にあたって地元を離れることになった。早く知っている町を飛び出して、一人で生

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