マガジンのカバー画像

stories ①

24
運営しているクリエイター

記事一覧

白銀の世界①

「奪い去ってしまえ」

私の記憶は確かではないけれど、私は確かに私を愛する
私にとっても、最愛の彼の腕に抱かれていた。
大勢の〝彼ら〟が私を取りまいているけれど、私はその腕の中でその声の持ち主だけをさがしてた。
目まぐるしく、多勢の腕から腕へと、私は運ばれ移動してゆく。
(彼の声はどこ?)

私はどうやら、死んでしまった死後の世界でも危険な状態のようで
「必ず、助けろ」
彼の声が聞こえる
「なにを

もっとみる

【 黄金の腕の中で ~life and destiny~ story④ 】 (短編小説/超短編小説)

ぼくの体は、とてもちいさい。
そして彼女の腕の中は・・・
とても広くて、あたたかい。
ぼくは、とても疲れていたんだ。 とても。
いつだったかは、忘れちゃったけれど、
彼女がぼくを見つけてくれたんだ。 あたたかい‥。
ぼくは彼女に抱きかかえてもらえると、とても眠たい。
とても、とても眠たかったんだった。
ぼくには友達がいたんだけれど、 忘れちゃいそうだ。
みんな、元気かな‥
ぼくはとてもあたたかい腕

もっとみる

【 風に抱(いだ)かれ、宙を舞う ~life and destiny~ story③ 】 (短編小説/超短編小説)

俺は死んだ。
いつだっただろうか。
俺は、ある日突然死んだんだ。
とても、
とてもスッキリしたよ。
俺の葬式には普段俺の存在なんて、全く見えていないような人物達で溢れていたんだ。
その時初めて気がついた。
俺はもう、戻れない。

俺は本当に、死んだんだ。

それからの日々は、とても退屈なもので

ただ、風に抱かれて宙を舞っていた。

そして
君を探していた。
君はどこだ。
俺を唯一、抱きしめてくれ

もっとみる

【 大切な命 ~life and destiny~ story② 】 (短編小説/超短編小説)

「〝 大切な、命だよ 〟」

「粗末にしては、いけないよ。」

「〝命〟は、大切なものなんだ 」

「命を粗末にしてはいけないよ。」

そんな言葉に私の命は殺された。

私の命を、粗末にしたのは本当に私‥?

「捻くれているよ。」

「君は、捻くれている。」

先生が、そう言った。

「彼女には特別な指導が必要です。」

母は、「はい」と頷いた。

「ご迷惑を、おかけします。」

私は学校の屋上か

もっとみる

【 僕の恋人 ~life and destiny~ story① 】 (短編小説/超短編小説)

僕の恋人は死んだ。

ある日 突然に死んだ。

彼女を殺したのは、

僕だ。

僕たちだ。

最期にトドメを刺したのは、 僕だった。

「違うんだ!!」

僕の声は宙を舞った、だけだった。

数分前までの僕の共犯者達が

一斉に僕を罵った。

彼女を殺したのは、僕だ。

〝 愛しているよ。〟

ただ、

そう伝えたかっただけなんだ。

僕の恋人は死んだ。

僕の恋人は

本当に死んだんだ。

【 神と仏 ~the☆gods~① 】 (短編小説/超短編小説)

神「どうする〜?」

仏「マジどうする〜?」

神「ハンパなくな〜い?」

鬼「あっ それは今 “パねぇ” です。」

仏「マジで〜⤴︎?」

神「ありえなくな〜い⤴︎?」

釈迦「マジウケるんですけどwww」

鬼「それは 卍(マンジ)」

仏「まじで〜⤴︎?」

神「ありえなくな〜い⤴︎?」

神「どうする〜⤴︎?」

疫病「ダルくね?」

仏「ナイナイ笑」

神「マジほとけなんですけど。」

もっとみる

【 パラレル・ワールド 】 (短編小説/超短編小説)

夢をみた。

お父さんと、どこかの駅こう内にいてる夢だった。
そこはショッピングモールみたいな感じになっていて
現実よりもずっと綺麗な場所だった。
大きなエスカレーターが、どんどん人を運んでゆく。そんな場所だった。
大きなガラスの向こう側は、大空が広がっている。そんな場所。
そんな感じ。清潔なカンジ。
もちろん、ショッピングもできる。ショッピングモールっぽいかんじだから。
それからすごくせいけつな

もっとみる

【 。全てを壊して 。】 (短編小説/超短編小説)

ある日すべてを壊したくなったんだ。

その日、僕はすべてを壊したくなったんだ。

「 私は子どもの頃から愛なんて信じていなかったの。ごめんなさい。心にあるのは折られた花だけ。羽根さえ守れば、また咲くことを忘れて生きていけると思ったの。」

もっと、自信をもって

そう言ってほしかった。

多少傷ついて痛いくらい

もっと傷ついた過去があることを、たまには思い出してあげて。

〝祈り〟に〝名〟がつく

もっとみる

【 不幸な俺の布教活動 】 (短編小説/超短編小説)

僕は寝たきりで不幸だ。
お金も無くて不幸だ。

ようし、こうなったら幸せそうな苦労人をインターネットで叩いてやる。
蹴ってやる。蹴ってやる。僕はこんなに不幸なんだ。
そうだ!僕が 《教育》してあげよう!教祖は彼だ!丁度インターネットで見つけたんだ!
そうか‥
これは、運命だ‥
運命で使命だ‥。
僕がやるしか無いんだ。
教祖が僕を守ってくれる。肯定をしてくれる‥。
彼は神だ。
待てよ。彼は神なんじゃ

もっとみる

【 遺書・私の恋人 】 (短編小説/超短編小説)

私の恋人は雲や風、空であるわ。

生きている限り会えることもない。

それでもいつでも私を迎えいれてくれるわ。

抱きしめて、包みこんで
癒してくれている 。

あなたに還りたいわ ... とても

とてもあなたが恋しくて

心や胸が張り裂けてしまうのではないかと

あなたを捜し、想う夜もあるわ。

私の唯一の友達は、お月様。

そんな夜だって光を放ち

“ 忘れてはならない ” と思い出させ

もっとみる

【 派遣番号24 】 (短編小説/超短編小説)

「 ハタシのタントウハどコにナリマスか? 」

ナんか 、ハヤい‥
シュごイ‥
オチツコ‥

「 ソノマエに 、シュッシン惑星ハどチラデすカ ?」

ドきドキ‥

「 エッと‥ チキウデす 。」

シュごイ‥
「 ハジめテみタ‥ 」

アッ
イッチゃッタ‥

「 アリガトウごザイマシた 。」
アッ
「 アりがトウゴざイまシタ 」

「 ハタシのタントウハどコになりマスか? 」

エっト

「 WA

もっとみる

【 カリスマ惑星07(03) 】 (短編小説/超短編小説)

ココハ 、カリスマのホシ 。
タクサンのカリスマがジブンのデバンをマッてイル 。

カリスマをスルタメニ 、カリスマをスル 。

「 28バンのバンゴウフダをオモチのカタ 」

バンゴウをヨバれルト 、出発ダ 。

ミナ 、カガミをミたり 、ハダのテイレなどシナガら

ソノ 、ジュンバンをマッてイル 。

「 24バンのカタ 、どうかシマシタか? 」

ナニカ 、あっタヨウダ 。

「 ナンデモ

もっとみる

【 極楽鳥 】 (短編小説/超短編小説)

青い鳥が捕われた。 —かわいそうに。

私は青い鳥とは一切無関係の、極楽鳥。

極楽鳥であるわ。

つまり、極楽。 —そう見えるだけであるわ。

私は捕われることなど無さそうであるけれど、

それはつまり、隠れて暮らしているからであるわ。

羽の手入れは欠かせないものの‥ 否、欠かさないものの

この大きな翼を誰かに広げて—

ー魅せる機会は、ないでしょう。

今日も追われたり捕われる心配の無さそ

もっとみる

【 イライラ自由鳥 】 (短編小説/超短編小説)

私は、幸せの青い鳥。 自由鳥。

とても、羽ばたいていたわ。

とても、羽ばたいていたわ。

自由がとっても、苦しかった。

苦しかったわ。 どうしてかしら。

それは、思考するからね。
自由といえど、帰らなければならないわ。 道もあるわ。

北も南も、覚えているわ。 毎回毎回、感じているのよ。

それが時折、隠れた些細な

ストレスであったわ。

どこへゆくのも、自由なようで

どこにも必ず、〝

もっとみる