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仕事について、日々の生活について

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会社員に必要なコミュニケーション能力は年を重ねるにつれ変化する

会社員に必要なコミュニケーション能力は年を重ねるにつれ変化する

仕事をする上では何にしてもコミュニケーション能力が重要だと言われる。
お客さんの言っていることを正しく理解すること、上司から言われた指示の意図を汲み取り適切に行動すること、相手の意図を読んで一歩先に行動すること。

これらは会社員のみならず自営業を行う方にとっても必須の能力である。
そして、年を取るにつれてこの能力はより重視されるようになってくる。

若い頃は、特殊スキルや専門知識を習得しておけば

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ケツメイシ「海外駐在員への唄」が秀逸である理由;実際の海外駐在の経験を踏まえて

ケツメイシ「海外駐在員への唄」が秀逸である理由;実際の海外駐在の経験を踏まえて

ケツメイシの「海外駐在員の唄」を聞いた。そして私は昔、駐在員として安全・安心・快適に暮らしていたインドネシアと米国での生活を思い出した。

※ 駐在員とは、日本の会社から海外現地子会社または海外支店に派遣され、およそ3ー5年の期間、海外で業務を行う方々を指す。現地の会社で採用され、現地に骨を埋める覚悟を決めた日本人の方とは異なる。

駐在員としての海外生活は、正直言って現地で骨を埋める覚悟で挑戦す

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吉祥寺に住んでみて

吉祥寺に住んでみて

吉祥寺に住み始め早3年が経過した。

これまで住んできた街と同様、引っ越してきてから次第に吉祥寺の住環境が好きになってきた。

吉祥寺の魅力については人それぞれ意見が異なると思うが、個人的には何といっても「井の頭恩賜公園」という歴史と風情を備えた公園が生活圏内にあることだと思う。

休日に池を眺めるのも良いし、子供と水生物園や三角広場で遊ぶのも良い。また、少し南に下ればジブリの森美術館にも行けるし

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映画「タイタニック」を観れば「女は上書き保存」説は嘘だとわかる

映画「タイタニック」を観れば「女は上書き保存」説は嘘だとわかる

つい最近、久しぶりにAmazonプライムで映画「タイタニック」を観て、改めて残酷だなと思う場面を見つけてしまった。

それは、タイタニック号と共に海の中に沈んでいった無数の人々、について感じた運命の残酷さではない(この点については、若い頃観た際に痛く感じた)。映画の最後のシーン、つまり100歳を超えたローズが、最期の息を引き取るシーンである。

このシーンではローズが走馬灯のように自分の過去を振り

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D・カーネギー「人を動かす」は対人関係をよくするための名言の宝庫だった

D・カーネギー「人を動かす」は対人関係をよくするための名言の宝庫だった

本書は1936年に初版が刊行された後、世界中で読み継がれているリーダーシップ本である。日本では主にビジネス書としての位置付けで引用されたり参照されることが多いが、英語の原題は「How to win friends and influence people」であり、ビジネスの場面以外の友人関係の場、社交の場でも十分応用が効く原則ばかりが並んでいる。

以下、本書に記載されていた記述のうち、心に残った

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証券アナリストジャーナル読後メモ:AI / IoTは経済構造をどう変えるのか 柳川範之

証券アナリストジャーナル読後メモ:AI / IoTは経済構造をどう変えるのか 柳川範之

https://www.saa.or.jp/journal/eachtitle/pdf/taikai_161201_1.pdf

証券アナリストジャーナルを2010年頃からずっと購読している。著名な学者そして経営者の貴重な講演や論文を閲覧できることができ、大変勉強になっている。年会費18,000円は維持コストとして高い、という声も周囲でよく聞くが、月にならせば月額1,500円である。月一回の外食を

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「ソニー再生」を読んで、平井一夫元CEOは「貞観政要」の君主像の生き写しだと思わされた

「ソニー再生」を読んで、平井一夫元CEOは「貞観政要」の君主像の生き写しだと思わされた

ソニーの元CEO、平井一夫氏の著作「ソニー再生」を読んだ。

平井一夫氏はソニー在籍中、ソニーグループ3社の事業再生を手がけた、事業再生請負人である。

最初はわずか35歳にしてアメリカのサンフランシスコの南にあるフォスター・シティにあるソニー・コンピュータ・エンターテインメント・アメリカの事業再生を手がけた。

その後日本に戻ってからは(正確には、生活の拠点である米国か家族を残して日本に単身赴任

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自分のやりたいこと=暇な時に自然と始めてしまうこと

自分のやりたいこと=暇な時に自然と始めてしまうこと

「自分のやりたいこと・好きなことがわからない」を模索する若者がいる。結論、これは自ら意識して外の世界に見つけにいこうとしても見つからない。バックパックで自分探しの旅に出たりしても、夕日に沈むアンコールワットや朝焼けに映えるボロブドゥール寺院の中には「自分は何をやりたいのか」という答えはない。

むしろ過去の自分を振り返り、「自分は暇ができたとき、無意識にとっていた行動は何か」を思い返した方が「自分

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米国の大手プライベートエクイティの方々と仕事をご一緒した感想(投資家としての立場から見た視点)

米国の大手プライベートエクイティの方々と仕事をご一緒した感想(投資家としての立場から見た視点)

少し前に、超一流プライベートエクイティの米国本社で勤務する方(マネージングディレクター、パートナーレベル)と面談を行う機会があった。

プライベートエクイティと言えば、投資銀行やコンサルティング会社で勤務した方々の次の転職先として人気の超高給の職業である。

日本で有名なプライベートエクイティと言えば、カーライル、ベイン、KKR、ユニゾンキャピタル、AIキャピタル、アドバンテッジ・パートナーズ、C

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映画「デトロイトメタルシティ」を観に行った時の苦いような楽しかったような思い出を綴る

映画「デトロイトメタルシティ」を観に行った時の苦いような楽しかったような思い出を綴る

#映画にまつわる思い出

これまで40年近く生きてきたが、感性が乏しいせいか「人生を変えた映画」というものに出会ったことがない。

大学では一般教養科目として「映画論」という授業をとっていたし、所謂名作と呼ばれる映画を一時期貪るように観たことはあったが、それでも自分の内面が大きく変わった、という経験は悲しいが一度もない。

一方で、映画を観に行ったおかげで自分の人生の行き先が少しだけ変わったという

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さよなら情報銀行

さよなら情報銀行

情報銀行Dprimeのサービス終了記事を日経新聞で見つけると同時に、Dprime運営事務局から昨日、サービス終了のお知らせメールをもらった(以下はサービス終了お知らせメールのスクリーンショット)。

情報銀行と言えば、もともとは東大の柴崎教授がその構想をTEDトークで発した後、瞬く間に広まった後、当時の安倍政権の下で具体化が進められた官主導のプロジェクトだ。

その具体的な成果の一つが三菱UFJ信

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UPS(米国の運送会社)の管理職12,000人リストラの衝撃

UPS(米国の運送会社)の管理職12,000人リストラの衝撃

今日、とあるX(旧Twitter)を見て驚いた。米国の大手運送会社であるUPS(United Parcel Service Inc.)が12,000人の管理職をレイオフするとのことだ。

UPSは本社がジョージア州アトランタにあり、2022年の売上高は1,003億米ドル(約14兆円)で、従業員人数50万人超の巨大物流企業である(下記スクリーンショットご参照)。

UPSは日本でいうところの郵便局と

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顕在化し始めたウクライナ侵攻における不都合な真実

顕在化し始めたウクライナ侵攻における不都合な真実

ロシアによるウクライナ侵攻は、ロシア側にとって有利な戦局となりつつある。これまでのウクライナ侵攻の経緯も振り返りながら、そう思われる理由について以下説明したい。

1.これまでの経緯

2022年2月に始まったウクライナ侵攻当初は、ロシアの圧倒的な軍事力を前にゼレンスキー政権は早々に降伏しロシアの傀儡政権が誕生するものと思われた。(戦力比較の詳細データは下記リンクご参照)。

だが、士気を高めたウ

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外銀の投資銀行部門の方々と働いてみた感想(顧客の立場から見た風景)

外銀の投資銀行部門の方々と働いてみた感想(顧客の立場から見た風景)

前職で新規事業開発部門に所属していた時代、戦略コンサルや外銀の投資銀行部門(IBD)と一緒に仕事をしたことがある。

どちらの仕事も高給でやり甲斐もあり、社会的な地位も高いためか、ここ20年間で常に最難関の就職先として君臨し続けている。

戦略コンサルタントと言えば大企業の経営者の参謀としてロジックとファクトをもとに戦略を提言する職業であり、また投資銀行IBDといえばこちらも連日の深夜2、3時まで

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