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これまでいろんな人に会って来ました。「世の中にはこんな人もいる」と何かの気付きに繋がれ…

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これまでいろんな人に会って来ました。「世の中にはこんな人もいる」と何かの気付きに繋がればと思い、この記事を書いてます。

記事一覧

電車の席の譲り合い

電車に乗っていた時のこと。 自宅最寄り駅から、街中に行こうとしてた。 到着した電車に乗り込み、座ろうとしたけど、人半分くらいの隙間は何か所かあったけど、座れそう…

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4日前

シンカンセンスゴイカタイアイスが、すごく硬いと知った日

学生の頃は、特に、お金がなかった。日々の食生活では、できるだけ安い野菜を買い、魚は1パック150円のいわし、肉ならグラム45円の鶏むね肉が定番のラインナップ。たまにパ…

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11日前
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覚えたてのバイバイ

会社を辞めて、転職先がなかなか決まらず、なるべくお金を使わないように生活をしていたとき。 家の食材がなくなったので、スーパーマーケットに向かって歩いていた。いつ…

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2週間前
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寝ずの番

以前、演劇公演の手伝いをしていたとき。私は照明を指定の場所に取り付けたり、影段や平台を設置する、大道具のような仕事をやっていた。人手が不足する、力仕事を主に担当…

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3週間前
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のんびり、ゆっくり

のろのろ運転をしている軽自動車が1台。 通っていた道は車1台は余裕だけど、車2台が交差するとなると、注意が必要な、割と狭い道。 その車のスピードは、重い荷物を両手に…

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1か月前
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引き際の判断

以前、勤めていた会社で働いていた、ご老人のAさんの話。そのころは会社にPCが導入されて間もない時。今では考えられないほど、PCのスペックは低く、アナログとデジタルが…

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1か月前
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秋の味覚- 梨

大学生の頃、友人と5~6人で梨狩りに行くことになった。 私ももれなく「大学生、暇はあるけど、金はない」状態だったので、その日は、朝食も食べず、梨でお腹を膨らませる…

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1か月前

対向車線のトラック

バイクを買って間もないころ、そのバイクで仕事へ向かっていた。 勤務場所までは長い1本道で、信号はほぼない。 建物もほぼなくて、空き地が続いている。途中に1件の工務…

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1か月前
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自分の好きな仕事に就いている人って、きっとこんな人

友人と2人で、韓国旅行へ行ったとき。 宿泊先はソウルの明洞周辺。仁川空港からは「バスが便利」と、友人がYoutubeで見たらしく、空港1階の交通センターで、その動画に映…

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2か月前
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いつもの配達先で

配達サポートのアルバイトをやっていた時。 荷物の配達と集荷をするのが、私の仕事。午前中と午後に3時間ずつ。社員の方が運転する車で配達場所まで移動して、台車に載せ…

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2か月前
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トランジットで訪れたインド

ずーっと昔、初めての海外旅行。行先が遠かったので、トランジットで、インドに1泊することに。なので、初海外の地はインドと言うことになる。 到着したのは深夜。翌朝に…

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2か月前

車椅子の女性

会社帰り。駅の前にはロータリーがあるだけで、お店もない。 人通りも少ない。行き交うのは駅に向かう人と駅から出てくる人だけ。 私は駅に向かう道を、音楽を聴きながら…

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2か月前

料理長

居酒屋でアルバイトをしていたとき。 その居酒屋は結婚式の2次会も開かれる、少しおしゃれなお店で、私はキッチンの調理補助として働いていた。 キッチンの担当は、煮物や…

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2か月前
2

こういうとき

大学のときに、先輩に頼られ後輩に慕われている友達がいた。いつも誰かと一緒で、一人暮らしをしている部屋にさえ、いつも誰かがいた。 変に落ち着いた雰囲気があったから…

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3か月前

大家さん

1人暮らしを始めた最初の家は、古い文化住宅だった。 出かけるために洗い物を済まそうと、蛇口をひねったら、なんだか足元が冷たい。こぼした水を足で踏んでしまったかと…

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3か月前

台湾でひょっこり

3月、台湾、桃園空港。 台湾旅行を終えて、帰国する日。早朝5時。 飛行機のチケットを受け取りに、タイガーエアの空港カウンターに並ぶ長い列。私と友人も、その列の最後…

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3か月前
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電車の席の譲り合い

電車の席の譲り合い

電車に乗っていた時のこと。
自宅最寄り駅から、街中に行こうとしてた。

到着した電車に乗り込み、座ろうとしたけど、人半分くらいの隙間は何か所かあったけど、座れそうもない。
そこで、乗降口の周辺に立って乗ることにした。

私が乗り込んだあとに、2人の初老のおばちゃんが電車に乗ってきて、その内の1人が、その半分くらいの隙間に座った。もちろん、そのおばちゃんが細いとは言え、人ひとりが座るには狭いので、シ

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シンカンセンスゴイカタイアイスが、すごく硬いと知った日

シンカンセンスゴイカタイアイスが、すごく硬いと知った日

学生の頃は、特に、お金がなかった。日々の食生活では、できるだけ安い野菜を買い、魚は1パック150円のいわし、肉ならグラム45円の鶏むね肉が定番のラインナップ。たまにパンが食べたくなった時は、10円で買えるパンの耳を食べたりしていた。

それでも年に2回は、実家に帰っていた。交通費でお金はなくなるけど、実家に帰れば、思う存分、食べさせて貰える。食事だけの問題ではないけど。

実家へは新幹線で帰ること

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覚えたてのバイバイ

覚えたてのバイバイ

会社を辞めて、転職先がなかなか決まらず、なるべくお金を使わないように生活をしていたとき。

家の食材がなくなったので、スーパーマーケットに向かって歩いていた。いつも行くスーパーは最短距離で行くと、途中に、狭い路地がある。狭過ぎて、大人1・2人しか通れないから、車も気にせず、ぼんやりとしながら歩けた。その日も、「今日も何も決まらなかったなあ」と思いながら、ぼんやり歩いていた。

ふと、何か視線を感じ

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寝ずの番

寝ずの番

以前、演劇公演の手伝いをしていたとき。私は照明を指定の場所に取り付けたり、影段や平台を設置する、大道具のような仕事をやっていた。人手が不足する、力仕事を主に担当していた。

次回の舞台は9月で、場所は雑居ビルの1階ガレージ。屋根はあるけど、鍵が閉まるドアはついていなかった。

ぱっと見、演劇の公演をやるような場所には見えないから、照明やミキサーが置いてあるようには見えないけれど、高価な機材の設置を

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のんびり、ゆっくり

のんびり、ゆっくり

のろのろ運転をしている軽自動車が1台。
通っていた道は車1台は余裕だけど、車2台が交差するとなると、注意が必要な、割と狭い道。

その車のスピードは、重い荷物を両手に抱えて歩いていた私が、通常の速度で歩いて、追いついてしまうくらいの遅さ。

対向に車も来ていない。なぜだろうと、車を追い越してみると、道の両端におばあさんが1人ずつ歩いていた。

左側のおばあさんはカートを押し、右側のおばあさんは杖を

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引き際の判断

引き際の判断

以前、勤めていた会社で働いていた、ご老人のAさんの話。そのころは会社にPCが導入されて間もない時。今では考えられないほど、PCのスペックは低く、アナログとデジタルが混在していた。

Aさんは、商品の下地となる銅板の仕入れを担当していた。大企業を勤め上げた後、のちに私が働くことになる会社へ入社されたそう。入社当時から、既に高齢だったので、仕事はアナログで管理をされていた。

その人の性格を如実に表し

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秋の味覚- 梨

秋の味覚- 梨

大学生の頃、友人と5~6人で梨狩りに行くことになった。
私ももれなく「大学生、暇はあるけど、金はない」状態だったので、その日は、朝食も食べず、梨でお腹を膨らませる予定で参加した。

電車に乗って、梨狩り会場がある、梨農園へ向かった。電車の中で和気あいあいとしゃべりつつ、初めての梨狩りはどんなもんだろうと考えていた。

梨はみずみずしいし、そんなにお腹にたまらない。それに果物自体、最近、食べてない。

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対向車線のトラック

対向車線のトラック

バイクを買って間もないころ、そのバイクで仕事へ向かっていた。

勤務場所までは長い1本道で、信号はほぼない。
建物もほぼなくて、空き地が続いている。途中に1件の工務店があって、そこの大きなトラックか別のトラックとたまにすれ違うだけの、閑散とした道を使っていた。

その道を走るのは、なるべく、右折や左折を避けてたこともあるけど、何もない道を、止まらずに走れることの爽快感が強かった。
それで、知らずに

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自分の好きな仕事に就いている人って、きっとこんな人

自分の好きな仕事に就いている人って、きっとこんな人

友人と2人で、韓国旅行へ行ったとき。

宿泊先はソウルの明洞周辺。仁川空港からは「バスが便利」と、友人がYoutubeで見たらしく、空港1階の交通センターで、その動画に映っていた、バスのチケット発券機を探していた。

チケット発券機はすぐに見つかったものの、明洞行きのチケットが発券ができない。似ているけど、違う発券機があるのだろうと、私たちは「こっちでもない」「あっちでもない」と、交通センター内を

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いつもの配達先で

いつもの配達先で

配達サポートのアルバイトをやっていた時。

荷物の配達と集荷をするのが、私の仕事。午前中と午後に3時間ずつ。社員の方が運転する車で配達場所まで移動して、台車に載せられるだけ、荷物を積む。載りきらない荷物は、ポイントとなるビルのエレベーター前に降ろしておいてもらう。私は配達を済ませ、台車を空にしながら、そのポイントに急いで向かう。それを繰り返すので、仕事中はほぼ走っている。車に乗れるのは、その作業を

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トランジットで訪れたインド

トランジットで訪れたインド

ずーっと昔、初めての海外旅行。行先が遠かったので、トランジットで、インドに1泊することに。なので、初海外の地はインドと言うことになる。

到着したのは深夜。翌朝には、また飛行機に乗ってインドを出国する。ほんの数時間だけ、滞在する予定だった。
でも、何かに使うかも知れないと思い、1ドル分だけ、空港で現地通貨のルピーに両替した。

空港を出ると、スパイスの香りが漂う。現地のガイド兼運転手の方と合流し、

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車椅子の女性

車椅子の女性

会社帰り。駅の前にはロータリーがあるだけで、お店もない。
人通りも少ない。行き交うのは駅に向かう人と駅から出てくる人だけ。

私は駅に向かう道を、音楽を聴きながら歩いていた。

すると視界に一人の車いすの若い女性が入って来る。どうやら私に何かを伝えたい様子。

イヤホンを外して、聞いてみる。

「どうかされましたか?」

女性は歩道の奥側、車道から離れた場所まで、車いすを押して欲しいそう。
私は二

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料理長

料理長

居酒屋でアルバイトをしていたとき。
その居酒屋は結婚式の2次会も開かれる、少しおしゃれなお店で、私はキッチンの調理補助として働いていた。

キッチンの担当は、煮物やだし巻き卵などを作る板場、焼き鳥やスペアリブなどを作る焼き場、から揚げやピザなどを作る揚げ場の3つに分かれていた。私は揚げ場担当。

キッチンには、社員の料理長と料理人の他に、アルバイトが3人、働いていた。アルバイトの内の1人は深夜帯専

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こういうとき

こういうとき

大学のときに、先輩に頼られ後輩に慕われている友達がいた。いつも誰かと一緒で、一人暮らしをしている部屋にさえ、いつも誰かがいた。

変に落ち着いた雰囲気があったからかも知れない。
話すと何でも笑って答えてくれたからかも知れない。
親身に相談に乗った後は、具体的なアドバイスをしていたせいかも知れない。

あるとき、

私は学外でやっていた活動を辞めた。許せないことがあって、勢いのまま辞めてしまった。

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大家さん

大家さん

1人暮らしを始めた最初の家は、古い文化住宅だった。

出かけるために洗い物を済まそうと、蛇口をひねったら、なんだか足元が冷たい。こぼした水を足で踏んでしまったかと思ったけど、ピンポイントに冷たいのではなく、だんだんと靴下が濡れていく感覚が足に広がる。

ー ん?

見ると、流し台の下枠から、水が少しずつ、流れ出て広がっている。

ー 水漏れやん!

私は、すぐに管理会社へ電話した。
しばらく

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台湾でひょっこり

台湾でひょっこり

3月、台湾、桃園空港。
台湾旅行を終えて、帰国する日。早朝5時。

飛行機のチケットを受け取りに、タイガーエアの空港カウンターに並ぶ長い列。私と友人も、その列の最後尾に並んだ。
私たちの順番が近付いてくる。パスポートとチケットの引き替え券を手に持ち、しばらくすると、私たちの番がきた。

手続きが始まり、席は窓際と通路側のどちらがいいのか聞かれる。パスポートの顔写真との照合、預ける荷物はあるのかない

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