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【最近読んだ論文の備忘録】Uncovering the transcriptional regulatory network involved in boosting wheat regeneration and …
Liu et al., 2023 https://www.nature.com/articles/s41477-023-01406-z.epdf 一般的に、動物では生殖細胞やiPS細胞、トカゲの尻尾やプラネリアの細胞などを除いて、一度…
プレゼン用スライドについて
年が明けると、学士、修士、博士の学位論文の提出と学位発表会のラッシュです。そこで、学生さんのプレゼンを見ていて、スライドについて気になったことを書いてみます。
まずは、ダメなスライドの例を挙げます。
このように、論文の図をコピペしただけの図はいただけません。
(1)タイトルから「植物ホルモンの影響を調べたんだなぁ〜」ということは想像がつくものの、結論がわからない。
(2)A, B, C…につ
【最近読んだ論文の備忘録】Uncovering the transcriptional regulatory network involved in boosting wheat regeneration and transcription
Liu et al., 2023
https://www.nature.com/articles/s41477-023-01406-z.epdf
一般的に、動物では生殖細胞やiPS細胞、トカゲの尻尾やプラネリアの細胞などを除いて、一度分化した細胞は他の細胞に分化することはできません。それに対して、植物では一度分化した細胞から再び他の細胞を再分化させることができ、個体を再生することも可能です。と一
【最近読んだ論文の備忘録】Comparative phylotranscriptomics reveals ancestral and derived root nodule symbiosis programmes
Libourel, C., Keller, J., Brichet, L. et al. Comparative phylotranscriptomics reveals ancestral and derived root nodule symbiosis programmes. Nat. Plants (2023). https://doi.org/10.1038/s41477-023-014
もっとみるRhizobium rhizogenes 毛状根形質転換法
ここでは、Rhizobium rhizogenesを用いた毛状根形質転換法を紹介します。
Rhizobium rhizogenesは、通常の植物形質転換法でよく用いられるRhizobium radiobactor (旧名:Agrobacterium tumefaciens)と異なり、カルスではなく毛状根を誘導する。この菌を用いた形質転換法では、遺伝子を導入した形質転換体を個体として単離・維持する
植物科学でできること、できていないこと~ゲノム編集・遺伝子組換え
ゲノム情報の比較解析によって、植物種間の違いを明らかにすることができます。また、遺伝子発現パターンの違いを調べることで、植物の成長や環境応答に関わる遺伝子を見出すことができます。そして、その遺伝子の機能を確認するには、遺伝子を破壊した変異体や、逆に遺伝子を過剰発現誘導した変異体の表現型を調べることが有効です。また、植物バイオテクノロジーの分野では、遺伝子組換え技術を用いて、植物の品種改良を行うこ
もっとみる植物科学でできること、できていないこと~ゲノム情報と遺伝子発現解析
近年、有機農業や無農薬が流行りである。地元の小学校も「オーガニック給食」と称して、化学肥料不使用、無農薬の給食を提供しているらしい。
大量の化石燃料を必要とする化学肥料や農薬を減らしていく試みは世界の流れで間違いではないが、一方で、世の中すべて自然農法や無農薬で回ると思われては困る。有機農業も自然信仰も個人の範囲でやる分には構わないが、現状、世界の食糧を支えているのは化学肥料や農薬なので、それら
世界人口の推移と穀物生産
近年、急激な人口の増加とそれに伴う温室効果ガスの排出増は、食糧・エネルギーの供給と気候変動および地球環境に大きな影響を及ぼし、さまざまな問題を引き起こしています。それら問題を解決し持続可能な循環型社会を実現するためには、バイオテクノロジー、特に植物科学の力を欠くことはできません。
<これまでの植物科学の貢献>
産業革命以降、世界人口は増え続けてきました。第二次世界大戦以降、1950年には25億人
SDGsについて日頃感じていること
ここ1-2年、「SDGs」という単語を耳にする機会が増えてきました。
実際、「2021年新語・流行語大賞」にもノミネートされていました。
SDGsは大事。
環境問題、社会のあり方に、人々が注目するのはいいことです。
SDGsとは、「Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標)」の略称で、2015年9月の国連サミットで定められた2030年までの15年間で達成す
RDP classifierで微生物叢の解析を行う
2017年から2018年にかけて、メタバーコーディングによる土壌微生物叢の解析を行なっていたときに使っていたRDP classifierの使い方についてのメモ。
RDP classifierは、ある微生物叢の階層を視覚的に表現するのには向いているが、複数の微生物叢の構成を比較したい場合にはQiimeの方が向いているので、大量のサンプルを解析するようになってからは使わなくなった。
また、COPEr
N. benthamianaの葉を用いた外来遺伝子の一過的発現法
タンパク質の植物細胞内局在を早く解析したい、あるタンパク質Aと別のタンパク質Bの植物細胞内での結合、複合体の形成および局在を解析したい場合、N. benthamianaの葉を用いたAgrobacterium infiltration法が便利です(オリジナルの方法;Voinnet et al., 2003, 例:Hanano and Goto., 2011)。
ここでは、その方法について紹介します。
ClearSeeを使ったシロイヌナズナ植物の透明化
植物体や植物細胞は葉緑体の自家蛍光が強く、そのままでは蛍光顕微鏡観察が困難なことがあります。
GUS染色の場合には、エタノールや抱水クロラールを用いて透明化を行うことができますが(https://note.mu/shigeruhanano/n/n1a25755d2899)、蛍光タンパク質を用いた染色では色素が抜けてしまうため、それらの代わりにClearSee (Wako Code No. 031
[翻訳] Plant science leads the way in understanding biological timekeeping
以前、Gatsby The Plant Science TREEのサイトにあるOPEN LECTURESのAndrew Millar教授のセミナーのJapanese Translationを依頼されたのですが、数年たっても一向公開される気配がないので、ここで公開しておきます。
http://www.gatsbyplants.leeds.ac.uk/index.php
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Prof Andr