高橋和珪

小説や日記など、なんとなく心の浄化をテーマに書いているような気がします。離婚、難病を経…

高橋和珪

小説や日記など、なんとなく心の浄化をテーマに書いているような気がします。離婚、難病を経験。今は心身ともにすこやか。MARK‘S手帳EDiT愛用者。オリジナル小説→エブリスタ https://t.co/9LlEt9BKUr 親友と「和楽風天」という屋号で地元での活動もしています。

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  • 短編・中編小説

    オリジナルの短編・中編小説。続き物です。一話完結小説については、マガジン『一話完結小説/創作日記』を。長編小説はマガジン『【小説】太陽のヴェーダ』をご覧ください。

  • バツイチ独身子供なし 今の私は幸せだ

    日々のこと。時々、物思うこと。 過去の悪口は言いたくない。 関わりも持ちたくない。 意味がなかったとも思いたくない。 ちょっとずつでも、心を癒やしていきたい。

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    戻ってきた実家での田舎暮らし。里山の風景。染みるご近所付き合い。親類のありがたみ。母から学ぶ農作業。できなくてもいい。知っておきたい。

  • 牡牛座として生きてゆく

    牡牛座として生きていくと決めた私の、有事の選択や、これからのライフスタイル。五感に長けた牡牛座としての生態や、お気に入りの物をしつこく愛でる習性についてなど。

  • 体の調子を整える

    体調不良を自力でなんとかした話や、病気、入院、ワクチン接種録など、体にまつわる話。

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ご案内2024

noteやエブリスタで、小説や日記などを書いています。なんとなく心の浄化をテーマに書いているような気がします。 離婚、難病、転職の経験者。 基本的には無料です。 時々…

高橋和珪
4か月前
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【小説】東京ヒートウォール 第6話(終):首都陥落

(第1話はこちら) 葛西の臨海公園へ到着。 夜で視界が悪い中、急いで朝美の姿を探す。 あれから朝美の着信はない。 いよいよバッテリーが空っぽになったのだろうか。 …

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4日前
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【小説】東京ヒートウォール 第5話:主役、脇役

(第1話はこちら) 憑き物が落ちたように笑みを浮かべる一真につられ、夕子も街を眺める。ヒートウォールの方角から吹く高温の空気が、肌をなでていく。 この距離でこの…

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【小説】東京ヒートウォール 第4話:メリット、デメリット

(第1話はこちら) ヒートウォールの足元にかなり近づいた。車の窓越しでも、気流の咆哮が伝わってくる。車内冷房の稼動音も苦しそうだ。 ほどなくして車が停まったのは…

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(第1話はこちら) フロントガラス越しに見る風景は、もう日が沈む準備をしている。 状況は何一つ変わらない。 ヒートウォールをこの目で見たというのに、一真は相変わ…

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4日前
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【小説】東京ヒートウォール 第2話:東京へ

(第1話はこちら) サイフが入ったショルダーバッグを引っつかんで、夕子は上り新幹線に飛び乗った。 ――朝美と連絡が取れない。 「回線が混み合っている」ならわかる…

高橋和珪
4日前

【小説】東京ヒートウォール 第1話:発生

■あらすじ 21××年―― 増え続けた超高層ビル群は、城壁の如く都心を包囲。都市部の気温は、気象庁の予想をはるかに上回る早さで、上昇を続けた。 夕子の妹、朝美が 岩…

高橋和珪
4日前
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カルパッチョ日記2 〜魔女の実験〜

3月23日(土) スズキの昆布締めが忘れられない私は、カルパッチョ及び昆布締めのレシピを漁り始めた。 レシピを調べるとき、私はいつも3つ4つ探し出して、見比べる。…

高橋和珪
6日前
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カルパッチョ日記1 〜スペインバルに憧れて〜

数年前、ちょっとしたきっかけで、スペインバルに興味を持った。 「bar」――日本では「バー」と呼び、お酒がメインの夜営業。でもスペインの「バル」は、日本のそれとは…

高橋和珪
13日前
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楽園追放

長年、難病による激痛に悩まされ。 2020年に結婚生活を終わらせて。 2021年には父が逝ってしまって。 この頃は緊張や悔しさ悲しさなど、精神的ストレスがとても大きかった…

高橋和珪
2週間前
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「泣きの日」という1人イベント

20代の頃、年に何回か「泣きの日」という1人イベントを開催していた。 もうこれ以上は無理、と限界を感じたとき。 今夜は「泣きの日」にしよう―― いつからか、そんなこ…

高橋和珪
1か月前
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其の以す所を視、其の由る所を観、其の安んずる所を察すれば、人焉んぞ廋さんや、人焉んぞ廋さんや。

いつのことだったか。 牡牛座さんは好きか嫌いかで判断する――という話を何かで見たとき、それまで私が書いてきた小説について、ちょっと考えてしまったことがある。 ド…

高橋和珪
1か月前
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「#東北でよかった」を覚えていますか

私のパソコンに入っている、小説のネタメモや草稿を整理していたら、なつかしい文章が出てきた。どこに発信するでもなく、荒々しく、ただただ私の言葉を書き綴っただけのも…

高橋和珪
1か月前
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3月11日

2022年に書いたものですが。 「2011年」とか「3月11日」という日付を見ると、必ずあの日を思い出す。 「今日は黙祷の日ですね」 朝、職場で日付印の数字を合わせながら…

高橋和珪
2か月前
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愚か者の体調日記 2/25~3/3

2月25日(日) 昨日は食道痛が治まった状態で一日を過ごす。だから今夜は、晩酌解禁。別に飲まなきゃ飲まないでも平気なのだが、日曜日は大河があるので「日曜日のお楽し…

高橋和珪
2か月前
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体調日記 2/24

2月24日(土) 昨夜の胸痛(食道痛?)、今朝、痛みが消えていた。念のため朝ごはんはお粥にしたが、お粥も味噌汁も漬物もお茶も、飲み込んだあと、痛くない。時々はかす…

高橋和珪
2か月前
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ご案内2024

ご案内2024

noteやエブリスタで、小説や日記などを書いています。なんとなく心の浄化をテーマに書いているような気がします。
離婚、難病、転職の経験者。

基本的には無料です。
時々有料のものも書いてます。

とても個人的なこと。デリケートなこと。家族の大切な出来事。さらしっぱなしだと私の心が消耗しそうなもの。
そういった内容のものが有料になりがちです。

小説については、本編は無料。
番外編や裏話などは有料に

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【小説】東京ヒートウォール 第6話(終):首都陥落

【小説】東京ヒートウォール 第6話(終):首都陥落

(第1話はこちら)

葛西の臨海公園へ到着。
夜で視界が悪い中、急いで朝美の姿を探す。
あれから朝美の着信はない。
いよいよバッテリーが空っぽになったのだろうか。

――ふと、誰かに呼ばれたような気がした。夕子は咄嗟にあたりを見まわした。

「お姉ちゃーーーーんっ!」

目を見開く。
泣きながらこちらへ駆けてくるその姿、子供の頃とちっとも変わらない。

言葉が上手く出ない。
ずっとこの時を待ってい

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【小説】東京ヒートウォール 第5話:主役、脇役

【小説】東京ヒートウォール 第5話:主役、脇役

(第1話はこちら)

憑き物が落ちたように笑みを浮かべる一真につられ、夕子も街を眺める。ヒートウォールの方角から吹く高温の空気が、肌をなでていく。
この距離でこのくらいなのだから、あそこにいる人たちはどれほどの熱波を浴びて――

いや、と夕子は想像を止めた。
灼熱の気流にのまれた人たちがどうなったかを、知っていたから。

「当時の東京も、ヒートアイランド現象に相当参っていたんだ。なんとかしろって声

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【小説】東京ヒートウォール 第4話:メリット、デメリット

【小説】東京ヒートウォール 第4話:メリット、デメリット

(第1話はこちら)

ヒートウォールの足元にかなり近づいた。車の窓越しでも、気流の咆哮が伝わってくる。車内冷房の稼動音も苦しそうだ。

ほどなくして車が停まったのは、故障のせいではない。
「通行止めか。そりゃそうだな。これ以上近付いたら車も溶けそうだ」
無数の赤いライトが点滅している。
一真は再び車を動かし、迂回を始めた。

「一旦離れて、どっかで作戦会議でもするか。避難指示が出てるから、泊まると

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【小説】東京ヒートウォール 第3話:ケンカ

【小説】東京ヒートウォール 第3話:ケンカ

(第1話はこちら)

フロントガラス越しに見る風景は、もう日が沈む準備をしている。

状況は何一つ変わらない。
ヒートウォールをこの目で見たというのに、一真は相変わらず無表情で、無関心そうで、ゲームオタクだ。

「アイテムが足りないのか。それとも他の誰かを仲間にしないと先へ進めないのか。なんにしても情報不足だな。街へ行って誰かに話を聞くか……」
「一真さん、そのゲームに例えるのやめてもらえませんか

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【小説】東京ヒートウォール 第2話:東京へ

【小説】東京ヒートウォール 第2話:東京へ

(第1話はこちら)

サイフが入ったショルダーバッグを引っつかんで、夕子は上り新幹線に飛び乗った。

――朝美と連絡が取れない。

「回線が混み合っている」ならわかる。でも朝美のケータイにかけると、「電源が入っていない」とか、「電源の届かない地域にいる」とアナウンスされるのだ。

ケータイのチャットアプリの画面に「どこにいるの? 無事なの? 連絡ちょうだい」という言葉を叩き込む。――朝美からの反応

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【小説】東京ヒートウォール 第1話:発生

【小説】東京ヒートウォール 第1話:発生

■あらすじ
21××年――
増え続けた超高層ビル群は、城壁の如く都心を包囲。都市部の気温は、気象庁の予想をはるかに上回る早さで、上昇を続けた。

夕子の妹、朝美が 岩手から東京へ出かけたその日、代々木で火災が発生。大規模化したそれは、超高層ビル群を核とし、天を衝くほどの灼熱の気流となった。「ヒートウォール」の発生である。

連絡が取れなくなった朝美を探しに夕子は東京をめざし、ゲームオタクの青年、一

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カルパッチョ日記2 〜魔女の実験〜

カルパッチョ日記2 〜魔女の実験〜

3月23日(土)
スズキの昆布締めが忘れられない私は、カルパッチョ及び昆布締めのレシピを漁り始めた。

レシピを調べるとき、私はいつも3つ4つ探し出して、見比べる。一時的なマイブームのためだけに、わざわざ非日常的な材料を買いたくない。だからレシピを見比べて、必要な材料、なくてもいい材料をあぶり出す。

「つまりこういうことだな」と思えるまでシンプル化させたら、あとは自己流で作ってしまうことがほとん

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カルパッチョ日記1 〜スペインバルに憧れて〜

カルパッチョ日記1 〜スペインバルに憧れて〜

数年前、ちょっとしたきっかけで、スペインバルに興味を持った。

「bar」――日本では「バー」と呼び、お酒がメインの夜営業。でもスペインの「バル」は、日本のそれとはちょっと違う。地域の人たちが朝昼晩と気軽に立ち寄って、コーヒー、料理、お酒などを楽しむ。地域のコミュニティーでもあり、店内はとても賑やか。

イタリアでは「バール」と呼ぶらしく、今読んでいる内田洋子さんのエッセイ『見知らぬイタリアを探し

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楽園追放

楽園追放

長年、難病による激痛に悩まされ。
2020年に結婚生活を終わらせて。
2021年には父が逝ってしまって。
この頃は緊張や悔しさ悲しさなど、精神的ストレスがとても大きかった。

だけど戻ってきた実家での暮らしは、とても健やかで、落ち着いていた。

私は楽園を手に入れた。
いや、楽園に戻ってきたのだと実感していた。

父が亡くなった2021年と翌2022年は、母のそばにいること、実家の草刈りをすること

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「泣きの日」という1人イベント

「泣きの日」という1人イベント

20代の頃、年に何回か「泣きの日」という1人イベントを開催していた。

もうこれ以上は無理、と限界を感じたとき。
今夜は「泣きの日」にしよう――
いつからか、そんなことを思いつくようになっていた。

そうと決まると、今にも目から涙があふれそうなのに、気持ちは妙にルンルンとしてくる。

残業しつつも早めに切り上げ、帰路へ着く。
運転しながらドリカムの『すき』を口ずさむ。

甘い愛の歌ばかりが
FMか

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其の以す所を視、其の由る所を観、其の安んずる所を察すれば、人焉んぞ廋さんや、人焉んぞ廋さんや。

其の以す所を視、其の由る所を観、其の安んずる所を察すれば、人焉んぞ廋さんや、人焉んぞ廋さんや。

いつのことだったか。
牡牛座さんは好きか嫌いかで判断する――という話を何かで見たとき、それまで私が書いてきた小説について、ちょっと考えてしまったことがある。

ド牡牛座の私が書いているせいか、なんかこう、登場人物がみんな、牡牛座っぽく見えてしまったのだ。

この登場人物はどうしてこういう言動をするのか。動機はなんだ。そう考えたときいつも「だって好きだから」となる。

牡牛座宇宙の中にいて、牡牛座フ

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「#東北でよかった」を覚えていますか

「#東北でよかった」を覚えていますか

私のパソコンに入っている、小説のネタメモや草稿を整理していたら、なつかしい文章が出てきた。どこに発信するでもなく、荒々しく、ただただ私の言葉を書き綴っただけのもの。

タイトルは「#東北でよかった」――あのときの私が、書かずにはいられなかった思いである。

世の中の皆さんは、「#東北でよかった」をまだ覚えているのだろうか。
元々は時の復興大臣が、震災の被害が「東北でよかった」と失言したことから始ま

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3月11日

3月11日

2022年に書いたものですが。

「2011年」とか「3月11日」という日付を見ると、必ずあの日を思い出す。

「今日は黙祷の日ですね」
朝、職場で日付印の数字を合わせながら言う。
「ああ、そうだねぇ」

私は何度も転職しているから、そのたびにあの日あの時、みなさんがどうしていたかを知る機会に触れられた。

今朝もみんなで、あの日あの時、何をしていたかを語り合った。

愚か者の体調日記 2/25~3/3

愚か者の体調日記 2/25~3/3

2月25日(日)
昨日は食道痛が治まった状態で一日を過ごす。だから今夜は、晩酌解禁。別に飲まなきゃ飲まないでも平気なのだが、日曜日は大河があるので「日曜日のお楽しみ」と称して満喫することにしている。こういうちょっとした「お楽しみ」を設定しておくと、世間でサザエさん症候群がささやかれる日曜夜であっても、私の気分はウッキウキなのだ。自分をちゃんとコントロールできてる感じも気分がいい。今夜のお酒は、グラ

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体調日記 2/24

体調日記 2/24

2月24日(土)
昨夜の胸痛(食道痛?)、今朝、痛みが消えていた。念のため朝ごはんはお粥にしたが、お粥も味噌汁も漬物もお茶も、飲み込んだあと、痛くない。時々はかすかな存在を感じるものの、まず治ったと言っていいだろう。

あー良かった。
ホッとした。