一色十花

自作の現代詩や映画レビューなどを書いています。 明けない夜も、そこに生きるあなたも愛し…

一色十花

自作の現代詩や映画レビューなどを書いています。 明けない夜も、そこに生きるあなたも愛しています。

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固定された記事

差異愛

君といると孤独を感じた それを弱虫だと世間は隠した ほんとうは気づいていたのに 強くないと愛は生まれない それが正しいこととしないと 自分、自分たちが消えそうだった…

一色十花
1年前
4

『名探偵コナン100万ドルの五稜星』はやくみたい

「めっちゃ良かった…」 「あれとあれは事前に見とけ」 「大泉さん笑」 「おおい済」 ………… ……… … みたああああああああああい!!はやくみたいみたいみたいみた…

一色十花
1か月前
5

創作

タイムリープ してるみたい あの頃は毎日が 冒険だった 家の中でも 自分自身で 遠くへ行けた あの頃よりも 大きくなって お金も増えて 電車どころか 飛行機にも 1人で乗れ…

一色十花
1か月前

ハッピーエンド

本のページを1枚めくるように ハッピーエンドに近づけばいい たとえ今の私がたどり着けなくても 愛するあなたが笑顔ならいい 少しの勇気は私から見れば人類の第一歩 意地…

一色十花
1か月前

同じ穴のムジナも 志が同じじゃなかったら 簡単におもちゃのナイフで 切りかかる真似をする 安い錠剤をゼリーで包んで もっと優しい世界へ 往復切符をスマホ裏に挟んで 急…

一色十花
1か月前

【詩】2月14日

祝日ではない、 誰かの思惑で誰かが勇気を貰う日。 溢れかえる恋愛や友愛、自愛…。 本心を伝えるハードルがぐっと下がるから、 言えないこともある。 そんな事がないと言…

一色十花
3か月前
2

リンゴ

君とこのリンゴを分け合いたかった たとえその時自分が死んでしまうとしても 本当を突き止めても仕方がないよ 多面鏡の前では自分ですらも信じられないから 君があの時あの…

一色十花
4か月前
1

【詩】落ちる

落ちていく 巨匠の机からペンが 牛乳の入ったコップが 通学路に咲くツバキの頭が 誰の目にも明らかな悲しみが 本当の悲しみを隠している 靴箱に入れたはずの靴を探した …

一色十花
5か月前
3

諦めてばかりの女が『ウィッシュ』をみて泣いた話

みなさんは「願い」と聞くと何を想像しますか? ディズニーは100周年を迎えたそうで、 その記念すべき年に制作されたのが『ウィッシュ』。 ディズニーファンならもうご…

一色十花
5か月前
7

簡単に好きといえば幸せ

どうしても趣味とか夢とかやりたいこととか、ないなぁと思ってしまうことが多い私ですが、最近はそんなもんかなとも思います。 寧ろ自分が思っている趣味とかがハードルが…

一色十花
8か月前
1

映画館に霧越未麻をみにいった① 『パーフェクトブルー』

福岡の名所「中洲大洋」で今敏監督の初監督作品『パーフェクトブルー』をみた。25周年を迎えたこの作品はファンが多いようで、劇場の8割ほどは席が埋まっていた。 私がこ…

一色十花
8か月前
6

本音と建前

美しく見えるのはどちら? ようは使いようでしょう 君を惑わすための嘘、僕を騙すための本心 酸素が切れる前に呼吸をしなきゃね 余計な詮索はだれのため? ようは偽善なん…

一色十花
9か月前
3

1時

午後1時 揺れるカーテンを眺めた テレビの音は遠くで鳴り 木々の揺れる音が隣で聞こえた 白いテーブルに影が横切る 追いかけるまもなく過ぎてゆく いつだって 暗闇の中は…

一色十花
1年前

パレード

そのどれもが私の気を引くから 手元の溢れそうなおもちゃが いつだって見えやしないの 何にでも名前をつけないで 普遍化することに慣れ親しんでいる 私は私だけの歪を愛し…

一色十花
1年前

この夜の悲しみをこねて、ひとつの塔にしたら あの月に手が届くのでしょうか。 君の夢も希望も、輝く分だけ伸びていく塔。 私はどうか振り向かないで、と嘘でも願う。 変身…

一色十花
1年前

夏の日

脳が拐われる真夏の下 言い訳にするなら今だと 本能が貴方の手を引く 太陽に翳す仮初の避暑地 隙間から刺す光を 反抗期の目で見つめた 陽炎から逃げて迷い込む 手を広げ…

一色十花
1年前
1
差異愛

差異愛

君といると孤独を感じた
それを弱虫だと世間は隠した
ほんとうは気づいていたのに
強くないと愛は生まれない
それが正しいこととしないと
自分、自分たちが消えそうだったから

だから君が羨ましくて
君の目線を真似したけれど
いつの間にか足元を見てしまうから

繋いだ手の先が
私にとっては手でも
君にとっては腕だったかもしれない
そう感じたのは
1歩先に君を見つけたから
並ぶことの無い足を見つめた
私は

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『名探偵コナン100万ドルの五稜星』はやくみたい

「めっちゃ良かった…」
「あれとあれは事前に見とけ」
「大泉さん笑」
「おおい済」

…………
………


みたああああああああああい!!はやくみたいみたいみたいみたーい!
なに、何が起こってる?何が明かされた?
Adoが紅白でコナンのパラパラ決めポーズかましたこと???(ラジオ情報)
気になって夜しか眠れん!

はい。
というわけで、コナンの映画今年も始まりましたね。
きっとこの記事にたどり着

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創作

タイムリープ
してるみたい
あの頃は毎日が
冒険だった
家の中でも
自分自身で
遠くへ行けた

あの頃よりも
大きくなって
お金も増えて
電車どころか
飛行機にも
1人で乗れるのに
自由から遠のいている
気がする

もっと遠くへ
私を連れていきたい
期待も騒音も
何も聞こえない所へ
私は自由だから

ハッピーエンド

本のページを1枚めくるように
ハッピーエンドに近づけばいい
たとえ今の私がたどり着けなくても
愛するあなたが笑顔ならいい

少しの勇気は私から見れば人類の第一歩
意地悪しないで 誰も傷つけないから
良い人ばかりで嫌になるね
だって誰も悪くないから
みんな一生懸命に生きてた

夢から醒め 私たちは涙を流した
美しい涙など どこにもなかった
あなたに手紙を書きます
あなたの幸せを願います
そのために私

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同じ穴のムジナも
志が同じじゃなかったら
簡単におもちゃのナイフで
切りかかる真似をする

安い錠剤をゼリーで包んで
もっと優しい世界へ
往復切符をスマホ裏に挟んで
急行トリップ誘って

いつも笑ってるからって
馬鹿にしないで
誰のために生きてるかなんて
改めて聞かないで
愛してるで満たされた
昔の私たちじゃない
そうでしょ?

直ぐに満たせる欲を
簡単に自尊心に繋げて
この世の春と歌って
ゴミ捨

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【詩】2月14日

【詩】2月14日

祝日ではない、
誰かの思惑で誰かが勇気を貰う日。
溢れかえる恋愛や友愛、自愛…。
本心を伝えるハードルがぐっと下がるから、
言えないこともある。
そんな事がないと言えない訳ではなく、
そんなことがないと甘やかさないわけではなく。
他人や自分を想う時間は、
昨日も明日も変わらない。
変わらないから今日あえて言おう。
何でもない日を特別にしよう。
人は言わないと忘れてしまうから。
君を、私を、大切にし

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リンゴ

リンゴ

君とこのリンゴを分け合いたかった
たとえその時自分が死んでしまうとしても
本当を突き止めても仕方がないよ
多面鏡の前では自分ですらも信じられないから
君があの時あの場所で、どんな気持ちでいたか
本当の所、誰にも分からない、神だって知らない
だけど、だから、私は君の表面を愛す

君とこのリンゴについて語り合いたかった
たとえその時、種まで赤いリンゴだったとしても
真実を暴いても悲しいだけだよ
別の愛

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【詩】落ちる

【詩】落ちる

落ちていく

巨匠の机からペンが
牛乳の入ったコップが
通学路に咲くツバキの頭が

誰の目にも明らかな悲しみが
本当の悲しみを隠している

靴箱に入れたはずの靴を探した
忘れ物リストチェック済みのものを探した
授業参観で母の姿を探した

なんてことのない日常が
みぞおちに鉛を落している

……。

落下した日はケーキを食べている
ケーキが鉛を溶かすから
そう伝えると恋人は顔を背けて笑った

……。

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諦めてばかりの女が『ウィッシュ』をみて泣いた話

みなさんは「願い」と聞くと何を想像しますか?

ディズニーは100周年を迎えたそうで、
その記念すべき年に制作されたのが『ウィッシュ』。
ディズニーファンならもうご覧になったかと思います。

私自身は今年5年ぶりにディズニーランドに行き、
シーの「ソアリン」(飛んで世界を旅できるアトラクション)で拍手するほど感動したのですが、
今回『ウィッシュ』をみてソアリンのことを思い出しました。

今回ディズ

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簡単に好きといえば幸せ

簡単に好きといえば幸せ

どうしても趣味とか夢とかやりたいこととか、ないなぁと思ってしまうことが多い私ですが、最近はそんなもんかなとも思います。

寧ろ自分が思っている趣味とかがハードルが高い気がする。例えば私は文章を書くことが好きだけど、それで小説を書き上げた経験もないし、なんなら長い文章を書くことが苦手だったりするから胸を張って趣味とは言えないなと思っていた。
私にとって趣味とか夢とかやりたいことは、寝食を忘れて何時間

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映画館に霧越未麻をみにいった① 『パーフェクトブルー』

映画館に霧越未麻をみにいった① 『パーフェクトブルー』

福岡の名所「中洲大洋」で今敏監督の初監督作品『パーフェクトブルー』をみた。25周年を迎えたこの作品はファンが多いようで、劇場の8割ほどは席が埋まっていた。
私がこの作品を最初に見たのはスマートフォンの小さい画面のなか。
ベットの上で布団に包まりながら、アニメキャラクターというより現実の人にそっくりな登場人物たちの動きをおそるおそる見ていた。
そんな映画が大画面で、他人と同じ空間で同時に、「あの世界

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本音と建前

美しく見えるのはどちら?
ようは使いようでしょう
君を惑わすための嘘、僕を騙すための本心
酸素が切れる前に呼吸をしなきゃね

余計な詮索はだれのため?
ようは偽善なんでしょう
私を楽しませる嘘、あなたを苦しめる本心
自分が仕掛けた罠に引っかからないようにね

何回も頭ん中泳がしたシュミレーション
つまらないように
逃げ出さないように
さあ、はやく瞳の中にダイブして

目の前の玉座(プライド)に抗え

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1時

午後1時
揺れるカーテンを眺めた
テレビの音は遠くで鳴り
木々の揺れる音が隣で聞こえた
白いテーブルに影が横切る
追いかけるまもなく過ぎてゆく

いつだって
暗闇の中は理想で溢れていて
世界の反対側へ行けてしまう
ここは海が揺蕩う場所
大きな風よ
早く吹いてくれよ

退屈も面倒も
今となっては全部楽しい
過去も未来も見ないよ
今を愛したいから

午前1時
窓に映る読書灯を眺めた
虫の根は遠くで鳴り

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パレード

そのどれもが私の気を引くから
手元の溢れそうなおもちゃが
いつだって見えやしないの

何にでも名前をつけないで
普遍化することに慣れ親しんでいる
私は私だけの歪を愛していたい

綺麗なドレスも綺麗な靴も
四畳半の城の中で
1人ショーをやるため
誰にも見せないことが快感

映画のセリフに酔っていたいの
茨道の剣になって
私の行く道を他でもない私が認めて
好きになって痛いの
どうでもいい世間のことを

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この夜の悲しみをこねて、ひとつの塔にしたら
あの月に手が届くのでしょうか。
君の夢も希望も、輝く分だけ伸びていく塔。
私はどうか振り向かないで、と嘘でも願う。
変身した昨日が、何食わぬ顔して裏切っていく、何も変わってなどいないと。
頬に添えた手だけが本物だ。しわくちゃの、たくさんの悲しみを拭った手だけが。

愛していた、あの塔すらも。

鏡はどこにもなかったのに、沢山の私が、私をなぐさめる。
その

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夏の日

脳が拐われる真夏の下
言い訳にするなら今だと
本能が貴方の手を引く

太陽に翳す仮初の避暑地
隙間から刺す光を
反抗期の目で見つめた

陽炎から逃げて迷い込む
手を広げて迎えるのはいつ
人波と踊る交差点
この熱を愛したのは誰

境界線に触れる
片方が強く輝けば
もう片方は深い悲しみを知る
美しいと思った
この世は私が思うより
ずっと冷たく整合的

歯車がこの熱で溶けてしまったら
きっと私が生まれる

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