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2022.06.23困りごとと日記
短歌を出し惜しみしてしまう。
遅筆かつ寡作なので「次もし短歌賞に出すことがあったら今日作った短歌も応募できるんじゃないかな…」「いまは浮かばないけどこの短歌を軸に連作が広がるかもしれないもんな…」とか考えて、世の中に公表できない。
しかも、過去作を一括にまとめていない。だから、公表しないままどこに書き留めたかどう書いていたのか思い出せなくなった短歌も多い。
ここ三ヶ月ほど、昔作ったある歌を探して
2021.12.08日記
へんな夢のへんな気分がうしろがみ引いててベランダ広すぎないか/加瀬はる(2021.12.08)
金縛りの癖がついたのかもしれない。社会人になって一年目の秋から何度も繰り返している。
といってもスピリチュアルな話ではなく。10〜12月ごろに足元を冷やして寝ると、どうも眠りが浅くなって意識が半分起きてしまってるみたいだ。でも今日のは特にひどかった。
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2021.12.18日記と連作
たくさん雪が降りました。雪の日ってなぜか体感気温がほのあったかいので、体表の温度センサーが混乱する感じがします。
たぶん、温暖な土地出身者あるあるなのですが、雪が降ると町にあるものすべて全部が"限定品"になる気がしませんか。雪の日のファミレス、雪の日のコンビニ、雪の日の銭湯、雪の日に会う恋人、雪の日の県境...。もう今後の人生で経験できないんじゃないか?と。各種スポットに足を伸ばし回らないともっ
2021.12.01日記
今季初めての雪に降られ、この町で暮らす2回目の冬が始まった。雪の日、県境の峠を越えてやって来る風は日本海の水分を含んで重く湿っぽい気がする。土地の人が言う"雪が降る気配"の構成要素のうち何割かは、山肌を枯らしながら吹き下りるこの冷たい風を指すんだろう。
今日は、県境に跨る山の中を歩いた。横殴りの雪に吹き付けられながら、しずまりかえった山道を進むのは恐ろしい。遭難や低体温症の懸念ももちろん、いちば
2021.11.27日記
天気雨あがってマスクを外すときすうっと伸びる道の奥行き/加瀬はる(2021.11.27)
夕方、近所のコロッケ屋さんでお弁当を買って外に出ると、行きで降っていた天気雨が止んでいた。天気雨はどうして、降っている間も上がってからも、うっすらまぶしい金色のひかりを放つんだろう。ビニール傘の折り目を畳み直しながら目を細める。すこし気持ちが良くなって歩く。田舎の住宅街はすれ違う人もなく、そっとマスクを顎に