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🍹いつでも読めるように あやとりりいさんの書いた小説で、お気に入りをマガジンに入れます🙇 他の方のでも気に入った詩や小説、脚本等、エッセイがあれば収納したいと思います。 外した… もっと読む
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記事一覧

矛盾の芸術:宮沢賢治と宮崎駿に学ぶ「今を生きる姿勢」

矛盾の芸術:宮沢賢治と宮崎駿に学ぶ「今を生きる姿勢」


1.宮沢賢治:災害と社会の矛盾の中で成長

 宮沢賢治と宮崎駿が子供の頃生きた時代と震災や津波、異常気象、パンデミック、戦争が続く今の時代とが重なるように思える。
 昔から親しんできた二人の作品が、今になってリアルに感じ、現代と照らし合わせて今一度、彼らの表現の背景を考えたみた。

宮沢賢治の生きた時代は、冷害による凶作、日露戦争、第一次世界大戦、関東大震災の、明治から大正1933(昭和8)年

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ドラマ「SHUT UP」最終話 私たちは黙らないー感想

ドラマ「SHUT UP」最終話 私たちは黙らないー感想

 ドラマ「SHUT UP」の最終話感想ですが、遅くなってしまいました。
 なかなかうまくまとめることができず、また最後まで書いて良いものかどうかということで悩みました。
 ですので結末はぼやかしています。ご容赦ください。
 気になる方は下記リンクから是非ご覧ください。

 U-NEXT、Leminoプレミアムで全話視聴できます。

第1~7話の感想はこちらから!

最終話感想登場人物

ナイフとい

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コミュ障

コミュ障

 とにかく対人能力に乏しい若者が増えてきており、最近も驚くようなことがあった。学校内に比較的おとなしい感じの女子生徒3人組がいた。普段は3人で一緒にいることが多かったのだが、選択科目授業では2人と1人にコース選択が分かれていた。カリキュラムの関係で授業終了がコース毎に少し違ったため、その日は2人で先にコンビニにお昼を買いに行ったのだった。よって遅れた1人(Aさんとする)が自分の教室に戻った時には、

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人は好きだけど怖いんです

人は好きだけど怖いんです

吃音症と場面緘黙症の私は
人と関わることが好きなのですが
話せる相手でも、吃ると会話に嫌気がさして
話したいことがあるのに言えなくなります
そのストレスで、強制的に会話を終えてしまったり
適当な言葉で紡いで諦めてしまうことがあります

また、場面緘黙症なので
家に誰かが訪れてきても出ることができません
人と関わるのは好きなはずなのに
ドアの向こうにいる人が
どうしようもなく怖くなるのです

インタ

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子供社会も大人社会も変わらない。

子供社会も大人社会も変わらない。

「既読スルーや未読スルーをされたから、いじめる行為が正しかった。」
テレビで話す中学生女子の言い訳を聞いて、自分の思い通りとなる人はいないのに、そんな理由で誹謗中傷、暴力に及ぶことが許されていると思っているのかと唖然とする。
しかし、驚くべきはもっと先で、「無視をした方が悪い。」と何もしていない被害少女を非難する教師の発言。
理想通りの行動を採らないと、誹謗中傷する人やそれを支持する教師のことを、

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ドラマ「いちばんすきな花」〜二人組だっていいんだよ

ドラマ「いちばんすきな花」〜二人組だっていいんだよ

ドラマ「いちばんすきな花」が最終回を迎えた。
今期ドラマの中では「Silent」の生方美久さんが脚本を担当するということで、期待値は一番高い作品だった。

二人組を作るのが苦手だった四人がひょんなことから出会い、四人組になってちょっと生きやすくなってゆく、という物語だったと思う。

男と女では友達になれないのか?とか、いろいろな思い込みや決めつけを、取っ払ってゆく部分は分からないでもなかったが、回

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ドラマ日記『いちばんすきな花』(第8話)

ドラマ日記『いちばんすきな花』(第8話)

年齢も性別も過ごしてきた環境も違う4人の男女が紡ぎ出す、見る者の心を静かに揺さぶる新たな時代の“友情”の物語。同時にそれは、“恋愛”も“友情”も全部含めた“愛”の物語『いちばんすきな花』の第8話。

潮ゆくえ(多部未華子さん)や深雪夜々(今田美桜さん)、佐藤紅葉(神尾楓珠さん)が集まる春木椿(松下洸平さん)の家に以前住んでいた人の名前が“志木美鳥(田中麗奈さん)”だとわかった。唯一連絡先を知ってい

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「いちばんすきな花(第10話)」世の中は間違い探し?数が多い方が正解?

「いちばんすきな花(第10話)」世の中は間違い探し?数が多い方が正解?

ドラマはクライマックスにあるのだろうが、そんなことどうでもいいように、生方美久氏の自問自答が濃密に続いているような10回目。あまりに濃密すぎて、この回2回見てから書いている。

このドラマ「男女の友情は成立するか?」というテーマが示された中で始まっているが、ここまで見て思うのは「世の中の生きにくさ」みたいなものをまとめていきたいみたいなところなのかもしれない。"男女の友情"というのもその一つであり

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中道的考えだと承認されない

中道的考えだと承認されない

SNSにおいては、同じような考えの人間で固まるので、承認されやすい。
しかしそれはその小さなコミュニティの中の人間の価値でしかない。

同じ1000閲覧者でも、同じような考えの身内が1000人見るのと、全く関係のない人が1000人見るのとでは、いいねの付き方が違う。
いいねがついていない人というのは2パターンあって。

単純に見られていない

中道的な意見

の2つ。

例えば政治の話だが、右翼派

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【世界の論点】イスラエル・パレスチナ2023

【世界の論点】イスラエル・パレスチナ2023

このメディア「やっぱり英語が好き!」(やぱ好き)は、耳で聞くだけでもいい、あるいはウェブマガジンを読むだけでもいい、そんなプラットフォームを目指しております。
「学校でテストの点数が取れる方法」ではなく「英語を始める楽しみ」を伝えられる、あるいは「言葉の先にある世界」を伝えられる場所にしていきたいと考えております。
今回は、特別編として、2023年に生きているわたしたちが避けることのできない「世

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映画感想 ユーリー・ノルシュテイン傑作選

映画感想 ユーリー・ノルシュテイン傑作選

 ロシアの名作アニメーション!

 まずは偉大なるアニメーターであるユーリ・ノルシュテインという人物を見てみよう。
 ユーリ・ノルシュテインは1941年、第2時世界大戦の最中に疎開先のペンザ州ゴロヴィンシチェンスキー地区アンドレエフカ村で生まれる。ユダヤ人家族の子である。1943年母親と兄とともにモスクワに戻り、マリナロシュチェ地区で子供時代を過ごす。
 父親は教育を受けていない木材加工工場整備工

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[映画]福田村事件をみる

[映画]福田村事件をみる

映画福田村事件は、1923年9月6日に起きた実際の事件から映画化されたストーリーだ。特定のエリアで、特定の時代で、特定の状況で、いわば極限状態で人はどう動くのかが描かれる。殺す人たち、殺される人たち、そしてなんとか事件を止めようとする人たち。

ラストの殺戮シーンは圧巻だったが、うまいのは前半だ。どんな人が殺す人で、どんな人が助けようとする人かが描かれていく。今回殺されるのは、特段善良な人々でも特

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映画感想文「怪物」

映画感想文「怪物」

是枝監督×坂本裕二作品。言わずもがな。

第一章 親目線
親にとっての「怪物」は、子どもたちとろくに向き合いもしない教師陣。
自分の子どもの行動や態度がおかしい、問い詰めると「担任にいじめられている」と言うので何度も学校に掛け合うが、担任だけでなく校長、学校ぐるみで何かその場しのぎな対応をしようとする教師たちに絶望する母親。
ここで言う「怪物」は、「人間でないもの。人の心のない者。話の通じない相手

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夏の雲。原爆ドーム。黒い雨。絵。小学4年生。全てを刻む。忘れられないこと。

夏の雲。原爆ドーム。黒い雨。絵。小学4年生。全てを刻む。忘れられないこと。

「げんしばくだんがおちると ひるがよるになって ひとはおばけになる」(小学3年、坂本はつみさん)

 8月9日。丁度20年と3日前に広島の原爆ドームを訪れた。10歳の頃。20年と3日経って、またこの場所で、自分を駆り立てる経験をするとは当時は思ってもいなかった。20年も後のことなんて想像すらしなかった10歳の頃も、60年近く前の戦争の時代に心を置くことはできた。

 20年後の自分がどういたいかな

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