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本当に読者に届く小説の書き方とは?
1.自己紹介
出版社って、閉ざされた世界ですよね。
本や電子書籍が出版されているのは知ってるけど、
数々の新人賞や小説の賞もあるけれど、
その裏側って実はほとんどの人が知りません。
私はフリーランスの小説編集者です。
小説の編集歴は長く、20年以上になります。
主にライトノベル、恋愛小説をメインに編集をしてきました。
出版の裏側は実はあまり面白いものではないのですが(笑)、
アマチュアの方
小説を書くレベルの話
小説を書く人のレベルって
本当にさまざまなんですよね。
プロ作家にももちろんそれはあって、
プロになりたての新人作家とか、
何十年もやってきたベテラン作家とか、
プロの中でもレベルがあります。
私は今、アマチュアの方向けの講評サービスで
いろいろな方の小説を読んでいますが、
全体的にわりとレベル高め、プロ作家並みの力量を持つ方も多いです。
とはいえ、「初めて小説を書きました!」という人から、
恋愛小説は「感情移入」が肝という話
女性向けライトノベル、ティーンズラブ、ボーイズラブ。
どれも女性読者が主人公に「感情移入」して読む小説です。
だから、共感性の高い主人公、感情移入できるヒロインが大切です。
そんなのわかってるよ!
……と、思うかもしれません。
ライトノベルや恋愛小説を書く上では
基本の「キ」ですから。
だからみなさん、共感性の高い、魅力ある主人公を
作ろうと、そして動かそうと頑張っていると思います。
が、
冗漫や冗長って、どう直したらいい?
「小説が冗長です」とか「無駄な部分が多いです」
などと言われた場合、どうしますか?
プロ作家でも、改稿の際に直すのは、
この「冗長部分」というのがトップ5に入るくらい、
やはり多いですね。
作家さん本人ではたぶん、気づかないことが
多いんじゃないかな~と思う、「冗長」。
「冗長」ってなに?
とまずは基本的なところから
ご説明しましょう。
読者が読んでいて
「えー、つまんなーい」「退屈~」
プロ作家とアマチュアの一番大きな違い
プロ作家とアマチュアでは確実に大きく
違うことが一つあります。
それは何かというと――
自分が書きたいものと読者が読みたいものは違う
ということをわかっている
ということです。
書きたいもの=読みたいもの
であることは、非常にまれです。
正確に言うと、完全には一致していない、ということです。
もちろん、物語の大枠、大きな部分は合致していないと、
すり合わせることすら無理なのですが、
細部
Q&A プロ作家になりやすいジャンルってありますか?
小説を書く時に、「ジャンル」って大切ですよね。
もちろん、私の作品は無ジャンル、
ジャンル分け不可能だわ! というものもあるかもしれませんが。
しかし、ジャンル分けできないとなると、
どうやって売ったらいいか難しいところもあります。
出版は、読者ありきです。
読者がいなきゃ、買ってくれる人がいなきゃ、
本が出せないんです。
すばらしい商品を開発しても、
誰も買ってくれる人がいなければ
商売が
講評で気をつけなければいけないこと
小説の講評って、実はちょっと難しいと思いませんか?
だって、「この小説は良い」「この小説は悪い」
……そんな風に良し悪しがはっきりしてるものでは
本来はないですよね、小説って。
確かに、「万人受けする」「万人受けしない」
という作品の違いはあるかもしれませんが。
小説を読んでいると「これは駄目だな」
「これはすごくいい!」と、今までの編集経験から
照らし合わせて、良し悪しが見えてくるのも事実で
売れない作家が売れる時
「売れない作家」が急に「売れる作家」になった瞬間、
という話をしてみたいと思います。
割合的には徐々に売れていく方や、あまり変動のない作家さんのほうが
多いとは思いますが、何年も作家をやってきて売れていない方が、
ある作品を境に急に売れていく時、というのは確かにあります。
例えば、ジャンルを変えた時。
これはBL作家さんなどでは結構あるので、
ご存じの方も多いかもしれませんね。
BL=ボーイ
アマチュアにあってプロ作家にないもの
実は、アマチュアが持っていてプロ作家が持っていないものもある、
と言ったら驚きますか?
もちろん、逆にプロ作家だから持っているもの
――読者とか人気とか名声とかお金とか――
というのは、いろいろあるかもしれませんが。
アマチュアだからこそ持っているもの。
それは――
【自由】です。
執筆の時の「自由さ」と「気楽さ」です。
プロ作家もね、ある程度自由にものを書いている人もいますよ。
でもね、「
短編では作家の力量はわからない
短編と中長編の小説って、
実は書き方も評価の仕方も違うって知ってました?
ここをあまりわからずに、「どっちも小説なんだから、一緒でしょ」と
してしまうと、公募などで大失敗してしまうこともあります。
端的に言うと、中長編の小説はいわゆる「小説」ですが、
短編は同じように考えてはいけません。
短編は特殊なのです。
短編というのは、ここでは一万字以内のものとしますが、
アイディア勝負、ネタが全てで