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さよならするまで遊ぼうよ。

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  • 【料理】を考える

    様々な料理について考えてみました。

  • 【本】について

    本の紹介、本についての記事をまとめました。

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    何度も読み返したい、スキ以上の記事たち。

記事一覧

固定された記事

私が好きなSF小説 5選

こんな話を聞いた。 ビジネスマンが、男に尋ねる。 「本は読むかい?」 「まぁ、多少は」男が答える。 「どういうのを読む?」 「小説ですかね、主にSFとか」 ビジネスマ…

バラクーダ
7か月前
248

【フードエッセイ】はじめて作ったまかないは麻婆豆腐でした

初めて自分で作った料理というのは何だったのだろう。 子供の頃、妹と一緒に作った『目玉焼き』だろうか。定かでない。 余談だが、目玉焼きは料理と呼べるのかという言説を…

42

【ブックレビュー】坊っちゃんだらけの松山で『坊っちゃん』を読む

先日の愛媛旅行に向かう道中、せっかく松山に行くのだから『坊っちゃん』を読んで向かおうと思った。 言わずと知れた、夏目漱石の初期の名作『坊っちゃん』 私も読んだこ…

20

私の黄金週間 (日記)

昔、手帳を使ってスケジュールを管理していた時期がある。 まぁ、スケジュールと言っても週6で仕事をしていた頃だ。空いている時間に誰々と飲んだとか、そんなことしか記し…

バラクーダ
10日前
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平凡な毎日を嘆かない(エッセイ)

年齢のせいにはしたくないが、朝起きて「今日は体調が絶好調だな」という日が少ない。 腰が痛かったり、なんとなく倦怠感があったり、二日酔いだったり。身体のどこかが不…

バラクーダ
11日前
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物語を味わう楽しみ、物語を創る喜び

我々はこれまでどれだけの物語に触れてきたのだろう。 小説、漫画、アニメ、ドラマ、映画。 歴史や古典の教科書、歌の中の詩の世界だっていい。 私自身で考えても、文字通…

バラクーダ
2週間前
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遥かなるオルゴール #青ブラ文学部

「なんでも、小さなオルゴールを貰ったらしいのよ」  晩酌中の妻が言った。  先日13歳になった中学生の娘の話だ。 「それがどうもボーイフレンドからっぽいの。かわいい…

バラクーダ
2週間前
30

愛媛旅行記 (後編)〜ぼくらが旅に出る理由〜

前回からの続き 旅行二日目。 宿をチェックアウトし、松山へ。 ブランチは鍋焼うどん『ことり』と決めていた。 そう、こちらも映画『がんばっていきまっしょい』に登場し…

バラクーダ
2週間前
40

愛媛旅行記 (前編)~ぼくらが旅に出る理由~

旅の名言というのはいくつもあるが、その中でも写真家、星野道夫さんのものがシンプルで好きだ。 そんな訳でいざ、愛媛へと出発しました! 先日の記事でも書いた通り、初…

バラクーダ
2週間前
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趣味との向き合い方 (エッセイ)

自分が気分屋かどうか考えると、認めたくはないが気分屋の部分はある。 もちろん、気分次第で仕事に行かないなんてことは出来ないが、それ以外のものは割と気分で決めてい…

バラクーダ
3週間前
18

祈りの雨を待っている #青ブラ文学部

今回はこちらの企画に参加させていただきます。 山根さん、今回も宜しくお願い致します。 「祈りの雨を待ってるの」  少女はそう答えた。  公園前の交差点、少女はそ…

バラクーダ
4週間前
22

いざ、愛媛へ、がんばっていきまっしょい!

1998年の映画『がんばっていきまっしょい』 監督は磯村一路、女優・田中麗奈のデビュー作でもある。 普段、映画レビューはやらない私がこの作品を取り上げたのは理由がある…

バラクーダ
1か月前
30

ANGELINAを弾きながら (日記)

新しい仕事もまだ慣れていないが、それゆえに待ち焦がれた休日。 残りの人生は趣味に没頭しようと決めた転職だ(もちろん仕事も頑張りますよ!)早速、部屋の隅で眠ってい…

バラクーダ
1か月前
14

クレヨンと選挙ポスターと多様性 #シロクマ文芸部

今回はこちらの企画に参加させていただきます。 よろしくお願いします。 「変わる時が、来た」  こんなキャッチコピーをつけた『西川たかし』のポスターが目に付いた。 …

バラクーダ
1か月前
9

四月物語 (日記)

四月になって新しい生活が始まった。 今回、そんな近況報告の日記を書くつもりでいるが、この場所で日記を書くことはあまりしなかった。 というのも、私のような名もない男…

バラクーダ
1か月前
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【ブックレビュー】村上春樹訳で読むレイモンド・チャンドラー『さよなら、愛しい人』

ジョナサン・レセムはチャンドラーをこう評している。 清水俊二さん訳の『さらば愛しき女よ』はもちろん読んでいる。 しかし、レセムの言う通り数年ごとに読み返すに値する…

バラクーダ
1か月前
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私が好きなSF小説 5選

私が好きなSF小説 5選

こんな話を聞いた。

ビジネスマンが、男に尋ねる。
「本は読むかい?」
「まぁ、多少は」男が答える。
「どういうのを読む?」
「小説ですかね、主にSFとか」

ビジネスマンは自分の仕事に誇りを持っている。
今、世界の経済に自分は最先端の場所で関わっていることを。
それこそがビジネスマンのアイデンティティであり、全てであった。

「小説って、それを読んで何になるの?」
「何になるって、どういう意味?

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【フードエッセイ】はじめて作ったまかないは麻婆豆腐でした

【フードエッセイ】はじめて作ったまかないは麻婆豆腐でした

初めて自分で作った料理というのは何だったのだろう。
子供の頃、妹と一緒に作った『目玉焼き』だろうか。定かでない。
余談だが、目玉焼きは料理と呼べるのかという言説をたまに聞くけど、私は立派な料理だと思っている。

それ以来、料理を作るのが好きになったかと言えば全くそんなことはない。
高校を卒業してなんとなく始めた居酒屋のアルバイトまで料理に興味はなかった。
そんな、なんとなく始めた料理が長年自分の生

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【ブックレビュー】坊っちゃんだらけの松山で『坊っちゃん』を読む

【ブックレビュー】坊っちゃんだらけの松山で『坊っちゃん』を読む

先日の愛媛旅行に向かう道中、せっかく松山に行くのだから『坊っちゃん』を読んで向かおうと思った。

言わずと知れた、夏目漱石の初期の名作『坊っちゃん』
私も読んだことがあるはずだが、ストーリーをまるで忘れてしまっていた。

なるほど、こんな書き出しだった。
国語の教科書で読んだ記憶だ。
そんな教科書に載るほどの作品なので、今回はネタバレ全開でのレビューになることを先にお伝えしておきます。

あらすじ

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私の黄金週間 (日記)

私の黄金週間 (日記)

昔、手帳を使ってスケジュールを管理していた時期がある。
まぁ、スケジュールと言っても週6で仕事をしていた頃だ。空いている時間に誰々と飲んだとか、そんなことしか記していない。
ただ、その頃の手帳を見返すとその時の自分の交友関係がよく分かった。中にはもう疎遠になり会わなくなった人の名前も記してあり、少し切ない気持ちになった。

私には日記を書くという習慣がない。たまに入る予定も今ではスマホで管理してい

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平凡な毎日を嘆かない(エッセイ)

平凡な毎日を嘆かない(エッセイ)

年齢のせいにはしたくないが、朝起きて「今日は体調が絶好調だな」という日が少ない。
腰が痛かったり、なんとなく倦怠感があったり、二日酔いだったり。身体のどこかが不調をきたしていることがほとんである。

年に何度か、たまに朝起きて身体が軽く、頭は冴え、体調が素晴らしい日がある。
そんな日はそれだけで気分が上がる。
とはいえ、そんな日に何か特別なことが起こるかといえばそんなことはない。
何が言いたいかと

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物語を味わう楽しみ、物語を創る喜び

物語を味わう楽しみ、物語を創る喜び

我々はこれまでどれだけの物語に触れてきたのだろう。
小説、漫画、アニメ、ドラマ、映画。
歴史や古典の教科書、歌の中の詩の世界だっていい。
私自身で考えても、文字通り数えきれないほど触れてきたと思う。
細部まで覚えているものは少ない。むしろ、ほとんどの話は忘れてしまっている。

では、忘れてしまったのなら意味がないことだろうか?
否、そんなことはないはずだ。
自分の人生という一番の物語、昔のことを忘

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遥かなるオルゴール #青ブラ文学部

遥かなるオルゴール #青ブラ文学部

「なんでも、小さなオルゴールを貰ったらしいのよ」
 晩酌中の妻が言った。
 先日13歳になった中学生の娘の話だ。
「それがどうもボーイフレンドからっぽいの。かわいいでしょ?」
 赤ワインを飲みながら嬉々として喋っている。

 ボーイフレンド?
 父親の私としてはその言葉にひっかかったが、実はオルゴールという単語にも興味が湧いていた。
「へぇ、オルゴールねぇ」
 動揺と興味を悟られないよう、私も缶チ

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愛媛旅行記 (後編)〜ぼくらが旅に出る理由〜

愛媛旅行記 (後編)〜ぼくらが旅に出る理由〜

前回からの続き

旅行二日目。
宿をチェックアウトし、松山へ。

ブランチは鍋焼うどん『ことり』と決めていた。
そう、こちらも映画『がんばっていきまっしょい』に登場した聖地である。

レンタカーを返し、ここへ来る時に乗ったタクシーの情報では松山市民は讃岐うどんを好む人が多いと聞いたが、この柔らかいうどん、なんとも美味しいじゃんすか!!
出汁も関東にはない風味。正直、かなり期待してこの店まで来たが、

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愛媛旅行記 (前編)~ぼくらが旅に出る理由~

愛媛旅行記 (前編)~ぼくらが旅に出る理由~

旅の名言というのはいくつもあるが、その中でも写真家、星野道夫さんのものがシンプルで好きだ。

そんな訳でいざ、愛媛へと出発しました!

先日の記事でも書いた通り、初の四国旅行。
結論から書いてしまえば、初の四国に愛媛を選んで本当に良かったなと思っています。

一泊二日のタイトなスケジュールだったので、それなりに詰め込みましたが大満足でした。
それにしても、この四月から転職をして夢の土日休みを獲得し

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趣味との向き合い方 (エッセイ)

趣味との向き合い方 (エッセイ)

自分が気分屋かどうか考えると、認めたくはないが気分屋の部分はある。
もちろん、気分次第で仕事に行かないなんてことは出来ないが、それ以外のものは割と気分で決めている気がする。

食べ物だって気分で決めていいし、自分の好きなもの(趣味)だって気の向いた時に楽しめばいい。何も問題はない。
自分の趣味で言えば、本を読みたいときに読書をするし、映画が観たければ映画を観る。音楽だって同様だ。このnoteだって

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祈りの雨を待っている #青ブラ文学部

祈りの雨を待っている #青ブラ文学部

今回はこちらの企画に参加させていただきます。

山根さん、今回も宜しくお願い致します。

「祈りの雨を待ってるの」
 少女はそう答えた。

 公園前の交差点、少女はそこに立っていた。
 男は公園内の喫煙所から何気なく交差点を眺めていた。歩行者用の信号が青になっても少女は渡る素振りがない。そして信号は赤に変わる。男が缶コーヒーと一緒に2本の煙草を吸っている間、少女は立ち続け信号は変わり続けた。

 

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いざ、愛媛へ、がんばっていきまっしょい!

いざ、愛媛へ、がんばっていきまっしょい!

1998年の映画『がんばっていきまっしょい』
監督は磯村一路、女優・田中麗奈のデビュー作でもある。
普段、映画レビューはやらない私がこの作品を取り上げたのは理由がある。

来週、愛媛旅行に行ってきます!

一泊二日の旅ではあるが、初の四国の地。今から楽しみである。
若い頃は仕事に追われ、あまり旅行に行く習慣はなかったが、年を取ってから意識して向かうようになった。
旅は準備も楽しい。その土地のことを

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ANGELINAを弾きながら (日記)

ANGELINAを弾きながら (日記)

新しい仕事もまだ慣れていないが、それゆえに待ち焦がれた休日。
残りの人生は趣味に没頭しようと決めた転職だ(もちろん仕事も頑張りますよ!)早速、部屋の隅で眠っていたギターを引っ張りだした。

無職中も何度か久しぶりにギターを弾いてみようかと思うことはあった。だが、ギターなんて弾いてる場合かとブレーキがかかったし、たぶん実際に弾いていたらより自己嫌悪に陥った気がする。
しかし、晴れて社会人になった身だ

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クレヨンと選挙ポスターと多様性 #シロクマ文芸部

クレヨンと選挙ポスターと多様性 #シロクマ文芸部

今回はこちらの企画に参加させていただきます。

よろしくお願いします。

「変わる時が、来た」
 こんなキャッチコピーをつけた『西川たかし』のポスターが目に付いた。
 僕が住む街の市議会議員選挙の告知ポスター、西川たかしはカメラ目線で笑いながらガッツポーズをしている。ポスターの左側には「今こそ若い力で変革を!」とゴシック体での文字もある。

 西川たかしは僕の小学校の同級生だ。
 本当は西川隆と言

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四月物語 (日記)

四月物語 (日記)

四月になって新しい生活が始まった。
今回、そんな近況報告の日記を書くつもりでいるが、この場所で日記を書くことはあまりしなかった。
というのも、私のような名もない男の日記など誰が読むんだという自制心が働いていたからだ。
好きな人の日記なら覗き見してみたい心情も分かる。だが、どこの馬の骨ともしれない男の日記などどこに需要があるんだという思いでいた。

とはいえ、このnoteに初投稿した去年の八月、それ

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【ブックレビュー】村上春樹訳で読むレイモンド・チャンドラー『さよなら、愛しい人』

【ブックレビュー】村上春樹訳で読むレイモンド・チャンドラー『さよなら、愛しい人』

ジョナサン・レセムはチャンドラーをこう評している。
清水俊二さん訳の『さらば愛しき女よ』はもちろん読んでいる。
しかし、レセムの言う通り数年ごとに読み返すに値するチャンドラー、どうせなら話題になった村上春樹さんの訳で読み返してみようと思った次第だ。

村上春樹さん版のチャンドラーは初であった。タイトルは『さよなら、愛しい人』になっている。
私立探偵フィリップ・マーロウの長編小説は全七作あり、本作は

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