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感想文(映画、本、ドラマなど)

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宇宙を歩く君を見たい

宇宙を歩く君を見たい

とても面白い漫画を見つけた。

まだ一話しか読んでないのに、涙がボロボロ出てきて、とても素敵な作品だと心動かされた。

学力底辺校と呼ばれる場所で勤務していたので、まさに同じようなことで苦しむ生徒をたくさん見てきた。
「普通に生きる」それを「宇宙を歩く」と表現するところも詩的で素敵だ。

そんな読後感の中、テレビでYouTubeを付けると下記の動画がおすすめで上がって来た。

夫が格闘技が好きだか

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『サラバ』西加奈子著 感想文~人生を愛すること~

『サラバ』西加奈子著 感想文~人生を愛すること~

面白かった~
余韻が二三日続いてます。

図書館で娘の為に絵本を借りる時に、私も読める小説を借りた。
一日一冊、三日であっという間に読み終えた。
赤ちゃんの子守しつつスマホを見ていると、罪悪感が湧くのだけど、文庫本だと少し許された気持ちになる。
同じかな?

あらすじがどうとか、解説っぽくまとめることはせず、ひたすら思ったことを書きたい。
読書会がしたいなぁ。

・サラバの正体
最初ピンと来なくて

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子供のための優しい物語 君たちはどう生きるか 

子供のための優しい物語 君たちはどう生きるか 

ぽわぽわした不思議の世界の中で、はっきりと感じたものは、未来を生きる子供たちに向けた優しい眼差しだった。
物語の本質も細かい点も理解しきれず、気持ちをうまく言葉にできないというのに、涙がぼろぼろ零れ落ちた。

私が感じた2つの強い気持ち

・世界は不思議で不確かなもの

現実を生きていると、社会を世界を分かった気になってしまう。
でもここで生きてる私たちが本当に知ってることなんて僅かなんだと思った

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あいの里感想~恋愛適齢期とは~

あいの里感想~恋愛適齢期とは~

ネットフリックスで配信されている「あいの里」観ましたか?
参加者が35歳以上の大人な恋愛と言うことで、他の恋愛リアリティーショーとは一線を画していた。
「あいのり」が大好きな私は、SNSで「あいの里」の存在を知り、わくわくしながら見始めたのだけど、大人な恋愛と言う前情報を入れていなかったので、面食らってしまった。60歳の恋愛はなかなか見慣れていないので。

若い男女の恋愛の方がビジュアル的に美しい

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ドラマ「セックスエデュケーション」が最高に素敵!

ドラマ「セックスエデュケーション」が最高に素敵!

ネトフリで人気のイギリスドラマ「セックスエジュケーション」を観た。

あらすじは…セックスセラピストを母に持つオーティスが、ひょんなことから、学校で誰とも馴染まない一匹狼の美しいメイブと、生徒向けの秘密のセックスセラピストを始める、というものだ。

高校生達の「性」の問題を通して、思春期の複雑な心境や親との関係性、ジェンダーについてなど多様な切り口が見事に描かれてる!
性の問題を、正しく真っ直ぐ清

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映画「あの子は貴族」と駅ビルの美味しかったパスタについて

映画「あの子は貴族」と駅ビルの美味しかったパスタについて

映画「あの子は貴族」を観た。
東京の富裕層の家庭で育てられた女性と地方の少し経済的に苦しい家庭出身の女性の人生が、1人の男性を巡ってほんの少し交差する話。

胸がヒリヒリしたのは、私が地方出身で勉強して東京に上京する切符を得た経験があったからだ。
そして劇中で、東京では同じレベルの人としか巡り合わない構造になっているという話も、ヒヤッとした。貴族のような本物のお金持ちに私は出会ったことがないから

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フィンランドと映画「かもめ食堂」私と共に、いい感じに変わろう。

フィンランドと映画「かもめ食堂」私と共に、いい感じに変わろう。

映画「かもめ食堂」を観た。

フィンランドのヘルシンキに行くことになった時、フィンランドと言えば何だろうか?と思いつくものを列挙してみた。

サーモンスープ、シナモンロール、マリメッコ、ムーミン、かもめ食堂

と浮かんだくらい、フィンランドを舞台にした有名な日本の映画。

日本食レストランを切り盛りするサチエという女性と、ワケありな二人の日本人の生活を切り取ったお話。
淡々とした日々の中で、人生に

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「First Love 初恋」トキメキをありがとう!

「First Love 初恋」トキメキをありがとう!

ネトフリ配信中の満島ひかりと佐藤健W主演の「First Love 初恋」を観ました!!

宇多田ヒカルの「First Love」「初恋」の2曲にインスパイアされた、初恋の思い出を巡るラブストーリー。
中学3年生の受験から20年以上の時間をかけて、2人の運命の恋愛が動いていく。
大切な初恋であるが、結ばれない事情に翻弄された恋愛が描かれております。

*ネタバレ有り

とにかくタイトルの通り、トキメ

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私が本屋さんに求めるものは人との繋がり

私が本屋さんに求めるものは人との繋がり

*本屋さんがどんどんなくなる

有名書店の廃業が新聞に載っていた。
出版不況と叫ばれているが、コミックの売上は回復したとか。

よく言われることだけど、
本好きが減ったわけでも無いし、
電子書籍に市場がめちゃくちゃ奪われたわけでも無く、

暇つぶしとしての本=雑誌、 雑学書
知識習得しての本= ムック、専門書

が売れなくなったんだと体感している。

つまり、本が持っていたある種の機能が失われた、

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マカロニえんぴつがアラサーの私にも響く理由

マカロニえんぴつがアラサーの私にも響く理由

マカロニえんぴつが大好き!
(ボーカルのはっとりさん率いるロックバンド。
若者に支持されている。)

ライブに行くと圧倒的に私だけ年齢が高い…!
とはいえ、明らかに歳下のティーンのキラキラした笑顔を見るのも楽しい。

*マカロニえんぴつとの出会い

高校1年生の生徒に「ヤングアダルト」を教えてもらった。
(あっ、私は高校教師です。)
思春期の生徒たちはこんな歌詞に共感するんだねと思って聴いたら、は

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【ジブリ考察③】 海がきこえる

【ジブリ考察③】 海がきこえる

観たことありますか?

「海がきこえる」は1993年に、小説を原作にアニメ化された作品である。
ジブリで作られた作品だけど、宮崎駿作品ではない。
徳間書店から出ているアニメ雑誌「アニメージュ」で連載されていたいわゆる青春恋愛小説で、高知県の高校へ、東京から転校してきた美少女と地元の少年の物語だ。
この美少女、里伽子がとんでもない性格で、我儘で気の強い性格なのが一番の見どころだ。

エモい描写
「エ

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【ジブリ考察②】アーヤと魔女

【ジブリ考察②】アーヤと魔女

前評判はあえて見ず、宮崎吾朗監督の新作であること程度。公開時に見たCGとロックなイメージのみ頭の中に。

感想…「なんかあんまだな~」「えっこれで終わり?」でした。

原作をちょっと調べた結果、児童文学らしさいっぱいの楽しい話のようでした。
「魔女の宅急便」「霧のむこうの不思議な街」(千と千尋の要素を感じる作品と言われている)など、児童文学のワクワク感。
ただただ正しいだけではない人間らしい主人公

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黒髪が乱れるままに。

黒髪が乱れるままに。

最近ちょっとした和歌ブームです。
そこで、今日の和歌を一つ。

黒髪の 
乱れもしらずうちふせば 
まづかきやりし
人ぞ恋しき

和泉式部

【訳】
黒髪の乱れもかまわず、
倒れるように横になっていると、
真っ先に、この黒髪を掻き上げてくれたあなたが浮かぶ。
あなたが恋しい。

(文法をきちんと読み解いていくと、ところどころ違うのかも知れませんが、こんな感じで合っていると思います。)

なんて、美

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あとがきの余韻。

あとがきの余韻。

恩田陸さんは特別好きな作家さんの一人ですが、
先日読んだ本のあとがきがたまらなく素敵だったので、まだ時折そのことをふいに考える。

こういうのを「余韻」と呼ぶのだろう。

タイトルは「七月に流れる花」と「八月は冷たい城」。
図書館のティーンズコーナーをうろうろしていて見つけた2冊。
表紙は大好きな酒井駒子さん。

かつて子どもだったあなたと少年少女のためのミステリーランド。

講談社から出ているシ

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