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エッセイ

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【2024/05/04の気持ち】

【2024/05/04の気持ち】

愛しき日々を思いましながら詩を作っている。

痛みと快感が同時に心に鬩ぎ合う。

これこそまさに魂のリストカットだ。

痛くても引きちぎってしまうささくれのように

痛くても噛み潰してしまう口内炎のように

破壊的な創造の中心部に夕焼けの哀愁を宿している。

【中原中也詩集を読んで】

【中原中也詩集を読んで】

先日購入した、太田治子さんの著作

『中原中也詩集』について話していきたい。

汚れつちまつた悲しみに

今日も小雪の降りかかる

汚れつちまつた悲しみに

今日も風さへ吹きすぎる

汚れつちまつた悲しみは

たとへば狐の革裘

汚れつちまつた悲しみは

小雪のかかつてちぢこまる

汚れつちまつた悲しみは

なにのぞむなくねがふなく

汚れつちまつた悲しみは

懈怠のうちに死を夢む

汚れつちまつ

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前橋ポエトリー・フィスティバル2024/街なか展覧会参加レポート。

前橋ポエトリー・フィスティバル2024/街なか展覧会参加レポート。

詩を作るようになって5ヶ月

これまで細々と詩を作ってはネットに投稿することを繰り返してきたが、遂に今回初めて文学系のイベントに参加をしてみた。

X(旧Twitter)やnoteにて相互フォローをしていただいている新井隆人さんという詩人さんを通して知ったこのイベントは、僕の地元でもある群馬の前橋にて毎年開かれているイベントで、詩や写真や絵やポエトリーなどの様々なジャンルから多数のアーティストさん

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【Aくんとの誓い】

【Aくんとの誓い】

月1〜2回前橋の病院に通院してるので、通院ついでに前橋に住む友人Aくんと桜を見たり酒を飲んだりしてきた。

彼は大学に入ってすぐからの付き合いで、とても気の合う面白い人だ。

なんせ僕がどれだけバカなことをしても、世間から逸脱したことをしても腹を抱えてそれを笑ってくれるものだから非常に一緒にいて心地が良い。

僕がが過去に友人の連帯保証人になって100万以上の借金を作った時も、訳あってアンダーグラ

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【鈍色】

【鈍色】

額縁に飾られている豚のような気分だ。

鈍色の空から降り注ぐ雨粒が肉塊を抉りやがる。

頭を掻きむしって、お隣さんの迷惑にならないように嗚咽混じりの唸り声を地の底に思い切り響かせる。

こんなもんやってたってなんにもなりゃしないんだよ、とアセファルを羨みながら呟く。

これはもう吐血だ。

悲しみと痛みを吐き出す言葉には、鮮明すぎる血が混じってる。

四方八方から降り注ぐ痛みが脳をギュッと締め付け

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子どもの作る詩に心打たれ(日記)

子どもの作る詩に心打たれ(日記)

昨日は仕事で小学生の教え子と散歩をしながら詩を作っていた。

広々とした公園で足を揃えて思案に耽る中、児童が「時は今 価値観壊して 進んでく」という詩を詠み、その能動的なダイナミックさに感銘を受けたし

その後には「雑草は 大きさなどでは 比べられられぬ」ともうたってて、自分が作った詩よりも印象的だし、好きだなぁと感じた。

詩の技巧云々に関しては後から勉強すればよいもので、それよりもこの素直な若

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『発達障害者としての僕』に対する洞察①

『発達障害者としての僕』に対する洞察①

僕は、自分自身が発達障害の身にして、所謂「療育」という仕事をしている。

高校の時に心理学の本を読み耽っていた親友に「キミたぶんAD/HDだよ。」と言われたことをキッカケに心理学に強い興味を抱いた。

発達の疑いがある人が、実際に診断を貰った時の心境は様々だが、僕の場合はすぐに診断を貰わなかったものの、AD/HDについて独学で調べている中でとてもワクワクした気持ちになったことを今でもハッキリと覚え

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【それぞれの孤独】

【それぞれの孤独】

孤独の前に人は皆、例外なく平等に悪人だ。

それぞれの孤独

誰も悪くなどなく だからこそ誰もが大罪人なのだ。

孤独の前に人は平気で嘘をつき、他人は愚か自分に対してすら世紀の大嘘つきとなる。

彼の孤独に寄り添うなどという言葉も、所詮は自分の孤独を紛らわすための大義名分に過ぎず、少しでも自分の寂しさを忘れるため、己の安定を図るため……誰もが孤独との惨たらしい戦いの中で日々もがいている。

人はエ

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「無条件の優しさ」

「無条件の優しさ」

強さとは悲しさだと思った。

その人が生きてきた人生の中で、そうでなければ生きられなかったんだということを強烈に叩きつけてくるような、慟哭の裏返しが「強さ」なのだと僕は感じた。

特に「無条件の優しさ」を持つ人はその最たる例であり、微笑みの奥底から半透明の姿で涙ながらに悲痛の訴えを叫んでくる。

心と心の対話を重ねるうちに、やがて半透明の姿はくっきりと濃い現実の色を纏うようになり、自らの抑圧からこ

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【非常識家の常識】

【非常識家の常識】

幼き頃から僕は「常識的に考えろ」と言われ続けてきた。

昨日僕は児童たちに「常識というものを考えろ」と語った。

療育という仕事をしていると、度々発達障害というのは人から嫌われる障害だなぁと感じる。

特に、大人からはよりそれが態度に出されやすいものだろうとも感じるところだ。

僕は生まれつき生粋のAD/HDで、短い期間ながら通った保育園ではお昼寝の時間になると外へ出かけようとし、活動の時間になる

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【僕のクリスマス嫌いについて】

【僕のクリスマス嫌いについて】

僕にとって、クリスマスイブとクリスマスとは一年の中で最も悲しく狭苦しい思いをする、地獄のような2日間だ。

それ以前に、そもそも11月とか12月の暗く陰鬱で、神経がぐちゃぐちゃになっていく季節感が好きではない。

例えば地理の側面から人を見てみても、北国のような寒い地方では鬱病を発症しやすかったり、なにかと精神が下向きになることが多く、反対に温かい地域においては、朗らかで陽気な気質になりやすいと聞

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一人暮らしをはじめて思うこと。

一人暮らしをはじめて思うこと。

一人暮らしをはじめて約2週間が経った。

恥ずかしながら、齢28にして人生初の一人暮らしだ。

これを聞くと「とんだ甘えたお坊ちゃんだ」と嘲る人もあるだろうが、実際「お坊ちゃん」とまでいかなくとも、世間でいう中流階級くらいの家に生まれ育ったわけだから、顔を真っ赤にして異を唱えられるような立場でないことくらいは僕自身が一番知っているつもりだ。

僕は現在教育関係の仕事を約3年ほどしており、教え子達に

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「天花との酒盛り」

「天花との酒盛り」

「生きてる感じがするなぁ……」

天花との一年ぶりの再会を肌で楽しみながら、

ちゃぷ ちゃぷ と僕が歩くたび心地よく鳴り渡る音に耳を澄ませていた時に、自然と独り言が口から溢れた。

凍雲に身を包んだ鉛の空に向かい祝杯をあげた僕は、熱った体をちょうどよく冷たい風に叩いてもらい、すっかり調子が良くなっていた。

酒がサウナだとしたら寒風が水風呂で、買い物帰りに朗らかに歩む僕は、その交互浴がこれ以上な

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