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車椅子を走らせた、栗林公園でね【高松days3】

統合失調感情障害の画伯ちゃんと、身体障害や内部障害を抱える相手。そんな2人がマッチングアプリで出会った。
趣味が似ていることから、すぐに仲良くなり付き合うことになった。

しかし、コロナが席巻した3月以降、会う予定がほとんど飛んでしまった。
それでも"このチャンスしかない!"という日を見つけた。

それは自粛の始まる直前の4月。

高松で。

前回までは↓↓↓


今回の恋愛についてマガジンにまとめました↓↓↓


2日目(CBDグミな朝)

相手が先に起きていた。体調は良さそうな雰囲気。
画伯ちゃんは前回の"ダイワロイネットホテル徳島"の時、飲み忘れていたコーヒーにリベンジ。

受付で「要りますか?」と聞かれて貰えるもの。
前回は家に帰ってから飲んでいた。

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ふぅ〜。
(朝からコーヒーを飲むのは、旅先だけの画伯ちゃん)

落ち着くぜ。

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今回見つけた梅茶。
味が気になったから、この梅茶は貰って帰ることにした。

数日後に飲んだけど、これめちゃくちゃ美味しかった!


こんなふうに、非日常感を味わっていたとき

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相手がこれを差し出してきた。
CBDのグミだ。

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足や内部に障害を抱える相手。
常に痛みが伴っている。

画伯ちゃんが岡山時代の精神科で知った、CBDをオススメして、使い始めていた。

画伯ちゃんは情報だけ知っていて、使ったことが無かった。

「1粒食べてみる〜?♪持ってきたの!」

「おー!ありがとう!食べてみたい!」

前日に、そう話してくれた相手。

夜に食べるのを我慢して、2日目の朝に食べた。
眠剤や精神薬を飲む夜だと効果がわかりにくいと思ったからだ。

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CBDグミのベリー味らしい。
相手はすっかりハマっていて、リピート買いするようになっていた。

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まず匂いを。
うんうん。グミっぽい匂い。

触り心地は。
これもそのまんまグミだ。

食べてみる。
まず先端をかじってみた。

んんん...!

美味しいとは思えなかったけど、"成分が練り込まれてますよ〜"というような味が口に広がっていく。

たぶん1粒じゃ効果わからないのかも。1週間くらい続けたら良さそうな雰囲気。グミにしろ他のCBD商品にしろ。そんな気がする。

と思いながら食べきった。


そのままの感想を相手に伝えると、「美味しいけどな〜」とボソッと呟いていた。

あっ!
さっきのコーヒー飲むんじゃなかった...

日常と違う行為、成分を摂ったことで、何が効いてるのかわからなくなるじゃないか...

それでも少しボーッとする落ち着きを感じていたようにも思う。
まだまだ値段の高い商品だから、いつかもっと価格が落ち着いたら画伯ちゃんも普段から使ってみたいな〜!

躁鬱に良さそうな気がする。

丸亀町商店街を散策

ホテルをチェックアウト。
画伯ちゃんはホテル下の、丸亀町グリーン内にある"リトルマーメイド"というパン屋さんへ。

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朝食に、カレーパンと丸亀あんパンを購入。
少食な相手は横で飲み物を飲んでいた。

汚くて申し訳ないけど、どちらのパンも具材たっぷりでめっちゃパンチ効いてて美味しかったな🤤

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パン屋を出て、一旦2階のトイレへ。
そこからの景色を見てみると

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あれ!昨日ホテルの部屋から見えていた場所だ!
夜に探してもわからなかったけど。この辺にあるのか。

このあと少し1人で探してみたけど、やっぱり辿り着けない。
ソフトクリームの看板があるからカフェなはずなのに!

仕方ない...また次回だ...
今回は諦めよう。

相手と合流し、商店街に入っていく。
昨日より若者やファミリー層が多い。初日に見た大阪梅田よりも賑わいがあった。

相手が行きたいと話していた、丸亀町商店街にあるmarimekkoへ。

聞いた事あったけど初めて行くところ。
可愛いな〜これいいな〜と手に取ると数万円していた

へぇぇ!?こんなに高いの!?
腰を抜かしそうになって、手に取ったことすらバレないように戻し、俺は空気を消した。

相手も可愛い〜とは言うものの買う気配はなかったので、店を出ることに。
他のお客さんがいなくて、店員さんのセールストークが始まりそうだったから不安だったぜ。

商店街を進むと

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凄まじい名前のカフェバーが!
中でライブもできるのかな?

開いててほしかったな〜!
店名が凄すぎて、かなり気になった。

バンド始めたら、ここにツアーしに来たい😎

商店街をさらに進むと

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大阪や岡山に住んでいた時にも見かけた、宮脇書店の本店があった!
香川が一店舗目だったとは。本当になんでも揃う素晴らしいお店!好き!

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アーケードの繋ぎ目まで来た。


美術館通りとアーケードの繋ぎ目の所にあるビルの中へ。
(調べてもビル名がわからず)

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この看板のあるビルの2階へ。
オシャレな雑貨などを見て、少しベンチでゆっくりしていた。

「ねぇ!そろそろうどん食べに行こ〜!」

画伯ちゃんはうどんの時間を心待ちにしていた。

さか枝うどん

進んできた道を戻り、ホテル前を通り過ぎ、反対の商店街の中へ。

ジブリのお店などチョロチョロ寄りながら、すぐに到着。
ホテルからだと数分の場所にあった。

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栗林公園のほうにある番町店は数年前に来たことがある。
おばあちゃん家みたいな建物に、観光客が多く来ているイメージ。

この南新町商店街店は、地元のおじちゃん、部活行き帰りの中学生、若いカップル、地元ファミリーなどが来ていた。

そして店内が永遠みたいに広い。
手を洗いにトイレに行ってみると、タイムスリップしたかのような内装のトイレに辿り着いた。

開くのに世界で一番チカラがかかりそうな鉄の扉。
その向こうにその光景はあった。


想像を超えてくる瞬間を求めて人は生きていく。
自分の思考の奥、他人との触れ合いの中、風景や場所。

それらによって、想像を超える瞬間はやってくる。
画伯ちゃんはうどん屋のトイレで、その瞬間を味わって笑っていた。

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おいおいおい!
完璧か!?

少しは変わるのかと思ったけど、ほぼ同じ!
番町店で食べた時の感動と、ほぼ同じだった!

めっちゃんこうまいの!

激安で、店内に自由さがあって、居心地も良くて。

番町店は旅行気分が高まるが、画伯ちゃんはこっちのほうが親しみ深くて好きだな。

いろんなうどんをもっと食べたいな〜😍

高松MONSTER

大満足でお店を出た画伯ちゃんと相手。

相手はもううどんを欲してないだろうから、我慢するけど、あと4店舗くらい行きたかったな。笑

さか枝うどんから近かったこともあり、本来の目的地である高松のライブハウス"MONSTER"へ行ってみることに。

大阪や徳島でマスクが手に入らなかった時期なので、ワンチャンあるかな?と思い、道中すべての薬局に寄っていった。

1枚たりとも売っていない。
切ない気持ちのまま歩いていると

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MONSTERだー!!!初めて来た!!!
ライブは無いけど、ここに来たよ。

NAMBA69Hawaiian6の対バン見たかったなぁ。
8月に延期された公演が見れることを願って、一礼してその場を離れた。


栗林公園へ出発

目の前には琴電の駅
ここから栗林公園まで電車で行けそうだ。

帰りのバスの時間まで、栗林公園で過ごすことにした。
(事前に開いていることを、相手が調べてくれていた)

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たぬき横丁!?
MONSTER前からエスカレーターで駅に向かっていると、面白そうな横丁が見えていた。

飲み屋街とかあったのかなー?
またここもいつか来てみたい。

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レトロさと現代感の混ざった切符売り場。
身体障害者用の切符を買う方法がわからなくて、駅員さんに聞いて購入。

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子どもで買えば良かったんやね〜。知らなんだ。

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可愛い色合いの電車。
大阪に住んでいると違和感のある、少なめの車両。

このあたりで気づいたけど、当時は大阪よりソーシャルディスタンスの概念が根づいてなかった気がする。

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栗林公園駅に到着。

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青春みたいな風景してるよね。
とんでもなく爽やかな気持ちになった。

青と雲のバランスがいい!

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(引用:Google Map)


ここからはGoogleマップ通りに歩けば7分。
足の痛い相手と、支える画伯ちゃんとでは、おそらく20分。

それから栗林公園の中も歩く...
そう考えると無理な気がしてきた。

妙に近いし、タクシーも見当たらないので、歩いて向かうことに。


相手がネガティブにならないような空気作り、なるべく楽に歩いてもらえるような支え方の模索。

ゆっくりゆっくり。考えながら進んでいた。
しかし半分を過ぎた頃、画伯ちゃんの右肩が急に痛みだした。

3月頭にジムで右肩を痛め、3月の徳島旅行で相手を支え、この時も支えていると痛めたところがおかしくなったみたい。
素人が模索しながらやるのは難しいね。教えてもらうか調べておくべきだった。なお2020年7月現在もまだ右肩がおかしいまま。霊かな...


栗林公園に着くまでは隠し通そうと決め、なんとか2人は450メートルを歩ききった。

栗林公園に到着

「障害者手帳で無料で入れるね〜」など話しながら、小石の敷きつめられた敷地に入っていく。

ここで相手から思いがけない言葉が出てきた。

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「あっ!あそこに寄ってもいい?」

写真の場所を指さした。
そして

「車椅子借りよっか!」

「え!う...うん...」

そんなことできるんだ。
え!ということは俺が押すってことか?

電動を借りれるわけないよな...

観光事務所へ入り、車椅子をレンタルした。
レンタルは無料で、ブランケットも貸してくれた。

車椅子のブレーキや運転の説明を軽く受ける。
事務員さんは、俺が家族かヘルパーだと思ってる雰囲気。

事務員さんがアルコールスプレーで、持ち手と画伯ちゃんが触れるであろう部分を除菌して去っていった。

まったく使ったことのないものを前に、唖然とする画伯ちゃん。
相手を支えて車椅子に乗せ、その場で軽く練習することに。

「おぉ!すごい!身体を使って支えるより楽だ〜!」

「こっちのほうがお互い楽しめそうでしょ?♪」

こんなに便利だったとは。初めて知った。
画伯ちゃんは「ブオーン」と小さく呟きながら、車椅子を押して栗林公園内を進み出した。

車椅子とオリーブ

コロナ問題により、園内でも閉まっているお店が多いと受付で聞いていた。
観光事務所からすぐの場所に、お茶屋さんを見つけたので休憩することに。

しかし立ちはばかるものがあった。
あまりにも高い段差だ。

どう考えても超えられない。画伯ちゃん1人でもしんどいくらいの。

それを目の前にして、車椅子をどうしていいかわからず、「とりあえず店員さんに聞いてくる!」と話して画伯ちゃんは中へ入っていった。

身振り手振りつけて、必死に話す姿を見て意図を汲み取ろうとする店員さん。
外に待つ、相手の姿を見て察してくれた。

「車椅子ってどうすればいいですか?」

「車椅子は私どもが運びますので、先に入っていてください♪」

ありがとうございます


ただ、この高い段差を相手とどうやって乗り越えよう...
おんぶしたら相手も恥ずかしがりそうだし...

そのとき車椅子を運び終えた店員のお姉さんが戻ってきてくれて、一緒に段差を超えることができた。

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注文したジュースが届き、1口飲んでやっと動悸がおさまった。
画伯ちゃんちょっと成長しすぎた。

いろんな経験をたくさん積み重ねた。
初めてのことに対して、いつも怯えて逃げてきた画伯ちゃん。

初めて向き合って逃げなかったかもしれない。
それくらい、相手のことを理解したくて、受け入れたくて好きだったんだろうな。

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相手の頼んだ飲み物についてきた、謎のお菓子。
これは理解できず、受け入れられず、好きになれなかった。

オリーブってあんまり得意じゃないのかも...

お会計をお願いし、トイレの場所を尋ねる。


すると店員のお姉さんが

「車椅子のまま、こちらの通路から真っ直ぐ進むとトイレがあります。その間にスロープになっている箇所がありますから、そこから外に出てくださいね〜♪」

教えてもらった通りにして、外に戻ってきた。

ありがとうございます


4月の光景


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気温が心地よく、適度に人がいるザワザワ感で、眠たくなってくる。
栗林公園に来ると、心が落ち着く。いいとこだ。

コロナが無ければキャンドルナイト?が開催されていたらしく、それも見れなかったので、またいつか見に行きたいねぇと話し合った。

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"車椅子の人単体"を初めて撮影した。

綺麗やなぁっていう気持ちと、フライヤーで使ったら目を引くだろうなぁと想像していた。
(文章にすると、いい意味に聞こえないかもしれないけど)

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車椅子だと通れない箇所があるので、写真に写っている曲線を描いた橋が渡れなかったのは、少しだけ残念。

あと池の全貌が見える、小高い丘のようなスポットにも入れなかった。
いつか相手の足が良くなったら、一緒に景色を見て周りたいな。

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ここで写真を撮影していると、地元に住むという真っピンクな服装のオバサンが近づいてきた。

「どこからきたの〜?」

嫌な予感がして、だいぶぼやかして返答していく。

「あらぁ、そうなのね。わざわざ遠くから。あたしはそこに住んでるの。毎日散歩してるんだよ」

相手の方に助けを求めたが、こちらから目を外している。会話に参加しない鉄の意思を感じた。笑
画伯ちゃんは知らん真っピンクと5~10分ほど会話していた。

ここまでの道中で、ホテルのフロント以外とは、近くで話さなかったのにな。
最後に知らんオバサンに絡まれるとは。

永遠に話す気がしたので、逆に褒めまくって気持ちよくさせてやろうと、画伯ちゃんが会話を握った。

巻きに巻いて、相手を満足させることに成功。


"相手"
はこういう人とも接する仕事をしているので、対応してるとこ見てみたかったけどな〜。

他人と絡んでる姿を全然見せてくれない。
画伯ちゃんには笑顔を見せてくれるのに。

不思議な感じだ。

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画伯ちゃん、とても楽しそう!

帰りのバスまで、もう少し

今回はお互い遠征しているので、それぞれのバスで、バラバラの時間に帰る。
相手が1時間早いバスで帰るので、残りの時間まで、バス停の近くで過ごすことに。

そのとき、冷たい風が吹き付けた。
さっきまで、あんなに暖かかったのに。

2人は寄り添い、体温を分け合う。
もうすぐ沈んじゃいそうな、
夕日を背に抱いて


次回 高松days終 に

(今回のテーマソング:イースタンユース - たとえば僕が死んだら)

つづく

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