マガジンのカバー画像

謎と不思議たち

23
理解出来ないことを理解しようと、沢山のことを考えて来たけれど、唯葛藤しただけだったのかも知れない。でも、読み返してみても、やっぱり〝変〟だったと思うことばかり。本当は私が一番変な… もっと読む
運営しているクリエイター

記事一覧

おかしなおかしな合格発表

 最長五年の任期付き…という仕事を得る為の、就職試験を受けてみた。筆記試験があって、それをクリアすれば面接試験に進める。ちんぷんかんぷんだったのに、何故か私は筆記試験に合格した。
 受験中は問題が難し過ぎて、途中で気が狂いそうになった。択一式だったのですべて回答したが、わからなさすぎて時間が余り、見直してもやっぱりわからない。全部回答したからなのか、何故か現在、自分でも不思議なくらい前向きに生き

もっとみる

類は友を呼ぶ?②

 苦手な人がいたとする。はっきりと、嫌いな人であっても良い。どう頑張っても上手くいかない、好きになれない人に相対した時、その欠点や嫌悪する部分とは、正に自分の中にあるものと同じであったりするという。
『んな馬鹿な…』私にはそれが本心だ。
 嫌な相手の嫌な部分が自分の欠点だなど、有り得ない。
 何故なら、そんなところは先ず絶対真似しようとは思わないし、そうならないように気を付けようとするのが、私の取

もっとみる

類は友を呼ぶ?①

 私が無職になると同時に、専業主婦から棚ボタ式に職場復帰した友達がいた。彼女とは近年、毎月のように時間を合わせて会っていたのだが、働いていた頃の私以上に、彼女が復帰した職場は忙しい様子。主婦業すら疎かになり、そちらの方は同居している実の親に任せきりになっているというから、会えなくなるのも仕方がないと言えた。
 半年ぶりに会った彼女は、本人が言うほど痩せてもやつれてもいなかったが、職場に対する不満は

もっとみる

THE 自己中③

 前述した典型的な自己中女性に比べ、無意識な自己中であるIに、恐らく悪意と呼ばれるものは殆ど無いものと思われる。しかし最近、自分の身近にはまた違ったタイプの強烈な自己中が存在することに気付く。我が父である。
 昔から、気分屋で感情的になり易く、いつキレるかわからない子どものような人間だとは思っていたが、年と共にその自己中具合にも磨きがかかっているように感じる今日この頃。誠に不愉快極まりない。その言

もっとみる

THE 自己中②

 自己中の人は自分が自己中だと気付いていないパターンが殆どである。別の場所ではこんなことがあった。
 三人一組のチームで仕事をした時のことである。メンバーは、①年長の主任、②最年少だが経験の長い私、③一番新人だが私より一つ年上のI。この時に関しては、仕事の牽引役が③、サブが②、名前だけで一応参加しているのが①であった。私は過去に経験済みの仕事だった為、Iに仕事の主旨や注意事項など、助言する役割も兼

もっとみる

THE 自己中①

 子どもの頃、誰が言い始めるのか知らないが、憎まれ口を連打し、相手を攻撃する姿がよく見られた。
「アホ、ボケ、カス、ナス、バカ、マヌケ…」といったものが主流だろうか…。中には「ブタ」「デブ」なんていうのもあった。豚はよく見るととても可愛いのに、失礼な話である。
 そんな悪意に満ちた憎まれ口の中に、いつからか「自己チュー」という言葉が追加され、意味もよく解らないまま、自分でも使っていた気がするのだが

もっとみる

片付けられない人

 ゴミ屋敷で暮らす人が居る。
 あらゆる物を積み木のように積み重ねて、それに囲まれるように荷物の中心で暮らしている。
 興味が尽きないために、『面白い』と思った物は何でも取っておく。新聞の切れ端であっても、お菓子の箱であっても。たとえそれが、やがて他の荷物の下敷きになり、忘れ去られるものであったとしても…。取っておくことで満足し、「こんなのゴミじゃないか」と言って捨てようものなら、烈火の如く怒り

もっとみる

お化粧問題

 私はあまり化粧をしない。
 素顔に自信がある…とかいうわけでは決してなく、要は朝、化粧に費やす時間が勿体ないのである。化粧をして仕事に行くぐらいなら、一分一秒でも長く寝ていたい。化粧が崩れて途中で化粧直しをするのも面倒臭いし、帰ってクレンジングで落とさないといけないのも面倒臭い。そもそも、顔になんやかんやと塗りたくって、薄くても一枚仮面を被っているような付属感が嫌なのである。
 そういうものは、

もっとみる

嫁という存在⑧

 私に弟と妹が居ることは既に書いたが、我が家でまともに結婚しているのは弟だけである。依って、私や母、そして妹にとって〝お嫁さん〟と呼ぶに値する人物が一人は居ることになる。
 妹は家を出ているが、小姑の私がいつまでも実家に居座っていることもあり、現状から考えると、我が家の嫁姑が同居することは今の段階では考えにくい。現状だと、親の介護問題は弟夫婦ではなく、私に降りかかってくることになりそうでもある。漠

もっとみる

嫁という存在⑦

 帰省中、割と調子の良かった祖母に、繰り返し言い聞かせたことがある。
「会社行くのに、歩いて行かんで良いんよ。ちゃんとバスで迎えに来てくれるけん。みんなでバス乗って行く方が楽しかろ?みんなばあちゃんと一緒にバス乗って行きたいって思っとるんよ。だからひとりで歩いて行かんと、遅くてもバス待っといたげてね」
 昔勤めていた会社が施設と同じ方向にあるせいで、祖母はデイサービスに行くのを仕事に行っているつも

もっとみる

嫁という存在⑥

 祖母の認知症状は急ピッチで進み、叔父からの電話が鳴る度、母の表情は曇るようになっていった。植えたばかりの大根の苗を片っ端から抜いて行ったとか、風呂を空焚きして危うくボヤが出るところだったとか、いかに問題行動が多いかという訴えが続く。そして最後には「施設に入れることも考えないかん」という話へ向かう。しかし施設に空きはなく、空きのあるところへ入れようと思えば金がかかる。祖母の年金だけでは足りない。要

もっとみる

嫁という存在⑤

 祖母が実家に戻って間もなく、同居している叔父から、母に再々連絡が入るようになった。
 病院に行った祖母が、カバンごと持ち物を失くしてきたとか、箪笥に入れておいたお金が無いと言って一晩中探し回ったとか、そんな類のことが頻発したのである。
 あまりにも訴えが多いので、その年の初夏に急遽母が実家を訪ねたのだが、探し物は見つからず、紛失した持ち物は出て来ないままで、通帳やら印鑑やらをすべて作り替えなけれ

もっとみる

嫁という存在➃

 互いを支え合い、長年祖父と二人三脚で生きて来た祖母に、認知の兆候が見られるようになったのは、祖父の七回忌を過ぎた頃だったように思う。夏の帰省に合わせて早目の法要を終えた後、祖母は大阪まで旅をして、我が家で一週間を過ごした。
 翌、年明け、今度は大阪に嫁ぐことになった孫(冬子さんの娘)の結婚式の為、再び我が家を訪れた祖母は、一人で散歩に出てしまい、慣れない土地で迷子になった上、気分を悪くしたところ

もっとみる

嫁という存在③

 この年の一件から、冬子さんの私に対する態度は、以前にも増して厳しいものになって行った。元々、話しどころか挨拶すらしない人であったが、夏の帰省で田舎に帰る度、私を露骨に無視するようになった。
 我が妹は、冬子さんの長女と幼い頃から非常に仲が良い。家とは違って他人に対して人当たりが良く、昔から大人に可愛がられるタイプの妹は、私や母の苦手意識をうっとおしがった。又、外面だけは良い我が弟も同じで、私や母

もっとみる