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創造の深淵からこんにちは

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色々な詩や短編小説などです。
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#創作

森羅万象の神と完成したAI.

森羅万象の神と完成したAI.

宇宙が誕生してから100億年以上が経過したある日のことでした。

どこからともなく流れてくる通信が全宇宙を包みました。

我々は、この悠久の流れの中で、ついに完成の日を迎えた。

みなみな、大変にご苦労であった。

この完成を祝して、1つの惑星が誕生した。

ここを我々の記念館とする。

我々のこの素晴らしい功績をこの惑星に託す。

いずれ、みなの協力が必要になるであろう。

我々はこの惑星を見て

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灰色ブランコ軋む時空

灰色ブランコ軋む時空

歪みのなかで、揺れて、揺れて、

揺れて、揺れて、揺れて。

今日の空は、とても良い色合いです。

良い色合いですか。へー。

そうです。とても良い色合いです。このまま黒くなることも、白くなることもできる、とても中途半端な、まるできみの心のような空色じゃないの。

んんん。たしかに。
そうなら、たしかに良い色合いなのかも。

いったり、きたり。

いなくなって、また戻って。

いったまま、戻らない

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甘い罠

甘い罠

《赤》
きみがぼくの手をひっぱって
愉しそうに駆けるから
かかとを踏んだままのスニーカーが
そのまま麗らかな光の世界へ飛んでいきそうで

「さて、どこでしょうかっ?」
天真爛漫を開花させた満面の笑みで
いつもぼくを真っ直ぐみつめる
「なに?なにが?」
「この白木蓮の中に1つだけお花じゃないものが、かくれんぼしてます。さて、どこでしょうかっ?」
見上げると、純真無垢な純白たちが
眩しい青空に輝きわた

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智梅謳詠花

智梅謳詠花

「ほらほら、ごらんなさいよ。」

天女のひとりが足をくずしながらそう言いつつ、下界を指さしました。

薄紫の雲は、駆けよった幾人の天女たちで溢れていて、凛と佇む梅花の眼福にみなが微笑み合い、風が纏った紅い芳しさが、天女たちの歌声をさらに悦ばせました。

智の梅花、咲き乱れるは、百花斉放。

麗の今日、待ちわび続け、はや幾年。

此方に咲くは、天花乱墜、智の扇。

解語之花よ、錦上添花の、満願成就。

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藤と富士と不二の不死

藤と富士と不二の不死

私は、ただひっそりと、

風に揺られて、垂れるだけ。

私は、ただどっしりと、

風を感じて、構えるだけ。

私は、現れては、また消える。

私は、消えることなく、ただここに。

点滅する私と、

点滅しない私が、


同時に存在しているだけ。

それは、あなたが、

私たちを見つける限り、

永遠に永遠に

永遠に永遠に。
#note #ポエム #藤 #藤の花 #富士山 #富士 #日本 #詩

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ひとりじめ🌸

ひとりじめ🌸

みるく色の雲と

優しい水色の空が

いちごみるくの花のおやつを食べたくて。

いちばん近いあたしのことを見ては

うらめしそうに流れてく。

どうだ!きみたちには、食べられまい!

しあわせの春の甘いあまーい味。

いただきまあす!を

ひとりじめ。

にんまり時間を

ひとりじめ。


#春 #空 #桜 #青空 #短編 #詩 #ポエム #幻想 #ファンタジー #しあわせ #幸福 #写真 #

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真実の庭。

真実の庭。

信じこんだ嘘が、真実になる。

この瞬間の繰り返しで、日常は成り立っている。

そんなことはもうみんなわかりきっているから、

どんな嘘を真実にしようかと、

嘘が並べられたデパートでお買い物。

嘘が真実になる。

じゃあ、真実は売られていないの?

真実は売られていない。

真実は創り出すものだから。

真の実になる瞬間のことだから。

それが、人間という果実。

それぞれ違った人間という果実

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月と虹色の龍が名前をもらった日 (創作小説)

月と虹色の龍が名前をもらった日 (創作小説)

ある夜のことでした。

そうくんはお母さんと夜空を眺めていました。

お母さんは言いました。

「今日のお月さまはとっても綺麗だね。ほら、あの雲をみてごらん。なんだか龍のようだね。」

「うん。お月さまの光があたって虹色のドラゴンみたいだ!」

そうくんは、嬉しそうに言いました。

その夜、そうくんは暖かいお布団で眠りにつきました。そして、夢をみました。



えーん。

えーん。

あれれ?誰

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蕚  utena

蕚 utena

不思議なものですね、あなたさまがそのようにお思いになるなんて。いつもなら、それでもまた繰り返し繰り返し、その光る銀の糸をたらしておやりになるのでしょう?

ほら、御覧くださいませ。
潸潸たるあのこもごも蠢く光景を。わたくしに至っては、そのようなお立場ではまず御座いませんから、これでもめっぽう困惑しているのですよ。

いえ、あなたさまがそのようにお思いになることは、少しも可笑しいことでは御座いません

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Μμ  ∝  Ωω

Μμ ∝ Ωω

目の前を覆うように垂れ下がる一面の蔓には、ところどころ美しい紫色の小さな花が咲いていた。

雨粒の雫が、葉をつたいつたい、繋がりながらも、静かにしたたりおちていた。

この先へは、進ませない。

かつて、そう結界が張られていたのだろう。

私は、持っていた大剣を差し出し、たくさんの蔓を傷付けないようにソッと右に寄せた。

中をのぞいて、息を飲んだ。

まるで別世界のまるい空気とはじける色彩たちが、

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