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スクナビコナ鍼灸院の症例紹介と養生法

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スクナビコナ鍼灸院で取り扱った症例を紹介していきます。顕著な効果が認められたもの、今一つ効果を実感していただけなかったもの等様々ですが、読者の方が抱えているお悩みの解決の一助にな… もっと読む
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更年期を自分らしく、楽しく過ごす

更年期を自分らしく、楽しく過ごす

更年期は、閉経前5年、閉経後5年の10年間のことを指します。
おおよそ年齢では45~55歳くらいに当たります。

しかし、最近では女性だけに限らず、男性にも更年期の症状が出ることが知られています。

更年期はホルモン分泌の減少することで、「ココロ」と「カラダ」に変調が生じる期間に当たります。

この変調の代表的なものに"ホットフラッシュ"がありますが、変調の症状の現れ方には個人差があります。

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症例紹介#13 【ギックリ腰と按腹】

症例紹介#13 【ギックリ腰と按腹】


【患者】40代男性(ワタシです)

【所見】肥満傾向にあり、腹を突き出すように歩く。
腹筋の弱体による体幹維持力の低下と、その結果による腰椎への過剰負荷(反り腰)

【状況】日常生活動作中の不意の激痛。
これまで数回ギックリ腰は経験していたが、過去に類を見ない激痛で、
立ち上がることはおろか、指先の少しの動作でも腰に激痛が生じる状態だった。

横向きで寝ると痛みは全くなくなる。
仰向けだとやや腰

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症例紹介#12【顔の痺れとめまい】

症例紹介#12【顔の痺れとめまい】

【患者】40代女性

【主訴】左顔面の痺れと、めまい
数ヶ月前からめまいがしだした。
その内治るだろうと思いそのままにしていると、次第に顔の左側が痺れるようになってきた。
怖くなって整形外科と耳鼻科に行ったが、
「どこにも異常はない」
と言われ、湿布とロキソニンをもらったが、症状は治らない。

【所見】体格は細身で撫で肩
眼振はない
脈は細く強く打つ(緊)
舌は全体的に白っぽく力がない
整形外科、

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お灸の種類

お灸の種類

今日はお灸についてご紹介します!

お灸とは、よもぎの葉っぱを乾燥させて、不純物を取り除いたもののことです。

松尾芭蕉の「奥の細道」にも、
「足の三里に灸をする」
と表記があるくらい、昔から日本人には馴染みがあるものです。

これが一般的なお灸です。

これを小さくちぎって捻ったものが、下の写真↓↓

ボールペンの先くらいですね。
これくらい小さく捻って、皮膚の上において火をつけます。

すると

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症例紹介#11【起立性調節障害・強度の肩凝り】

症例紹介#11【起立性調節障害・強度の肩凝り】

患者と主訴患者:20代女性
主訴:肩凝り・頭痛・起床時のめまい

状況
数ヶ月前から朝起きた際に強いめまいがするようになった。医者で診察を受けたところ「起立性調節障害」であると診断された。
以前から首や肩の凝りが強く、腕を長時間上げていると指先が冷たくなったり、痺れたりする。肩凝りがひどく、気が重たくなることもある。

【起立性調節障害とは:】起立性調節調節障害とは、自律神経の不調により立ち上がっ

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症例紹介#9【側湾症に伴う腰背部痛】

症例紹介#9【側湾症に伴う腰背部痛】

注意本文は脊柱側湾症患者の多くが悩む腰背部痛の除去・軽減を目的としたものであり、脊柱側湾症の治療・矯正を謳うものではない。

腰背部痛の特徴不調発生箇所について

脊柱の湾曲により、脊柱起立筋のバランスを欠くために起こる腰背部痛には特徴があり、湾曲の凸部の起立筋に多く見られる。

脊柱側湾症患者の脊柱は緩やかにS字を描いていることから、上背面で1箇所、腰部で1箇所に発生し、その発生箇所は脊柱を挟み

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症例紹介#8【ギックリ腰(鍼を使わない治療)】

症例紹介#8【ギックリ腰(鍼を使わない治療)】

患者と主訴患者:50代男性
主訴:ぎっくり腰
状況:しばらく腰がダルいなと思いながら生活していた。床に落ちた物を拾おうとかがんだところ、発症。起き上がれなくなってしまった。

脈診・舌診脈所見:省略した
舌所見:省略した

考察床に落ちた物を拾おうとした際に腰を痛める場合に多いのが、膝を曲げてしゃがんで拾うのではなく、膝を曲げず、前屈みになって拾う場合が多い。
これは、下半身の筋力低下、もしくは下

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症例紹介#7【腰のダルさと脚の痺れ】

症例紹介#7【腰のダルさと脚の痺れ】

患者と主訴・生活状況患者:60代女性
主訴:慢性的な腰のダルさと脚の痺れ

状況:パートタイマーとして事務職を長年続けてきた。仕事内容はパソコン作業で、一日の大半を座って過ごす。運動習慣はなく、自身でも「一日にどれくらい歩いているか測ったら、800歩くらいだった。ほとんど動いていない」とのことであった。
数ヶ月前から腰がダルく股関節に何か詰まったような感じがする。
ひどい時は脚の先に痺れたような感

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【症例紹介#6】のどの詰まり感(梅核気)

【症例紹介#6】のどの詰まり感(梅核気)

患者とその背景患者:30代女性

主訴:頭痛・不眠・喉の閉塞感・軽いめまい。特に喉の詰まり感が苦しく、パニックになりそうになる。

状況:仕事が忙しいことに合わせ、子供が小さく育児にも追われ疲労している。性格的に完璧を求めてしまうため、納得ができるまで用事を片付けないと眠ることができない。常に何かに追われているような気がして眠ってもすぐに目が覚めてしまう。

望診と所見望診:月に一度の頻度で通院し

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【症例紹介#4】産後の腎虚症による腰のダルさ、冷え症状

【症例紹介#4】産後の腎虚症による腰のダルさ、冷え症状

症例紹介患者:30代女性
主訴:腰がダルく、体全体に濡れた布を纏っているように重たい。足の冷えもキツく、風呂に入ってもすぐに冷えてしまう。
所見:表情に疲れが見え、やや顔色が黒い。声に力がなく、息が漏れるように話す。
舌所見:淡白舌

脈所見:拍動が弱い。しっかりと抑えないと脈拍を感じない(沈脈)
状況:患者は数ヶ月前に出産したばかりである。働きながら子育てをしているが、万全ではなく疲れやすい。疲

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【症例紹介#3】将来の漠然とした不安等による手掌、足裏の火照り・モヤモヤ感

【症例紹介#3】将来の漠然とした不安等による手掌、足裏の火照り・モヤモヤ感

主訴と所見患者:30代男性

主訴:手足、特に足の裏がモヤモヤして気持ち悪い。腰付近がダルく抜けるような感じがする。
内容:仕事自体は順調ではあるが、将来の漠然とした不安から手足、特に足の裏がモヤモヤして気持ち悪い。
特に夜中にひどくなり、眠れなくなることがある。
所見:表情は明るく振る舞っているが、舌所見は全体的に白く固く縮こまって、烈紋が強く認められる。かつ軽く震えている。足裏は固く体格に見合

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【症例紹介#2】職場の人間関係のストレスによる肌荒れ・便秘・抑うつ状態

【症例紹介#2】職場の人間関係のストレスによる肌荒れ・便秘・抑うつ状態

症例紹介患者:20代女性
主訴:全身の倦怠感と無気力・肌荒れ・一ヶ月にわたる長期の便秘
所見:目の下にクマが認められ、表情が暗く元気がない。頬に数個のニキビが見られ、かなり気にしている。
舌所見:やや紅く、暗い
脈所見:太く勢いはあるが、圧すると消えてしまう
東洋医学的所見:肝脾不和、肝気鬱結

主訴の内容接客業をしているが、職場で理不尽に叱責され、たまらない。
自分ばかりがターゲットにされ、他の

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【症例紹介#1】反抗期の子供に対するストレスによる頭痛・肩凝り

【症例紹介#1】反抗期の子供に対するストレスによる頭痛・肩凝り

症例紹介【症例】 30代女性
主訴:肩凝り・頭痛・不眠・倦怠感
所見:伏目がちだが、目つきが鋭い。口調は穏やかだが、うんざりした様子。
舌所見:全体的に紅く苔が少ない。舌尖が著しく紅い。
脈所見:キンキンとした鋭く強いリズム
東洋医学的診断:肝鬱気滞、肝火上炎

主訴の内容内容:反抗期の子供がいうことを聞かず、イライラしてしまう。
子供に自分の人格を否定されるような言辞を投げかけられて、受け止める

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【症例紹介#5】自覚のない肩凝りによる気分障害・頭痛・めまい・不安感

【症例紹介#5】自覚のない肩凝りによる気分障害・頭痛・めまい・不安感

症例5
患者:20代女性
主訴:頭痛、吐き気、めまい、不眠

状況:数ヶ月前から頭痛がひどく、吐き気を伴うこともある。病院に行ったが異常はないと言われる。薬を服用すると一時的に頭痛は治るが、あまり持続しない。
常に頭痛がしていて、気分が激しく落ちこむことがある。仕事はデスクワークで、モニター作業が多い。運動習慣はない。イライラする元気もない。

脈診:弱く、手首をしっかりと圧しないと脈を触知できな

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