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最終選考ノミネート作品が公開されました。
別のペンネームで応募したので、紫倉紫ではありませんが、最終選考にノミネートされました。
実は、こちらの文学賞、Twitterでみかけたので、募集開始直後から存在は知っていたのですが、応募する気はまったくありませんでした。
Twitterのお友達の大好きな作家さんが応援大使になり、「一緒に応募しよう」と誘われた時にも、私は根っからの長編書きなので、「5000字なんて、主人公の自己紹介で使い切
人生で一番最悪な、クリスマスエピソード。
子ども達が幼かった頃、私は、親からとサンタさんからのプレゼントを両方用意していた。ゲーム機などの、高価な物ではないけれど。
サンタさんからのプレゼントは、枕元の置いてみたり、「あー寝る前に鍵を開けておくの忘れてた」と、玄関の外にかけておいたりと、毎年、いろいろなパターンで渡していた。
努力の甲斐あって、子ども達はサンタさんを、長い間、信じていた。
三女が、小五の頃。
そろそろ、二つずつ
まほろばに星の降る夜
遺言信託を提案するために顧客の家を訪ねた。庭先の楓が色づいている。
門の前でコートを脱ぎ、腕にかける。時計の秒針をみながら約束の時間ピッタリに、インターホンを押した。
私が男性と一緒に訪問したものだから、出迎えてくれた西村様に「夫婦で来はったんやな」と、茶化された。西村様は、セクハラに近い冗談をよく言う。八十二歳の男性で、一回り下の配偶者がいる。『子なし夫婦』だった。西村様は八人兄妹で、その
解放、あるいは、永遠の呪縛。
母が、櫂(かい)の部屋を定期的に掃除し保ち続けるのは、それが、腐らない遺体だからかもしれない。
久しぶりに櫂の部屋をのぞき込んですぐに、そんな考えがよぎった。
十年もの間、絶対に帰って来ない櫂のために維持されてきた寝床や勉強スペース。無駄でしかないのに、わたしも「処分したら?」とは、言い出せない。
生きていればとうに、学生時代の勉強机など必要なくなっている。
現にわたしは、卒業後シンプル